最近呑んだ吟醸酒について
   
      

 

 

2011年7−9月分

 

   

 

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  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。
 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。

 

   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。 
 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 
 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇


2011年次回例会は 10月29日(土)です。

 

 


 

2011年9月24日(土)

 

1.加茂福酒造(島根県邑南町)  純米大吟醸  「死神 裏ラベル」 
原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】 17〜18度   1.8L \3,150
 
A;味4+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;山田錦の味わい充分だが、力を失いつつあり残念。


2.中川酒造(鳥取市立川町)  大吟醸  「強力(ごうりき)裏ラベル」 責め
原料米;強力、 精米歩合;40%   【アルコール分】 18度   1.8L \3,150
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;責め(もろみから絞る時に最後に出てくる部分の酒)だからしょうがないのでしょうが、口中に酸味と雑味が広がり、バランスを崩す。ま、その様な酒質だから門外に出られなかった、それが顕著に味に出た。


3.秋田木村酒造工場(秋田県湯沢市)  大吟醸  「福小町 裏ラベル」  押切・生酒
原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】 17〜18度   1.8L \3,150
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;毎回、何時飲んでもハズレがないのがうれしい。そのレベルの高さを維持する蔵元の実力を感じる。今回も文句なしに旨い。旨味バランスして毎回堪能出来る佳酒。


4.酒田酒造(山形県酒田市)  純米大吟醸  「上喜元 裏ラベル」  活性生酒
原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】 16度   1.8L \3,360
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;活性発泡酒で開栓注意のラベルが下がっていましたが、栓の中央にガス抜きの小さな穴が開いている。そのお陰で開栓時の発泡はなかった。オリが瓶の下に沈殿していて、撹拌すると真っ白になってしまうほど、オリが濃い。炭酸臭があり、元気で新酒の趣がある。


5.八戸酒造(青森県八戸市)  純米大吟醸  「八仙 裏ラベル」  生・隠し酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 17〜18度   1.8L \3,465
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;八仙は味のバラツキが大きく心配がつきまとうが、今回は安心出来る酒であった。豊潤で熟成感があり、八仙の夏を越した旨酒である。


6.富久千代酒造(佐賀県鹿島市)  純米大吟醸  「鍋島」  
原料米;鍋島米、 精米歩合;40%   【アルコール分】 16〜17度   1.8L \5,250
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;世界最大規模のワインコンペ「インターナショナル・ワイン・チャレンジ(IWC)2011」で、日本酒「鍋島」がSAKE(酒)部門で最高賞の金メダルを二つ獲得した。

 IWCはワイン品評会では最高権威とされ、2007年からSAKE部門が新設された。4月中旬にイギリス・ロンドンで審査があり、日本人を含む審査員25人が利き酒で採点した。  

 今年は206蔵元の468銘柄が出品、うち31銘柄が金賞を受けた。同酒造では純米酒カテゴリーで「鍋島」特別純米が、吟醸酒・大吟醸酒のカテゴリーで「鍋島」大吟醸が受賞した。同社は昨年に続く2回目の出品で初の金メダル。 佐賀新聞5月27日記事より抜粋

 

 旨い、豊潤で奥が深く旨さ充分な佳酒。モンドセレクションでも同じ事が言えるが、外人好みの味と日本人が旨いと思う味わいが必ずしも一致しない。でも、世界で認められ、世界に出て行くにはこのハードルは抜けないとならないでしょう。値段を上げることなく精進して欲しい。

 


★今回、1本を除いて裏ラベルシリーズです。値段に比べて質の高さでお得感もあり、飲み手の心をくすぐります。料理屋さんなどで自分たちが食べる「まかない食」が表に出てきた感がありますが、それがまた旨い。

 

 


 

2011年8月27日(土)

 


1.今田酒造本店(広島県東広島市)  吟醸  「富久長 辛口夏吟醸」 
原料米;広島県産−、 精米歩合;麹米50%/掛米60%   【アルコール分】 15〜15.9度     1.8L \2,625
 A;味3+、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;蔵元のお嬢さん、今田美穂さんが造った辛口のお酒。
辛みが口中に広がりバランス崩す。ま、辛口とうたっているので、やむおえないが吟醸酒をなにもバランスを崩してまで、辛口にする必要性が何処にあるのでしょう。


2.福禄寿酒造(秋田県五城目町)  純米吟醸  「一白水成」 
原料米;雄町、 精米歩合;50%   【アルコール分】 17度  1.8L \3,250
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;味わいバランスしてまろやか。安心して何杯もいけるが、酸味が口中に若干残る。


3.九重雑賀(和歌山県岩出市)  大吟醸  「雑賀」 生詰
原料米;−、 精米歩合;麹米45%/掛米50%   【アルコール分】 16度   1.8L \3,675
 A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;味、丸く柔らかく清楚。香りほんのりと品の良い吟醸香を楽しませる。トータルでバランスして飲み易い。


4.磯自慢酒造(静岡県焼津市)  吟醸  「磯自慢」 無濾過生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;麹米50%/掛米55%  【アルコール分】 15〜16度   【日本酒度】+6〜7 【酸度】1.1  1.8L \3,728
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5
E寸評;ピリピリ感あるが、バランスし柔らかく旨味充分。飲みやすさ一番。そこらの肴と合わせると肴が負ける。


5.旭酒造(山口県岩国市)  純米大吟醸  「獺祭」 遠心分離酒
原料米;−、 精米歩合;39%   【アルコール分】 16度    1.8L \5,985
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5
E寸評;五味バランスして旨さ充分。吟醸酒の原点ここにあり。旭酒造は出荷数量が増えたからでしょうか、遠心分離と普通搾りの二通りがあり、遠心分離の方が価格が高い。今回の酒は遠心分離によった。それも分かるが、もう少し手が届く価格帯にあって欲しい。

 


 

2011年7月30日(土)

 

1.山崎(愛知県西尾市)  純米吟醸  「(おく)」 生酒
原料米;夢山水、 精米歩合;60%   【アルコール分】 18.5度   1.8L \2,850
 
A;味4+、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;香り豊で豊潤。厚化粧せず、かといってスッピンではない、角が取れた女盛りを楽しむ。


2.大倉本家(奈良県香芝市)  純米吟醸  「大倉」 無濾過生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;60%   【アルコール分】 16〜17度   【日本酒度】+4 【酸度】2.5  1.8L \3,000
 A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価4+
E寸評;柔らかく旨味が乗って飲み手を誘う。ラベルの一点にポッと頬を赤らめる愛らしさが酒の中にある。

3.下村酒造店(兵庫県姫路市)  純米吟醸  「奥播磨」  
原料米;兵庫夢錦/米麹:山田錦、 精米歩合;55%   【アルコール分】 15〜16度   1.8L \3,000
 
A;味3、B;香り3、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価3
E寸評;酒が色づいて老香が出て、味わいなし。有名な君が飲むに値しないのは残念。


4.平孝酒造(宮城県石巻市)  純米吟醸  「日高見」  
原料米;−、 精米歩合;50%   【アルコール分】 15〜16度   1.8L \3,000
 
A;味4、B;香り3、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価3+
E寸評;普段の優等生が、はや夏が越せないのか、夏痩せしたのか、息切れしている。いやな酸味を感じバランス悪し。


5.せんきん(栃木県さくら市)  純米吟醸  「仙禽(せんきん)」  無濾過生原酒
原料米;愛山、 精米歩合;55%   【アルコール分】 17度  【日本酒度】-3〜-5 【酸度】2.0〜3.0  1.8L \3,143
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;素敵なラベルに似合わず、夏が越せないのか。旨味のピークが終わり、吟醸酒のバランスが崩れた。


6.澄川酒造場(山口県萩市)  純米吟醸  「東洋美人611
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 15〜16度   1.8L \3,800
 
A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4+
E寸評;清楚でありながら厚味と奥行きがある。喉を素直に引っかかり無く通り過ぎる。この元気さがイイ。


★会友が持ち込んだ天地の違いがある酒が二種。
一つは山口県「雁木ゆうなぎ」純米大吟醸。どうしてこんなに飲み手をとろけさせる美酒があるのであろう。
もう一つ、薄紅の丸ぽちゃの瓶に入ったいただき物。一輪挿しにしたいような素敵な瓶に、今でも造っているんですね、まずい酒。お酒の分からない方が容器に騙されて買う典型的な贈答酒。高いんでしょうね。


 

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