ジャッキーさんのPNR紀行
Mr. Jackie's PNR travel
このページはジャッキーさんがフィリピン国鉄(PNR)南方線に乗車された紀行文です。
写真、紀行文は全てジャッキーさんの作です。無断転載しないようお願いします。
ジャッキーさん写真、紀行文、提供有難うございます。

2006年3月8日  07:00AM
パサイ・ロード駅からレガスピ行きに乗る。デラックス(エアコン車両)383ペソ。
思ったより客車も、椅子もやや大きめのゆったりサイズで、足乗せもついている、シートカバーもクリーニングされて非常に清潔である。

ただ、エアコンは効きすぎで、太陽が低い間は結構寒い。加えて、窓は頑丈な網戸が外側に嵌っていて、エアコン車両では汚れた窓も閉まりっぱなしなので、車窓を楽しむには不向きである。

メトロ・マニラを抜けると素晴らしい田園風景を見ることができる。更にラグーナ州からケソン州(ケゾンと発音する人も多い)に抜けると本当に長閑な風景を堪能することができる。
車掌が話しかけてくる。レガスピには良いカラオケがあると誘うが私はその趣味がないと遠慮する。要するに奢ってくれということである。
また、乗客の地図のセールスマンが地図を買わないかと言ってきたが、言い値が定価より高い(その地図には定価は書いてないが、たまたま以前買っていたので知っていた)ので、買わなかった。

10:00AM  Lucena

ケソン州の州都にあるルセーナ駅に停車。。ここで食べたパイナップルは非常に美味かった。しかも安い(約15円)、ほぼ下町の値段である。

Lucena

PNRの中はPNRの売り子は、制服を着ているので職員ということであろうか。なお、ポップ・コーラ(ローカルのコーラとしてはトップ・ブランド、ビジネス街ではコカ・コーラしか売ってない)を売っているというところが良い。

Lunch

01:30PM  Gumaca

グマカ駅に停車。この辺りから海が見える。
(赤いシャツはPNRの売り子)

 Gumaca


02:30PM  Hondagua

ホンダグワ駅に停車。以前ここでレガスピから来る車両とすれ違っていた。しかし、当方はついにどこですれ違ったのか気づかなかった。

Hondagua

ここで、エスケータ(isketa)というトロッコ風の公共交通機関を撮影。以前、これに乗ったがジェット・コースターのようなスリルとお尻の痛さを味わえる。エンジンの駆動をベルトで車輪に伝えて走るのだが、レールの隙間の大きさに比較して車輪がかなり小さいのでレールの継ぎ目の振動は凄まじいものがあり、さらに椅子は木の板なので、スピードを出されると正直言って怖い。尚、この辺りではロペス→ホンダグワ→カラワグの2区間を別々の組合で運行し、1区間10ペソの運賃(2004年5月)であった。

Hondagua

03:30PM  Tagkauayan

ケソン州の最後の駅タグカワヤン停車。ここからビコール地方に入る。
段々と日も落ちてきて、エアコン車両では耐えられなくなり、ツーリスト車両に移動する。さすがにこちらの方が乗客も多く、ゴミもたくさん散らばっている。綺麗好きな日本人には耐えられないのかもしれないが、フィリピンではゴミを床に捨てる習慣がある?と諦めるしかないのだろう。
PNRは森(ジャングル?)の中を通過するときには張り出した木の枝が窓の外の網でバリバリ掻き分けながら走るのである。だから窓から手を出すなんてとても無理である。時には石が跳ね返るのかゴンッという凄まじい音がする。
沿線の家では家で寛ぐ家族が通過する列車を眺め、小さな子供達が可愛い声をはりあげて、小さな手を千切れんばかりに振ってくれる。田舎の人たちは貧乏ではあるものの、本当にのんびりとリラックスした生活を送っている。うらやましいものだ。昔、幕末に日本に訪れた西洋人の日記には日本は子供の天国でこれほど子供達が幸せに暮らしている国を見たことがないと書いているそうだが、フィリピンの子供たちは、厳しい躾とは無縁で、家族愛に恵まれ本当に健やかに良く遊んでいる。その西洋人の印象もきっとこんな感じだったのではないだろうか?と思える。

右上の写真はHondagua
右の写真はLucena



07:00PM  Naga

南カマリネス州きっての大都市の擁するナガ駅に停車。エアコン車両はいたずら小僧の兄弟とその父親が乗っているだけでほぼ全員ツーリスト車両に移動している。いたずら小僧たちは180度回転できる椅子で遊んでいるが車掌たちも放任している。これもフィリピンらしい。さすがに父親は叱っているものの全く効き目なし。

この写真のみ2003/5 

10:00PM  Legaspi

レガスピ到着、車掌から情報収集して駅のそばに安いロッジ(連れ込み宿を兼ねている)があると聞きそこに宿泊し、明日早朝、カタンドゥアーネスに発つ予定である。

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