言い間違いU(11〜20)

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 言い間違い1〜10に引き続いて。
 相変わらずしゃべりのプロの言い間違いも増加の一途。
 退屈な毎日にささやかな笑いを届けてくれる今日この頃である。


その20  久々のヒット  2003 04 04

 いやー出ましたよ「愛の嵐」以来の言い間違い。
 今朝の○ジテレビ、かわいいわんちゃんのコーナーで有名な「きょうのわん○」の写真集が発売になったという紹介の場面で、キャスターのおじさん(大塚さん?)が
 「おー、かわいい、ま」
 と言いかけて
 「わんこが・・・」
 と何事もなかったように言いなおしてました。
 聞き違いかも知れませんが私にはそうとしか聞こえませんでした。何よりも、「ま(或いはそれに類する一文字)・・・」といいかけて改めて「わんこ」と言いなおしていたのは紛れもない事実。どなたかお聞きになった方いらっしゃいません(笑)? 


その19  イラク侵攻  2003 03 22

 米英軍のイラク侵攻が始まって、テレビはライヴな番組が目白押し。
 必然的に言い間違いも増加する。今朝耳にしたやつでは
 「(米英軍は)バグダッドに向けて進撃、首都こーらくを目指します」
 というもの。「こーらく」ってなんだ。無論「攻略」の間違いであるが「首都行楽を目指す」となると、お弁当持ったピクニックのノリ。この戦争の一方的な戦いの状況と気分をある意味言い表しているとも言える。
 「特殊部隊がイラク『馬鹿歩き省((C)モンティ・パイソソ)』を制圧」とか続報が入りそうである。
 また、みの○んたがうっかり「空爆開始作戦」と言っていたようだが、それって作戦名じゃないだろ(笑)。
 なんか「クレージーの」とか赤文字で頭に付けて、フセイソのかっこしたハナ肇がタンクに乗ってるポスターが頭に浮かんでしまった。
 しかしアホな言い間違いをするのはもっぱらスタジオの人々で、修羅場真っ最中の現場スタッフは意外とやらない。おもしろいものである。
 別に悲惨な戦争を笑おうというのではなくて、その報道関係者のトチりっぷりを楽しんでいるのだが、まだ当分ライヴな番組は続きそうなので、必然的に笑えるフレーズも増加しそう。自主自宅軟禁状態の仕事の日々を紛らわす、良き伴侶となって欲しい(でも戦争は早く終わってね)。


その18  何を鳴らすの?  2003 03 08

 3月7日の夕方のニュース。某局のアナウンサーが「献金不正処理問題」についての報道で
 「〜の風潮にケイリンを鳴らすことになると・・・」
 と言っていた。「ケイリン」ってなんだ。
 新明解辞典だと「国家を治め秩序あるものにすること(手腕)」を「経綸(けいりん)」と言うとあるが、これって鳴らすものではないのではないか。話の前後の脈絡からして
 「警鐘を鳴らす」
 の「ケイショウ」を「ケイリン」と読み違えたとしか思えない。まあ確かに「競輪」はジャンが鳴るけど。
 これとは別の日にあるニュースで言い間違いがあって、あとで他のアナウンサーが
 「先ほどは、おキッツキッぐるしい点がありましたことを御詫びいたします」
 と恥の上塗りをしていたことがあった(笑)。猿ですか。

 と本日もマスコミの重箱の隅をつついたついでに返す刀で己にも一太刀。
 聞き間違いである。
 「リーヴァイス台湾ジーンズ」
 なんの事かと思ったら「タイプ1ジーンズ」であった。腐ってるな耳。


その17 相撲親方  2003 02 27

 小ネタです。
 「相模(さがみ)」と「相撲(すもう)」は字が似ている。
 以前友人の知り合いで「東海大相模(とうかいだいさがみ)」を「とうかいおおずもう」だと思っていた人がいたそうだ(笑)。
 私は拙著『弾(アモウ)』の中で私立探偵で「相模親方(さがみちかまさ)」というキャラを出した。太っていることもあってヒロインの天羽からは「すもうおやかた」と呼ばれている。
 関係ないけど替え歌をひとつ。
 堺マチャアキさんの昔のヒット曲
 「♪さよならとーかいだいさがみ〜♪」
 ・・・・・・・


その16 崩れ行く国語力  2003 02 26

 今日は言い間違いの話ではない。それの根本の話である。
 読売新聞の夕刊に「新・日本語の現場」という連載記事があり、2月24日だったか、某有名中学の国語の入試問題が載っていた。何種類かあるのだが、まず始めが漢字二字熟語のしりとり。ただし字は同じでも読みは変えなくてはいけない。例えば「大小」>「小声」>というようにである。これがズラッと並んでて途中が二つずつ所々抜けている。そのしりとり問題が10問、次に上下を入れ替えると別の意味の熟語になる二字熟語を並んだ二つの異なる文章の空欄に入れる問題とかいろいろと続く。とんでもない難しい漢字とかは出てこない。中学入試でもおかしくないと私には思われるレベルだった。設問はその他合わせて全部で20問が掲載されていた。私も試しに挑戦してみる。とりあえず最初の設問だけでもここに上げよう。

 大小>小声>声明(せいめい)>明星(みょうじょう)>(1)>(2)>間近>近親>(3)>(4)>定石>石工(いしく)>(5)>(6)>業腹(ごうはら)>(7)>(8)>根本>本歌(もとうた)>歌手>(8)>(9)>水着

 正解は翌日の夕刊に載った。
 (1.星空)(2.空間)(3.親指)(4.指定)(5.工作)(6.作業)(7.腹心)(8.心根)(9.手下)(10.下水)
 採点してみると二箇所(9、10)模範解答と異なるところがあり(わからなかった空欄は3,4,7,8)、これを正解とするか不正解とするかで点数が変わってしまう。始めのしりとりで模範解答は「手下」>「下水」>と続けるところ、わたしは「手塩」>「塩水」>と書いた。けして間違いではないと思うがどうか。ちなみにこの二問を正解とすると私の得点は16点。不正解とすると14点である。しりとり以外の10問は全問正解だった。
 正解の載った回の記事に、この問題を現役の東大の文系2年生18人に挑戦してもらったとある。制限時間は10分。で、最高得点が15点。最低が5点。平均点が10点。漢字の熟語しりとりでは5人が白紙に近く、平均正解は2点だったという。
 私の正解は熟語しりとりは6点(あるいは4点)である。
 今の学生の国語力が低下してるとは聞いていたが、現役東大生がこのレベルとは仰天した。最近40歳を過ぎてからめっきり物忘れがひどくボケたかと思って悩んでいるおやじの私がこれなのに。
 長年、現代国語をないがしろにしてきた日本の教育の結果である。
 しかしこれは「今時の若い者は」という話ではない。
 その記事には読売新聞の日本語取材班のメンバーである40歳代半ばから30歳代後半までの5人の記者も問題に取り組んでみた、とあった。「恥ずかしながら最高でも10点に届かなかった」とか。
 そいつら全員やめろ担当。
 言葉でメシ食ってる人間とは思えないお粗末さである。

 蛇足であるが、先日「近くて怖い国」の短射程の対艦ミサイル発射実験を日本に到達する弾道ミサイル発射実験と混同したようなヒステリックな報道に走った各テレビ局の馬鹿っぷり。そうした方が馬鹿なお客に受けるのさ、とほくそ笑んでやってるスタッフもいたのかも知れないが、どうもマジで混同してるふしもあり、日本のマスコミの知的レベルのお粗末さには暗澹たる思いがする。上記の中学入試問題の結果は、その一つの現れのような気もするのだが、果たして私の考えすぎか。


その15 于と干  2003 02 22

 某国営放送のドキュメンタリー番組でのことである。
 数年前だったろうか。
 漢方薬の故郷を訪ねて、みたいな内容で、中国奥地の薬草取り名人にスポットを当てていた。興味深く見ていたのだが、途中で待てよと気になった。名前と読みが違っている。
 非常に良く似た字であるが一つは「于」、もう一つは「干」である。
 中国語の普通話読みにすると「于」は「ユィ」であり日本語読みだと「う」である。
 一方「干」は「カン」であり日本語だと「干潮」とかの「かん」や「干物」の「ひ」、「物干し竿」の「ほ」に当たる。
 後者はともかく前者は一般の人にはなじみのない漢字であろう。
 学生時代漢文の授業などでは出てくるが、覚えている人は少ないかもしれない。  私が知っていたのは、中国に興味があるのと、昔描いた武術漫画『セイバーキャッツ』にまつわる取材で、実在した武術家で「于」(う)という老師がいたためでもある。
 問題の番組ではナレーターが繰り返し「『かん』さん」「『かん』さん」と言っている。しかしテロップではちゃんと「于(う)」になっている。もしかしたらテロップが間違っていて本当に「干(かん)」さんという名前なのかも知れない。録画したVTRを巻き戻して見直すと、現地の人が中国語で「ユィ」と言っているではないか。これは「干」じゃない「于」だ!
 たわいないバラエティ番組ならいいが、まじめなドキュメンタリーそれも天下の○○○がこれじゃまずかろうと、生まれて初めて放送局にクレーム電話をかけた。
 応対に出た担当のおじさん。
 「はあ、はあ、そうですか」
 と聞いていたが、今一要領を得なかった。判ってくれたのか果たして?
 それから間もなく、再放送があったようだが、そこが直っていたかどうか。なにしろテロップではなく「ナレーション」である。修正するには一手間かかる。その後の情報は判らないままである。


その14 ちゃんぽん  2003 02 01

 某長崎ちゃんぽんのチェーン店「リンガー○ット」。
 今年もあの季節限定「野菜たっぷりちゃんぽん」の日々がやってきた。しもふり白菜が入っていてそこそこうまい。先日も腹ふさぎに食いながら、ふと、昔のことを思い出した。
 あれは昨年だったろうか、もう少し前だったろうか。夜中、妻と二人で入って、問題の品をオーダーした(当時は「しもふり白菜」ではなかったが)。我々のほかには二組くらいの客。若い乙女のウェイトレスが「はい」と答えて向き直り、調理場めがけて元気良く叫んだ。
 「野菜たっぷりたんぽん二つうううう!!」
 一瞬しんと静まり返る店内。
 なにが起きたのか「?」状態のウェイトレス。数秒後、くすくす、ふふふなどという忍び笑いが客たちから漏れ、調理場係も笑っている。はっと事態に気づいたウェイトレス、本人も笑いながら小走りに調理場に入っていった。
 あまりにベタな言い間違いで、出来の悪いおやじギャグのようであるが妻と二人で遭遇した紛れもない事実。
 今年は「しもふり白菜ちゃんぽん」の方がメインになっていて「野菜たっぷりちゃんぽん」はサブタイトルになっていて、これならオーダーでミスすることもない。少し考えたなリン○ーハット。


その13 the year 続報 2002 12 21

 その9で「ザ」と「ジ」の使い分けについて書いたが、BBSで通りすがりのお客様という方からご指摘をいただいたので、ここに転載する。
 
 「雑文・言い間違いその9」で、ザとジの話がありますがyear の先頭は半母音といいまして子音の一種なので、the year はどちらかといえば「ザ・イヤー」の方が正しいのです。(the ear ならジ・イヤーですが、year と ear とでは発音が違います)
 これは、a year が an year にならないことと同じです。
 ただ、実際にはジと発音されることも多く、ジも間違いとは言い切れません。
 話の腰を折ってしまったら申し訳ありません。どうしても気になったものですから…。

 とのこと。なるほど。大変勉強になりました。腰を折るなどとんでもない!!chanticleer様、ありがとうございます!!


その12 魔界 2002 10 05

 あるレストランで昼食を取っていると近くのテーブルの中年夫婦の会話が耳に入ってきた。
 「でね魔界がさあー」
 ほおお、ごく普通のまっとーな夫婦とお見受けするが、真昼間からたいそうな話してるなー。RPGの話でも漫画やアニメの話でもない、日常的な会話といったふうである。何か宗教に入っているのかな。
 「で大磯と違って秦野のあたりは」
 待てよ、古代エジプトじゃあるまいし異世界とこの世が地続きみたいな話っぷりだが、あ、そうかさっきの「魔界」は地名の「中井」か。
 言い間違いならぬただの私の聞き間違いでした。 


その11 シミュレーション再び 2002 10 05

 またまた出ましたよシミュレーションいや「シュミレーション」♪
 さっきテレビで某格闘中継を見てたらある選手の対戦予想をやってたんですが、ナレーションだけでなく字幕でばっちり「シュミレーション」ですと。
 simulationであってsumilationではないのだが(その4で書いたとおり)こうも堂々とまかり通るのはなぜ?わざと間違えて言うのが今っぽいのか?まさかそんなこともあるまいが。


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