<熱中症について>
梅雨が明けるといよいよ夏本番。
この時期、夏の暑さによって増加するのが「熱中症」。
今回は楽しい夏を元気に過ごすためにも、その熱中症について
みていきましょう。
<熱中症とは?>
熱中症とは、読んで字の通り「熱に中(あた)る」という意味を持っていて、
身体の中と外の暑さによって引き起こされる様々な身体の不調のことを指します。
専門的には「暑熱環境下にさらされる、あるいは運動などによって身体の中で
沢山の熱を作るような条件下にあった者が発症し、体温を維持するための
生理的な反応より生じた失調症状から全身の臓器の機能不全に至るまでの
連続的な病鬱」とされています。
熱中症というと、暑い環境で起こるものと思われがちですが、スポーツ中や
活動中においては体内の筋肉からの大量の熱の発生や脱水などにより、
寒いとされる環境でも発生しうるものです。
実際、11月などの冬季に起こった報告もあります。
<熱中症の分類と特徴>
●熱痙攣(ねつけいれん)
原因:塩分不足
症状:筋肉(脚・腹部)に痙攣
●熱疲労
原因:水分、塩分不足
症状:疲労感、吐き気、めまい、顔面蒼白
●熱射病(日射病)
原因:体温上昇による中枢神経障害
症状:40℃以上の高熱、意識混濁、意識不明
<熱中症で救急搬送された人数>
7〜8月の2ヶ月間に、多い年では600人超、零下でも200人以上の人が
救急搬送されているとの報告があります。
昨年、2004年は梅雨がなく、いきなり酷暑に突入したこともあり、7月の1ヶ月だけで
500人以上の人が熱中症で倒れ、救急車で運ばれています。
<熱中症の応急処置>
●熱痙攣・熱疲労
いずれの場合もまず、風通しのよい日陰へ連れて行き、足を高くして寝かせます。
熱痙攣の場合は、食塩水を飲ませたり、塩をなめさせます。
痙攣している部分は湿布などを使用して和らげる用にしましょう。
熱疲労の場合は、100〜150ccの食塩水やスポーツドリンクを15分ごとに
飲ませるようにしましょう。
●熱射病
救急車を呼ぶと同時に、まず何よりも大切なのが身体を冷やして
熱を逃すことです。
風通しのよい日陰へ運び、服を脱がせて寝かせましょう。
次に冷たい水を吹きかけ身体全体を冷やします。
重篤な場合は呼吸が停止することもあります。
その場合は人工呼吸を行い、救急車を待つようにしましょう。
<熱中症の予防法>
〜熱中症予防八箇条〜
1,知って防ごう熱中症
2,暑いとき、無理な運動は事故の元
3,急な暑さは要注意
4,失った水分と塩分を取り戻そう
5,体重で知ろう健康と汗の量
6,薄着ルックでさわやかに
7,体調不良は事故の元
8,あわてるな、されど急ごう救急処置
●なりやすい条件を知る
・気象条件:高温多湿、無風
・なりやすい人:体力の弱い人、暑さになれていない人、高齢者、
子供、性格が我慢強い人
●水分を補給する
熱中症予防のためには、胃腸の負担も考え、コップ一杯15〜22℃の水を
15分ごとにこまめに補給するようにしましょう。
さらに、水分以外に汗の成分として含まれるナトリウムやマグネシウムなど
ミネラル成分が入った製品の摂取も心がけましょう。
●適切な服装を
汗を素早く乾かす速乾性、風通しの良い素材の衣服がオススメ。
また、帽子・サングラスなどで日差しから身を守るようにしましょう。
●日々の体調管理を大切に
夏の体調管理の上で最も大切なことは、毎日の食事と睡眠です。
特に食事においては、疲労回復のビタミンともいわれるビタミンB群や
スタミナアップのためにニンニクなどを積極的にとりましょう。 |