宇宙船が出てくる映画の魅力。
今ではSFブーム時のイマジネーションの欠片さえ無い。
広大な海原へ船出し、何も無い空間に居れば想像を掻き立てるものが脳裏に押し寄せてくる。
何も無いから何かを作り出そうとする力。
ヒーローというSF、ミステリーというSF、宇宙を舞台にした戦いのSF、侵略というSF、パニックというSF、次元を飛び越えたSF。
ありとあらゆる姿形の未知の怪物が膨張している。
考えは出尽くし食傷気味もあろうが、物語の途中で虜になればそれさえも忘れる。
SFの真価は無限増である。
挑戦しようとしても見えぬ扉は現れない。驚愕の事実が明かされたりもすれば、きまぐれの時もある。複数の道を選んでも振り出しに戻る。
SFという世界そのものが古典になりつつある。これは何かの冗談であろうか。
精密なミニチュアセットとの合成を駆使すると宇宙も舞台に出来る。
どういう船と、どういう室内か。
船員たちは任務のため作業をする。そして逃げ場の無い場所で起こる不思議な現象に頭を悩ませる。
数々のストーリーとは別に宇宙旅行のロマンさえ思いを重ねる。SFの作品は様々な不思議を見せてくれた。
どんな事が待ち構えていようと、あの頃見た作品には夢があった。
過ぎ去りしものを振り返れる今では素直にそう言える。
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