最近呑んだ吟醸酒について
   
      

 

 

2013年7−9月分

 

   

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  これからの話は消費者(飲み手)という立場で書いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。と言う事は、売りたいための宣伝はしませんし、太鼓持ちのような感想も書きません。また、音楽とか味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思います。
 よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。

 

   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か、皆様への判断基準を書きます。 
 A;味、B;香り、C;コストパフォーマンス、D;総合評価を、各5点評価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表します。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてしまうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。 
 私の独断と偏見なしで評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間違ってはいないと思います。

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◇イイお酒を、イイ友と、イイ肴と、イイ会話で月1回楽しむ会です。◇

 


 2013年次回例会は 10月26日(土)です。

 

 


 


 2013年9月28日(土)

 

1.栄光酒造(愛媛県松山市)  純米吟醸  「松山三井」 無濾過生酒
原料米;松山三井、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16.5度  【日本酒度】−1 【酸度】1.6    1.8L \2,415
 A;味5、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;米の柔らかさと甘味が、ゆったりと口中に広がる。熟成感たっぷりで厚味がある。この価格でよくここまで仕上げたものだと感心する。 


2.英君酒造(静岡市清水区)  特別純米 「英君」 袋吊り雫酒<生貯>
原料米;五百万石、 精米歩合;60%   【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+4 【酸度】1.5 【酵母】静岡酵母HD-101   1.8L 2,993
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;毎回もう一息の所にあったが、今回は酒のレベルが上がって安心して飲める。熟成した旨味と酒の厚味がよく、香りもさわやかで新酒の味わいがある。精米歩合60%でこの味わいが出てくるのは、仕込み水が変わったのではなか。


3.八百新酒造(山口県岩国市)  純米吟醸  「雁木」 無濾過生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16〜17度    1.8L \3,150
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;毎回のことで今更コメントは無いが、さわやかな香りと舌の上で転がるような軽みが合わさって、素晴らしいバランスされた味わいが楽しめる。雑味なく都会っ子のような軽快感があり、飲みやすい。


4.富士高砂酒造(静岡県富士宮市)  純米吟醸  「高砂・槽掛中取」 中取り生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 17度 【日本酒度】+5 【酵母】静岡酵母   1.8L \3,150
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;味わい深く旨味充分。毎回変わらず旨さを堪能でき飲み手を裏切らない。今までの旨いだろうと言う意気込みが取れて、肩の力が抜けて素直な旨さが現出された逸品。



5.三和酒造(静岡市清水区)  純米吟醸  「臥龍梅」 袋吊り雫酒生原酒
原料米;山田錦、 精米歩合;55%   【アルコール分】 16〜17度  【日本酒度】+5
【酸度】1.3  1.8L \3,465
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス4+、D;総合評価5
E寸評;旨味充分、香り十分だが、今一歩何かを忘れてきてしまった感が有る。この臥龍梅だけ飲んでいたら欠点はどこにも見付からないが、美酒群に囲まれたら肩身の狭い思いをさせてしまう。



6.神沢川酒造(静岡市由比町)  純米吟醸  「正雪・山影純悦」 生酒
原料米;山田錦、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16〜17度  【日本酒度】+3
【酸度】1.2  1.8L \3,500
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;文句なしに旨い。雑味なく清楚で珠玉の味わい深く、夏を上手く乗り切って未だ青春の真っ只中にいる。吟醸酒の原点を見る思いがある。

 

 

 

 

 

 


 

 2013年8月31日(土)

 

1.松井酒造店(栃木県塩屋町)  純米 「松の寿」 生酒
原料米;山田錦、 精米歩合;65%   【アルコール分】 16〜17度 【日本酒度】+2 【酸度】1.35 【酵母】協会601号+1801号  1.8L \2,835
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;さわやかな香りと、精米歩合65%の重たげな中でバランスした旨さは十分。晩酌酒にしてはこれで十分。


2.新澤醸造店(宮城県大崎市)  純米吟醸  「愛宕の松・ひと夏の恋」 
原料米;−、 精米歩合;55%   【アルコール分】 16度   1.8L \2,835
 
A;味4+、B;香り4+、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価4+
E寸評;雑味なく清楚。味わい限りなく透明な中に、飲み手を誘う魔力がある。ひと夏の恋に終わらせたくない旨味がある。


3.来福酒造(茨城県筑西市)  純米吟醸  「来福」 
原料米;山田穂、 精米歩合;50%   【アルコール分】 16度  【日本酒度】+5 【酸度】1.2 【酵母】東農短醸分離株 1.8L \3,000
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;丸くふくよか、清楚でバランス良く、深味が有り、香り十分。旨さ充分なので、肴無しでこれだけで満足。


4.斉藤酒造店(青森県弘前市)  純米吟醸  「六根・タイガーアイ」 無濾過原酒
原料米;華吹雪、 精米歩合;55%   【アルコール分】 16度   1.8L \3,000
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;旨い。米の自然な甘味、ふくよかさ、そして酒本来の旨さが伝わってくる。我々は蛇の目の入ったテスト用のお猪口で飲んでいますが、ゴブレットグラス(足つきの小振りのグラス)で飲んだら、ひと夏の恋どころか、女殺しの酒に変身するでしょう。


5.八戸酒造(青森県八戸市)  純米吟醸  「陸奥八仙・黒」 無濾過原酒
原料米;華吹雪、 精米歩合;55%   【アルコール分】 16度   1.8L \3,150
 A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;開栓と同時に天井まで栓が飛んだ。おめでたい席に大変身(?)。酒の色ほんのりと色付き、急激な開栓のお陰で、細かい泡が液の中を星空のごとく漂っている。米の甘味とバランスした旨味が湧き出してくる。


6.三浦酒造(青森県弘前市)  大吟醸  「豊盃」 
原料米;−、 精米歩合;40%   【アルコール分】 15〜16度   1.8L \5,600
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;味わい深くバランスして味に厚味があり、雑味なくさわやか。これも、ゴブレットグラスで飲んだら進むでしょうね。世の女性陣よ気を付けてくださいね。強い個性が無い分損をしているようだが、ホントに旨い酒になると個性は消えて水のようにさらさらと喉を通り過ぎていく。

 

 

 東京は暑さがぶり返し、35度を超しています。毎回酒は夏でも冬でも室温で飲んでいますが、今回は冷蔵庫で冷やした酒と飲み比べています。暑さのせいで冷たい方が喉ごしさわやかで、気分は最高です。しかし、味わいが冷たさに引きずられ、またはマスクされて、微妙な味わいが消えてしまいます。その微妙な味わいを楽しんでいるのに、冷たさという飲みやすさに騙されてしまいます。
 でも、一般的には、気分よく飲める方を選んで、夏は若干冷え気味の酒も、また楽しいものでしょう。

 

 


 

 2013年7月27日(土)

 

1.木村酒造(秋田県湯沢市)  純米吟醸  「角右衛門」 夏酒 薄にごり
原料米;美山錦、 精米歩合;55%   【アルコール分】 15度 【日本酒度】+3 【酸度】1.0 【酵母】協会1801号  1.8L \2,625
 
A;味3、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;吟醸香が口の中で感じられる。味わい薄く、旨味が感じ取れないが、雑味はない。シロクマ君のラベルのように、夏向きの酒なのでしょうが、レースのカーテン越しに覗く彼女のように歯がゆさが残る。


2.福田酒造(長崎県平戸市)  純米吟醸  「福田」 
原料米;麹米・山田錦/掛米・麗峰、 精米歩合;55%   【アルコール分】 15度   1.8L \2,730
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス4、D;総合評価4
E寸評;古酒のようにまったりと濃厚。酒の色、色づいて味わい活力無く重い。純米の欠点が出てしまった。


3.高千代酒造(新潟県南魚沼市)    「たかちよ」 生原酒
原料米;−、 精米歩合;−%   【アルコール分】 16度   1.8L \2,940
 
A;味4、B;香り4、C;コストパフォーマンス3、D;総合評価4
E寸評;白濁した中から酒の味わいが伝わってくるが、その旨さは可も無く不可も無い。原料米が非公開なのは良くあることで、酒の味で勝負は分かります。しかし、精米歩合が非公開とはどの様な経緯があるのでしょうか。この数値によって、普通酒なのか、本醸造なのか、吟醸酒なのか、はたまた大吟醸酒なのかが分かります。その上、純米なのか、そうでは無いのか。責任逃れの典型だと思います。評価は普通酒としてのものです。


4.世界一統酒造(和歌山市湊紺屋町)  純米吟醸  「南方(みなかた)」 生原酒
原料米;−、 精米歩合;50%   【アルコール分】 17度   1.8L \3,000
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;花の香りの吟醸香と酒の味がバランスしている。雑味なく清楚。


5.小林酒造(栃木県小山市)  大吟醸  「鳳凰美田」 荒ばしり+押切
原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】 16度   1.8L \3,150
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;香り豊で、雑味なく清楚、旨味充分。酒は、もろみを絞り清酒になるのですが、最初に出てくる酒は「荒ばしり」または「はなたれ」とも言い、最後の絞り仕舞いを「押切」と言います。酒のバランスが悪い部分と言われています。あえてその悪いと言われる部分だけをビン詰めにしたものですが、元が良いと、イイ女は何処から見てもイイ。


6.酒田酒造(山形県酒田市)  純米大吟醸  「上喜元 裏ラベル」 おりがらみ
原料米;山田錦、 精米歩合;40%   【アルコール分】 16度   1.8L \4,000
 
A;味5、B;香り5、C;コストパフォーマンス5、D;総合評価5
E寸評;おりがらみと言っても、大にごりで、ガスが抜けていず、酸味が口中を刺す。片口に移し、時間が経つと、落ち着いて、米の甘味と旨さが上がってきた。

 



 

 


 

 

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