学歴(教育達成度)別の人口は各国人口の基本属性のひとつである。ここでは、大学卒業者が人口に占める比率(大卒比率)を国際比較した。データはOECD資料による。

 最近の大学進学率(厳密には大学進学率マイナス大学退学率)を反映しているのは若年層の大卒比率であり、中高年層の大卒率は数十年前の大学進学率を反映している。

 若年層(25〜34歳)の大卒比率が最も高い国は韓国(57.9%)であり、カナダ(55.9%)、ロシア(55.5%)、日本(55.1%)と続いている。若年層の大卒比率が半数を越えているのは、すなわち過半数の若者が大学出であるのは、この4カ国だけである。

 図で取り上げた36カ国の中で最も若年層の大卒率の低いのはブラジル(11.0%)である。西欧先進国の中では、イタリア、オーストリアなどが10%台と低いのが目立っている。ドイツも23.9%と日本や韓国の半分以下である。大卒が少ない一方で、専門職な職業訓練機関が大学に代わって国民の高い知的レベルを担っているという側面も無視できないと考えられる。

 中高年層(55〜64歳)の大卒率と比較すると、韓国、日本、アイルランドなどこの数十年の経済発展度の高かった国で大きく大卒率が上昇している点が目立っている。特に韓国では大卒率が中高年層から若年層へと4.8倍も上昇しており、世代間の格差が著しい。日本と韓国については、儒教的伝統を背景とする親の強い意向と経済発展・所得向上が結びついてこうした大卒率の急上昇がもたらされているといえよう。ただし、大学教育の中味が劣化しているとしたら見かけ上の大卒率の上昇が国民の知的レベルの上昇に直結しているとはいえないだろう。

 若年層と中高年層の大卒率が逆転している例もある。イスラエルとドイツである。また米国も若年層と中高年層の大卒率はほとんど変わっていない。これらの国で国民の知的レベルが落ちているとは必ずしもいえないので(米国?)、こうした逆転には、以前から大卒率が高かったという側面と大学に頼らない高度な教育システムが存在しているという側面があると考えられる。ドイツと米国で大卒が増えていないせいもあって大卒の失業率が高卒と比較して高まる傾向にない点については図録3905参照。

 こうした教育レベルの変化が子どもの学力と大人の知力の相関にも影響している点については図録3937参照。

 大学進学率の国際比較については図録3928、大学退学率の国際比較については図録3928a参照。

 グラフの対象となった36カ国は、若年層の大卒率の高い順に、韓国、カナダ、ロシア、日本、ニュージーランド、ノルウェー、アイルランド、デンマーク、イスラエル、ベルギー、オーストラリア、米国、スウェーデン、フランス、オランダ、スペイン、ルクセンブルク、スイス、英国、フィンランド、エストニア、チリ、アイスランド、ポーランド、スロベニア、ギリシャ、ハンガリー、ドイツ、ポルトガル、イタリア、メキシコ、オーストリア、スロバキア、チェコ、トルコ、ブラジルである。

(2011年3月7日収録)


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