これまでにいただいた評価の一部を集めてみました。

単純に「良い音で鳴っている」といったように、具体的な評価ポイントの記述がないようなものは掲げてありません。
どれも原文のままで、コメントの一部を抜粋したものですが、都合の悪いところを載せないようないな姑息なことはしていません。 カッコ書きは私の補記です。
ここでは三種類に分類して掲げました。 種類ごとに、これらのコメントが生まれた理由を考えると非常に面白く、特に返品のケースのコメントは興味深く、そして色々と考えさせられました。


最初に、お持ちのものをレストアしたケースです

・ 先週土曜日取り付け1週間試聴し、美音を奏でて居ります。以前との違和感も無く、微妙に間隔、角度を調節し、ピタリと合ったときの定位と実在感の良さは格別です。(STAX ELS-4A  ユニットのみレストア)

・ (2905の)音は以前に比べて、遥かにストレートに出るようになりました。奥行きも感じられ、きめ細やかに聞こえます。 特に女声の滑らかさが良いですね。 2805 も音出しをしました。問題ありません。
2905, 2805 共に、以前より繊細に、より音像がはっきりと聞こえます。 特に低音が良く出ているようですが、気のせいでしょうか?
以前より音を聴くというより音楽を聴けるようになりました。とにかく大満足です。
(QUAD 2905 2805の二組をフルレストア。 ご希望で、2905はフロントのグリルネットも除去しました。 グリルネットを外したのは初めてだったのですが、外すと、音が一段と前に出て来るのには私も驚きました。)

・ 明瞭、艶、張りがあって素晴らしい音になりました。 感激です。 ( 2805 ユニットのみレストア)

・ ESL63の中高域は、レベルの問題ではなく、音の質・感じ方の問題ではないかと思っております。ダイナミック型のスピーカーでは中々出し辛い音を、、コンデンサー型のスピーカーはいとも簡単に出してくるので、私のようにダイナミック型のスピーカーに慣れている人間には、繊細で細かい音を出してくるESL-63の中高域が少し耳障りに聞こえることがあるのではないかと思っております。
 昔、パイオニアのS-955という7000Hz以上をリボン型のユニットでまかなっているスピカーを使っていたことがあるのですが、このスピーカーの高域が、ESL-63に似た音を出していました。このツィーターの音は、響きの質、出方が他のユニットと少し違っていたせいか,繊細で、細かい音をよく表現していましたが、同時に少し違和感を持った記憶があります。今回の私の感想もそれと同じことではないかと思っております。
( ESL-63 フルレストア )

・ まず、KEIKO Leeからです。前の988と比べスピーカーの間に浮かぶ姿が大分スマートになり、口元も小さくなったように思います。声も野太さが増しています。そうなると低域が欲しくなるのは、贅沢でしょうか。 次は、ヒラリーハーン、ブラームスの交響曲第一番、第一楽章ですが、こちらもハーンの姿が一回り小さくなりました。それから演奏が安定して聴こえるのは高域が耳の位置に来たからでしょうか。 奥さんにも聴いてもらい感想を聞きました。 まず高音が良くなった。前は低音が良く聴こえたけど。スピーカーの向こう側に楽器を弾く人がいて、立ってることが良くわかる。位置もわかる。私はこっちがイイばい。とのこと。 私は修理内容を教えてはいませんが、私より理解していました。もう笑うしかありません。 今後は、988の背面を大きくとってセッティングしたいと考えています。( QUAD  988 フルレストア )

・ やはりESLの音はいいですね。 小生は人の声をもっとも忠実に再生するスピーカとしてESLを選びましたが、弦楽器(特にチェロ)や木管楽器もすばらしいですね。たまたま4月末のNHK FMでイタリアから来日したコントラバス合奏団(?)の公演が放送されましたが、低弦の音には鳥肌が立ちました。ハイレゾで聴いたヨーヨーマのチェロ以来のことでした。(2805 ユニットのみレストア)

・ 適当セッティングでしたが、椅子に座ったのと床に座った状態での差に配置換えをしてもらってつくづくよかったと感じました。 ( 2805 フルレストア )

・ 以前よりもクリアーな感じです。 特に小さな音でメリハリが良く分かるように感じます。  ( 2905 ユニットのみレストア )

・ 最初聴いたとき、"え!!こんなに低音出ていた??"  しかも、ダンピングのきいた弾むような低音、岩田さんが言っていた「音にハリが・・・」の意味がよくわかりました。( 63 フルレストア )

・ 63 音は問題なく すばらしい音で鳴っています。 いままでと 違うのは 音圧が少し太く高いせいか 視聴位置が2Mぐらい後ろにさがったことです。 これから 角度、ケーブルなど(値の張るものはありませんが)調整していきたいです。 ( ESL-63 フルレストア )

・ 分解能が上がり、ESL特有の静寂感が増したように思います。 録音の良し悪しもよく判るようになりました。 演奏は良いがリバーブが掛かりすぎて声がきつくなるものがより鮮明に分かるようになりました。 放電ノイズが解消されただけではなく、クオリティーが上がったように感じられます。 ( 988 フルレストア )

・ 以前に比べ、音の粒立ちが明確で、新鮮な響きが感じられ、これまでにない素晴らしい音でした。 ( 63 フルレストア )

・ 本日迄時間は少ないのですが、CDやレコードを聴きました。 大満足です。 ただし、CDは!と言う事です。
レコードはアンプ(マッキンC-26)を色々調整してみましたが、ハイ上がりです。デンオンのD-103が駄目、オルトフォンのSPUで少し落ち着いてきたかなぁ?でもおかしいなぁと思い、同じソースのレコードとCDを聴き比べると、CDのめちゃくちゃ良い再生に対してレコードの再生音は矢張りハイ上がり。 このクオードESL63proはレコード再生の不具合を指摘してくれました。 良く分かりました。矢張り63proは凄い。 ( PRO-63 フルレストア )

・ スタックスの音を思い出すため。CDプレーヤーを始め使用し始めた頃のCDソフトを取り出して聴き込む。懐かしい音がよみがえってきました。ジャンルはクラシック全般を聴いております。弦楽器も、ピアノも、オーケストラも良く鳴ってくれます。CDよりもLPの方が好みに合っているのかもしれません。LPのチェンバロの音が理想的にうまく連なって鳴ってくれました。 毎日が楽しくて仕方ありません。 9月23日からパワーアップをスタックス DA 100M に変更 音質が格段にアップ、弦楽四重奏曲がボリュームを絞ってでも良く響く。いつもはボリュームを2時位まで上げた状態から11時位で音がスピーカーから湧き上がる様に聴こえできました。 初めての体験です。 スピーカーから音が飛んでくる感じがします。 各楽器も演奏時前に出て来る感じがします。声楽曲もバッチリです。 現時点でのスタックスの総合評価は、期待以上音で大変気に入りました。スタックスの音に酔いしれています ( STAX-ELS4A フルレストア )

・ 
フルレストアしていただいた直後は、劇的な変化がなかったという印象でしたが、あれからいろいろな楽曲を聴いてきて今更ながら気が付いたのですが、やはり劇的に音がよくなっていることがわかりました。 変な表現ですが、気が付いたら今まで聴いていたフルレンジのスピーカーはほとんど聴かなくなってしまいました。 以前は、楽曲やその日の気分でスピーカーを使い分けていたのですが、今では、一旦切り替えても無意識にすぐにスタックスにもどして聴いています。 楽曲に関係なく今ではほとんどESS-4Aと真空管アンプの組み合わせで聴いています。 低音から高音まで、どこかの音域が出すぎることもなく、しかも繊細な音から粒立ちの良い迫力のある音までとてもよく鳴ってくれています。 ( STAX ESS-4A フルレストア )

早速先日修理していただいた2812(通常の振動版の配置)と2805(中高音域を上に低域2ユニットを上部に配置)比較しました。同じレコードを使用しました。

一聴してしてわかるのは低域に厚みが出たということでした。有名なショルティのワーグナー ワルキューレのすさまじいオーケストラとソプラノの咆哮も重心が下がってこそ圧倒的な迫力が味わえるというものです。ロンドン版ケルテスの新世界のティンパニーの強打も低音の深みが出でてリアリティがワンランク上に上がったように思いました。

2番目に感じたのは定位の良さとバランスの良さです。クラシックのアメリンクではホールの真ん中ですっと立って歌う姿が目に浮かぶようでした。またJAZZボーカルの小林 桂では逆に体を左右に揺らしながら目の前で歌っているかのようでした。

岩田さんの提案でユニットの配置を変えて良かったと思います。岩田さんに修理していただいて本当に良かったです。本当にありがとうございま

・中高音ユニットの位置が高くなり、耳の高さに近づいたため、違和感がなくなりました。
それでハイ上がりになるどころか、低音ユニットが下側に集中したためか、低音域が分厚くなり、むしろ全体としては落ち着いて聴こえるようになりました。まだ大音量では聴いていませんが、そちらの真空管で鳴らした時に近いウォームで緻密な傾向で、しかし低音は筋金入りで素早いです。
そちらでの静電型SPの印象は、元気でメリハリがあり、音像が前に出てくるクオード(2805、2905)に対して、
アクースタットとスタックスは大きいだけあり、ワイドで、柔らかくより自然な音の印象がありました。
気のせいかもしれませんが、スタックスには前回も今回も「ウッドの響き音」を感じました(バッフルの木の面積が多いからでしょうか)。
しかし、それもソニー9100で駆動するとハイがシャープに出てきて、感じなくなりましたが。
マーティン・ローガンは見た目が綺麗で良いのですが、音的には上記のSP達よりも劣る印象があり、残念でした。
その後も色々なソフトを聴いていますが、オーディオを意識させない抜けの良い自然な音ということに尽きますが、
普通のSPのように音に「タメ」や「アク」、「刺激感」がないため、いくらでも音量を上げられますが、
65dB程度の小音量でもバランスが変わらず、楽器の数が減ることもなく、楽しめます。  ( QUAD-2805 )

昨夜復旧し未明まで聴き、更に本日終日聴きました。異常なく元に戻った、即ち復旧したこと確認しました。バックアップとして使っていたB&WCM1(それなりに評価が高かった小型SPでしたが)のどんよりした曇り空のような音に比べ抜けきった春()の空のような澄み切った音に安堵しました。昨夜聴いた中沢桂は1971NHKFMリサイタルで放送されたもの(山田耕筰作品)ですが、一切の加工がなく(感じられず)作曲者と演奏者の気持ちがストレートに伝わってくる小生の愛聴コレクションです(QUAD2805で聴くと格別です)。同じ曲をCDで聴いても同じ感動は得られません。最新のものが良いとは限りませんね。NYに住んでいた頃新しいリンカーンセンター(Avery Fisher HallMetropolitan Opera House)より古ぼけたカーネギーホールの方が音響効果がよかった(直ぐ近くを走る地下鉄の音が低音を加勢していたのはご愛敬ですが)ことが思いだされます。 ( QUAD2805 ユニットのみ)

先週金曜日に、音楽好き友人2人が拙宅を訪問、鑑賞会を開きました。
参加者の若干の感想です。アンプはUV211 ,音源は通常のCDです。
A氏=欧米で暮らした経験を持つ知識人。欧米で生演奏を聴いた経験多数。クラシックとジャズを半々で聴いている。自宅ではYAMAHAのそれなりの製品を使用。
B氏=超ジャズマニア。弟は札幌でジャズ喫茶のマスターだった。自宅ではLUXの半導体アンプと英国HARBETHモニターSP使用。
・2人とも静電型スピーカーを聴くのは初めて。
・2人とも全体的に高評価をした。
・ジャズを聴くと「このSPはジャズ向きだね」。次にクラシックを聴くと「いや、クラシックも行けるね」(A氏)
・「最高です」(B氏。私が岩田さん宅でSTAX6を聴いたときと同じ感想)
・「低音が少し足りない」(A氏)
・「私はボンついた低音が嫌いなので、これは締まっていて悪くない」(B氏)
・「大編成の曲では、各楽器が分離して聴こえる。家庭のオーディオでは初めて経験した」(A氏)
・演奏終了後、3人が思わず拍手した曲が3曲あった。つまり音楽的感動を共有できた。
@ハイドンのミサ曲。ウィーンフィルがウィーンの教会で録音したCD。「僕はこの教会で実際の演奏を聴いたことがある。空気感を含めてまったく同じように聴こえた。特にウィーン少年合唱隊が高い場所で歌っているのだが、天から声が降り注いでくる感じが出ているのに感銘を受けた」(A氏)
Aカウント・ベーシ―のビッグバンドジャズ。「彼独特のグルーヴ感がたまらない。自然に体が動いてしまう」(B氏)
Bビル・エヴァンスの「ワルツフォーデビー」。SACDでも出ているが、これは最近入手したもので、24ビットリマスタリング盤。3人とも数百回以上聴いている曲であるが、これほどの臨場感を感じたことはなかった。特にエヴァンスとラファロの掛け合い部分は涙が出るほどであった。
・平面型SPの特徴。「大編成に向いていると思った。ステージ再現性にたけている」(A氏)。「無理のない自然な感じがいい。後方への音の処理がうまくできれば、さらに良くなりそう」(B氏)。「確かに大編成向きかも。ソロだとピシッと音像を結ばない傾向がある。今は部屋の真ん中(前後関係)に置いているが、後方の壁に近づけたり工夫してみたい」(私)
・低音について。「やはり足りないと思う。しかし、上記3枚のCDでは不足感はなかった。低音域が十分入っているCDなら、また大音量で再生すれば、不満は感じない。今後、低域のコントロール能力にたけた大出力アンプやトーンコントロール付きプリアンプ導入など考えていきたい」(私)。 ( STAX ELS-4A )


次に新規にお譲りしたケースです。 具体的な内容のある評価が少なく、掲載したのは次の五件のみです。
・ 繊細な中低音にしっかりした低音で素晴らしい音が出ております。 コンデンサースピーカーは繊細で力強さに欠けるというのが風評に過ぎないことを実感しました。スピーカーの中で最も音楽の再生力が高いと実感ました。 ( STAX ELS-6A )

・ コンデンサー型は初めてですが、VOCALが素晴らしいので驚きました。 ( 私が初めてレストアしたSTAX  ESS-3A です。 記念の品ですし、本当に良い音でしたので、いつでも買い戻します、とお伝えしてあります。 原文がなくなっているので私の記憶で書きました。)

・ ご子息がチエロを演奏されるとのことで、「このスピーカーは、実物(本物 ?) のチェロの音がする。」と仰っている、とのことでした。( ESL-63 原文が見付からないので私の記憶で書きました。)

・QUAD PRO-63、素晴らしい音です。
10畳ほどの環境で、アナログもデジタルも両方、真空管アンプで駆動して鳴らしています。揺るぎない定位感、透明、ナチュラル、立ち上がりの速さ、他にはない魅力があると感じました。
ピアノや弦の響き、ボーカルの繊細さ、ジャンル問わず美しく鳴らしてくれますね。

数日前、千葉県成田市のMさんにご紹介いただき、クォード63proを是非ともお譲りいただきたくお願い致しました、Yと申します。
昨日、Mさんにお時間をいただき、試聴をさせていただきました。 私は、オーディオ歴は長い方だと思いますが、これほど優れたスピーカーに出会うとは予想すら出来ませんでした。 素晴らしいの一言です。
私は、生の音楽に接することも多く、そのため、オーディオ装置に求めることは、一歩でも生に近づくことが、目的でもあり手段でもあります。 人によりいろいろだとは思いますが、オーディオ装置は、好き嫌いではなく優劣で判断します。 静電型のスピーカーは、以前から知ってはいましたが、その理想的な理論が、実際には現実化出来ていないという印象を持っておりました。
しかし、昨日、既存の印象は、見事に霧消し、全てのダイナミックスピーカーだけでなく、多分岩田様の手を通していない静電型スピーカーも含めて、はるか、高次元の完成度に達したと確信いたしました。 素晴らしいです!あらゆるスピーカーに纏わる問題点を解決して、正に、録音現場に飛び込んだような、自然な音場!タイムマシンに乗せてくれました。


最後に、新規にお譲りし、返品されたケースです。( 次の二件が返品の全てのケースです。)
・ QUAD2805を1週間ほど様々な曲を聴いてみました。 設置位置はウーファーボックス前面から約50cmです。 感想は以下の通りです。
 優れている点
 1.個々の音が極めて明瞭です。そう言っては何ですが、GOTO UNITに匹敵するものがあります。
 2.コンデンサー型は、低域が不足気味と言われていますが、全くそんなことはありませんでした。

   参考に、周波数特性を測定してみました。 実に見事な特性で、ビックリしました。
一方、気になった点は以下です。

 1.中高域が強調されて、弦楽の強奏などでは、些かうるさく耳につく音になります。 周波数特性上はほぼフラットですが、逆にこれが要因の一つだと思われます。ダイナミック型でも、特性をフラットにすると、中高域が強調された感じになることは、よく知られています。
 2.音源の前後感がよく判別出来ません。平板な感じに聴こえます。
 3.一度だけですが、電源ONから約10分間、パチッパチッという音が散発的に出ました。その時の室温は23.4℃、湿度は73%でした。
 以上を踏まえての結論です。大変申し訳ありませんが、今回の購入は断念致します。 大変丁寧な対応をして頂いたこと、深く感謝しておりますが、どうかご了承下さい。 最も大きな要因は、中高域の強調感です。個々の音は素晴らしいのですが、中高音の強調は、聴いていて緊張感と疲労感を覚えます。

・ 残念ながら満足する音には至りませんでした。 この為、返却を希望しますので、ご理解の程よろしくお願いします。
理由として、
手持ちのESL57およびAR3aとの聴き比べを行いました。
試聴CDは、ワルター指揮ベートーヴェンの英雄、イタリア四重奏団モーツアルト弦楽四重奏曲1番
低域および弦の響きが比較できる理由からです。
先ず、AR3aと比べ、高域部がややかん高い・何よりも低域が出ない・もの足りない音でした。
次に、ESL57と比べ、やや高域部が高い・つやのある響き・落ち着いた音ではありませんでした。
ESLが最も得意とする弦の響き、低域部が私の求め音ではありませんでした。( PRO-63 )



                                  トップページに戻る