最近呑んだ吟醸酒について
   
      

 

2010年1−3月分

   

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  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。
 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。

 

   ◆月に一度の例会とイレギラーで飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への判断基準を書きます。 
 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 
 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇


2010年次回例会は 4月24日(土)です。


2010年3月27日(土)

.秋田木村酒造工場(秋田県湯沢市)   特別純米  「福小町 号外編」 生原酒
原料米;めんこいな、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17〜18度 【日本酒度】+1.3 【酸度】1.7 【酵母】秋田流花酵母AK1  1.8L \2,730
 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;旨さ充分。これだけ飲んでいればどこも欠点はみられない。ひ弱さを感じるが淡麗さわやか。

 

2.三浦酒造(青森県弘前市)  純米吟醸  「豊盃 豊盃米仕込」  生酒
原料米;豊盃米、 精米歩合;55%   【アルコール分】 15〜16度  1.8L \2,880
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;香り充分で旨味が上がってくる。少し硬さ残るが夏を越えれば丸みが出て旨味が上がってくるでしょう。飲むのが早すぎたが線が太く旨味充分。

3.八戸酒造(青森県八戸市)  特別純米  「陸奥八仙 漁火 ISARIBI」  無濾過生原酒
原料米;華吹雪、 精米歩合;60%   【アルコール分】 18〜19度  1.8L \2,940
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;酸味キツク口中を刺すがアルコール濃度が高いだけ濃さを感じる。しかし、精米歩合が低い分、雑味と品性が落ちる。

4.下村酒造場(兵庫県姫路市)  純米  「奥播磨」  生原酒
原料米;−、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17〜18度  1.8L \3,100
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;旨いという表現だけではなく、米の旨味が酒の中に充満している。雑味なく絹の柔肌がほろほろと心にせまる。
 
5.清水酒造(埼玉県騎西町)  純米大吟醸  「亀甲花菱」  無調整原酒
原料米;山田錦・美山錦、 精米歩合;麹米・40%/掛米・50%    【アルコール分】 17度 【日本酒度】+3 【酸度】2.0 【使用酵母】協会901 1.8L \3,800
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5
E寸評;夏を越えていないので新酒というのでしょうが、濃厚、味わい深く香り高い。渋みがあるが夏を越えれば美女に大変身するでしょう。今でもまろやかで旨味充分。

6.三浦酒造(青森県弘前市)  純米吟醸  「豊盃 雄町」 
原料米;雄町、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16〜17度  1.8L \4,000
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;今が飲み頃。奥行き、巾、広がりどれをとっても文句なく、酒の旨味が濃縮されて、旨味が飛び出してくる。山田錦だとか雄町だとか酒造米の違いを越えて酒の本道に近づいた。

 


2010年2月27日(土)

.山忠本家酒造(愛知県愛西市)   純米  「義侠 縁(えにし)」 
原料米;山田錦、 精米歩合;60%   【アルコール分】 15〜16度  1.8L \2,714
 A;味3、B;香り3、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価3
E寸評;色濃く、古酒。盛りを過ぎて、老香プンプンで腰砕け。お燗しても悪し。この酒を濃厚で旨いと進める店員のセンスを疑う。


2.南部美人(岩手県二戸市)  特別純米  「南部美人」  無濾過生原酒
原料米;−、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17〜18度  1.8L \2,820
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;味わいバランスして過不足無し。色合い酒色で、酒のエキスがたっぷり含まれ、飲み手を誘う。

3.今田酒造本店(広島県東広島市)  特別純米  「富久長」  無濾過生酒
原料米;麹米・山田錦20/掛米・八反草80、 精米歩合;麹米・50%/掛米・60%   【アルコール分】 17〜17.9度 【使用酵母】協会901  1.8L \2,900
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;ほんのり渋みを感じるが、淡麗で呑みやすい。

4.吉田酒造(島根県安来市)  純米吟醸  「月山」  無濾過生原酒中取り
原料米;佐香錦、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17〜18度 【日本酒度】+3.0 【酸度】2.0  1.8L \3,000
 A;味3、B;香り3、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価3
E寸評;新酒の炭酸が口中を刺す。それ自体は新酒の趣ですからかまいませんが、味わいバランス悪し。片口で炭酸を飛ばした後も、お燗してもバランス悪し。蔵元さん、自分で呑まれているのですか。

5.澄川酒造場(山口県萩市)  純米吟醸  「東洋美人」  生酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16〜17度  1.8L \3,300
 A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;南部美人と東洋美人は二大美人です。ここに秋田美人と京美人がいないのが寂しい。


 


2010年1月30日(土)

.浅間酒造(群馬県長野原町)   純米吟醸  「浅間山」  VentoSeco からっかぜ
原料米;麹米・山田錦21/掛米・美山錦79、 精米歩合;55%   【アルコール分】 14〜15度  1.8L \2,619
 A;味3+、B;香り3+、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価3+
E寸評;普通酒に近い味わいと香り。蔵元の力みが空滑りしている。


2.早川酒造醸(三重県萩野町)  純米吟醸  「早春」  無濾過中取り
原料米;酒造好適米、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17度  1.8L \2,835
 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;新酒。炭酸のピリピリ感が抜けて、さわやかしっとり感が出て濃厚、熟成感がある。バランスした味わいで、春の息吹を感じさせる呑みあきしない佳酒。家族で造られる小さな蔵元で、絶対量が少なく褒めると買えなくなる危険があるので辛い。


3.山本(白瀑)(秋田県八峰町)  純米吟醸  「山本」    生原酒
原料米;酒こまち、 精米歩合;麹50%/掛55%   【アルコール分】 16度  1.8L \3,048
 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;熟成が進み濃厚、ベッタリとまとわりつく味わいで、旨さに厚みがある。重たいと思うその重たさはグラマーだからなのか。


4.旭酒造(山口県岩国市)  純米大吟醸  「獺祭 寒造早槽」   しぼりたて生
原料米;山田錦、 精米歩合;48%  【アルコール分】 16〜17度  1.8L \3,150
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;新酒。香り立ち豊かで品性豊かな旨酒。淡麗でさわやかな造りは蔵元の力でしょう。
6番目の「磨き三割九分」を求めるなら大差ないこの酒で十分。


5.車多酒造(石川県白山市)  純米大吟醸  「五凛(ごりん)」
原料米;山田錦、 精米歩合;45%   【アルコール分】 16度  1.8L \3,800
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;旨いが若干渋みが口中を刺す。バランスした旨さが安心感をただよわす。


6.旭酒造(山口県岩国市)   純米大吟醸  「獺祭 磨き三割九分」   おりがらみ
原料米;山田錦、 精米歩合;39%  【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+1  【酸度】1.6 1.8L \5,985
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5
E寸評;同じ屋根の下、同じ釜の飯を食ってきた関係で、上記獺祭とは姉妹関係。仕込み水の影響でしょうか、瓜二つの味わいは褒めるべきか、悲しむべきか。ざっと倍の値段差があるが、その差は小さい。

 

 

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