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平成15年7月4日に「労働基準法の一部を改正する法律」が公布
され、関係省令や告示と併せ平成16年1月1日から施行されます。
@労働者ひとりひとりが主体的に多様な働き方を選択できる可能性の拡大
A働き方に応じた適正な労働条件を確保し、紛争の解決にも資すること
を目的に見直されました。

改正点は大きく3つに分けられます
@ 有期労働契約に関する改正
A 解雇に関する改正
B 裁量労働制に関する改正

<@有期労働契約に関する改正>
労働基準法第14条関係
労働契約は原則として、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほか
は1年を超えてはなりませんでしたが、その
上限3年に変更されます。(以下
の特例は除く
)但し、暫定措置として契約期間の初日から1年を経過した日以降
については、労働者はいつでも使用者に申出ることにより退職することができる

とされています。

<特例@>
※専門的知識等を必要とする業務に就く者に限ります。
専門的な知識、技術又は経験であって高度のものとして
厚生労働大臣が定める
(博士、公認会計士、医師、特許発明の発明者、システムエンジニア経験5年
以上のシステムコンサルタントで年収1075万円以上の者など厚生労働大臣が
定める基準によって定められています。)については有期労働契約の上限
に変更されます。

<特例A>
満60歳以上の者については有期労働契約の上限5年に変更されます。

<特例B>※従前どおりで変更なし
一定の事業の完了に必要な期間を定める労働契約(有期建設工事など)はその
期間
有期労働契約の締結、更新及び雇止めに関する基準
〜有期労働契約に関するトラブル防止のために定められました〜
<契約締結時の明示事項>
@有期労働契約を締結する際は使用者は当該契約労働者にその
契約更新の有
無を明示
しなければなりません。
(例:自動更新する。更新の場合がある。更新は無い。など)
A@で
契約更新する場合があると明示したときは、使用者は更新する場合と更新
しない場合の判断基準を明示
しなければなりません。(例:契約満了時の業務量に
より判断する。など)
B有期労働契約締結後に@またはAについて変更する場合は使用者は当該労働
者に速やかにその変更内容を明示(書面が望ましい)しなければなりません。
<雇止めの予告>
1年を超えて継続して雇用している有期労働契約(1年以内の有期契約の更新で1
年を超えている場合も含む)について、その更新を明示していた契約を
更新しない
場合
は、使用者は当該有期契約労働者に期間満了日の少なくとも30日前まで
更新しない旨、
予告しなければなりません。
<雇止めの理由の明示>
上記、
雇止めの予告を受けた労働者は雇止めの理由についての証明書を請求
ることができます。その請求を受けた
使用者は遅滞無くこれを交付しなければなり
ません。雇止め後に請求された場合も同様です。
<契約期間についての配慮>
使用者は契約を1回以上更新し、1年を超えて継続して雇用している有期契約労働
者との契約更新をしようとする場合は、契約の実態及びその労働者の希望に応じ
契約期間をできるだけ長くするよう努めなければなりません。

<A解雇に関する改正>
労働基準法第15条、第18条の2、第22条(第2項)、第89条(第3号)
解雇に関する改正点は以下の4点です。
@「解雇権濫用法理」の明記(法第18条の2)
A就業規則の絶対的必要記載事項である「退職に関する事項」として「解雇の
事由」を記載する必要を義務づけ(法第89条第3号)
B労働契約締結時に「解雇の事由」を書面交付により明示(法第15条)
C労働者の「解雇理由の証明書」の請求と使用者の交付義務(法第22条第2項)
解雇権濫用法理の明記(第18条の2)
解雇とは使用者による労働契約の解約の申入れであり、民法第627条で雇用の
期間を定めない雇用契約について当事者はいつでもその解約の申入れができる
とされています。また、解約の申入れ後二週間経過するとその雇用契約は終了す
るとされています。労働基準法第20条においては解雇の手続きとして解雇予告
(少なくとも30日前又は平均賃金30日分以上)が必要と規定されています。従っ
て、使用者は解雇権を当然に有することになります。一方、民法第1条第3項にお
いて権利の濫用が禁止されており、解雇権行使に対し一定の歯止めをかけていま
す。解雇の有効性については法律上に示されておらず、個別判断に委ねられるこ
とになり、最終的には裁判上で個別に判断されることになります。従って、解雇権行
使には客観的に「
合理的な理由」と「社会通念上の相当性」が要求されることにな
ります。「
解雇権濫用法理」とは昭和50年に最高裁で解雇権濫用の基本的考え
方が示され確立された判例理論であり、今回の労基法改正においては労基法第
18条の2として「
解雇は、客観的合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認
められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。
」と明記されまし
た。

※本条文は解雇権濫用法理を法律上に明定したものであって、解雇権行使につい
て客観的合理性や社会通念上の相当性の評価の前提となる事実について、その
多くを使用者側に主張立証責任を負わせている現在の裁判上の実務を変更する
ものではありません。
就業規則への「解雇事由」の記載(第89条(第3号))
就業規則には絶対的必要記載事項(必ず定め必ず記載しなければならない事項)
があり、その中に「
退職(退職手当を除く)に関する事項」があります。今回の改正
では、この「退職(退職手当を除く)に関する事項」として「
解雇の事由」が追加され
ました。

※就業規則に「解雇の事由」が記載されていない場合は新たに追加し、従業員の
代表者(労働者過半数が加入する労働組合がある場合は労働組合)の意見書を添
付し、労働基準監督署へ届出を行い事業場の見やすい場所に備え付けるなど周
知させなければなりません。
労働契約締結時における「解雇事由」の明示(第15条)
これまでも、労基法第15条において労働契約締結時(雇入れの際)に労働条件を
明示しなければなりませんでした。また、労働契約の期間や就業場所、始業終業
時刻や賃金、退職に関する事項は必ず書面交付(労働条件通知書など)で明示し
なければならないとされていますが、解雇についての事前予測可能性を高めるた
めに「
解雇の事由」も書面交付により、使用者は労働者へ明示しなければなりませ
ん。
解雇理由の証明書の交付(第22条(第2項))
これまでも、労基法第22条において労働者が退職の際に使用期間、業務の種類、
地位、賃金又は退職事由について証明書を請求した場合は使用者は遅滞無く交付
しなければならないとされています。今回の改正はこの退職証明に加えて、
労働者
は解雇予告をされた日から退職日までの間に、解雇理由についてその証明書を請
求することができます。
また、請求を受けた使用者はこれを交付しなければなりませ
ん。(但し、解雇予告がされた日以後に当該労働者が解雇以外の事由によって退職
した場合は、使用者はこの証明書を交付する義務はありません。)

※今回の改正において解雇については解雇ルールをより明確にするために
解雇権濫用法理を法文上明記し、解雇に関する事前周知を図る事で解雇を
めぐるトラブルを未然に防止し、解決の迅速化を促すための追加事項と言え
ます。


<B裁量労働制に関する改正>
裁量労働制とは?労働基準法第38条の3、第38条の4関係
「裁量労働制」とは、その対象となる労働者を対象となる業務に就かせ、当該労働者
に労働時間配分や業務遂行を委ねる場合にあらかじめ定めた労働時間働いたもの
とみなす、いわば「みなし労働時間制」の一つです。この裁量労働制には以下の2つ
のタイプがあります。

@専門業務型裁量労働制(第38条の3)
システムエンジニアやデザイナー、コピーライター、公認会計士や弁護士、新商品や
新技術の研究開発の業務など専門的な業務に就く者と定められた者が対象となりま
す。

A企画業務型裁量労働制(第38条の4)
事業運営の企画、立案、調査及び分析を行う業務(労使委員会を設置する必要があ
ります。)
@専門業務型裁量労働制(第38条の3)
<導入の手順>
制度の導入にあたっては、次の事項を労使協定に定め(様式あり)、所轄労働基準
監督署長へ届出ることが必要です。

<労使協定で定めなければならない事項>

@制度対象とする業務
A対象となる業務遂行手段や方法、時間配分等に関し対象労働者に具体的な指示
をしないこと
B労働時間としてみなす時間
C
対象労働者の労働時間に応じて実施する健康・福祉を確保するための措置の具
体的内容
D対象労働者からの苦情処理のために実施する措置の具体的内容
E労使協定の有効期間(3年以内が望ましいとされています。)
F
C及びDに関し労働者ごとに講じた措置の記録を協定の有効期間及びその期間
満了後3年間保存しなければならない事


※今回の改正ではC、D及びFが新たに追加されました。

<参考>
健康・福祉確保措置及び苦情処理についての内容についての詳細は、
平成11年12月27日労働省告示149号(PDF)(厚生労働省)もご参照下さい。
※PDFファイルを閲覧するにはAdobe Readerが必要です。
お持ちでない方はこちらへ。(Adobe社)
A企画業務型裁量労働制(第38条の4)
これまで対象事業場は事業運営上の重要な決定が行われる事業場として本社や本
店本部など事業運営上の決定権限有する事業上に限定されていましたが、今回の
改正において
対象事業場は本社等に限定されないことになりました。但し、いかなる
全ての事業場が対象とされるわけではなく、企画業務型裁量労働時間制として対象
となる業務が存在する事業場は本社等に限定されないということです。

<導入の手順>
@労使委員会の設置
(改正点:労働者代表委員について、
あらためて事業場の労働者の信任を得る必
要がなくなりました。
また、労使委員会設置届が廃止されました。)
A労使委員会で決議する
<必要的決議事項>
1、対象業務、2、対象労働者の範囲、3、みなし労働時間、4、対象労働者の健康
福祉確保の措置、5、対象労働者の苦情処理に関する措置、6、労働者の同意を
受けなければならない旨及びその手続き、不同意労働者へ不利益な取扱いをして
はならない旨、
(改正点:決議の要件が全委員の合意から
委員の5分の4以上の多数決となりま
す。)
B所轄労働基準監督署長へ速やかに決議を届出る
C対象労働者の同意を得る
D制度の実施及び所轄労働基準監督署への定期報告(決議の日から6ヶ月以内)
改正点:定期報告事項は対象労働者の労働時間の状況及び健康・福祉確保措
置の実施状況
です。苦情処理措置の実施状況と労使委員会の開催状況について
の報告は不要となります。)
決議の有効期間の満了(終了)※継続する場合はAの労使委員会の決議から行
います。

改正労働基準法の概要及び裁量労働制についてはこちら(厚生労働省)もご参照下さい。


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