◇◇◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ □□□□         □□□□  ■■■■ 吟醸酒ニュース ■■■■    最近飲んだ吟醸酒の報告   □□□□         □□□□                        月刊誌Vol.13  2001/4/30発行 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◇◇   毎月1回吟醸酒を会で飲んでいます。有名無名の吟醸酒をリポートします。   吟醸酒について、これからの話は消費者(飲み手)という立場で毎月1回書 いていきます。評論家や蔵元、酒屋の立場では見ていません。また、音楽とか 味覚とかいう物は大変抽象的で表現が難しいのですが、平易に書きたいと思い ます。  よく、食べ物店の紹介記事で絶賛している物を食べると、首を傾げたくなる 時が多々ありますし、テレビでリポーターが口に入れたとたん「うまい」と発 言しているウソ等はここでは、しないように心がけています。旨いものは旨い と、不味いものにはハッキリ不味いと言います。   ◆月に一度の例会で飲んだ吟醸酒について、ズバリ、どういう酒か皆様への 判断基準を書きます。   A;味、B;香り、C;コストパーホーマンス、D;総合評価を、各5点評 価(5;最上 4;良 3;まあまあ 2;まだまだ 1;評価外)で表しま す。 総合評価3−(マイナス)以下ではもう一度買うかと言えば、考えてし まうレベル。2ではタダで贈られても困ってしまうレベル。   私の独断で辛口評価し、E;寸評も入れます。なお、会での評価も、判断基 準の参考にしています。また、評価はこの日に飲んだ吟醸酒の味で、次回も酒 の性格上、ロットや時間が変れば同じとは言切れませんが、傾向としては、間 違ってはいないと思います。        ■■リポート■■   2001年4月28日 例会   ■1.浜福鶴銘醸(神戸市東灘区)  純米大吟醸山田 「空蔵(くぞう)に ごり」 原料米;山田錦 精米歩合;35%  【日本酒度】+5 【酸度】1.4   1.8L @5,000(税別)  A;味5、B;香り5、C;コストパーホーマンス4+、D;総合評価5 E寸評;いつもながらの強い意志とコンセプトによって造られた吟醸酒で、 端正な角張った顔立ちと羽織袴の正装と行儀の良さがみられる。この酒は今 日買って自家保存して秋口か暮れ頃に呑むと味も練れて素晴らしさか倍加す る吟醸酒と思われる。2月に呑んだ山田は60%精白で残念ながら最上点は 付けられなかったが、これは文句なしに旨い。おりのわずかに絡む色合いと、 それが口中で邪魔にならず、それどころか旨みを倍加させている様はお見事。 辛口で飲み手を逆に選ぶが、2杯3杯と杯が重なる。 ■2.神戸酒心館発売(神戸市) 純米無濾過生原酒 「壱」 原料米;山田錦・やまびこ 精米歩合;65%   【アルコール分】18− 19度 【日本酒度】+3.5 【酸度】1.9  1.8L @2,500(税別)  A;味4、B;香り3+、C;コストパーホーマンス3+、D;総合評価4 E寸評;蔵元が酒販店の熱意に答え、ラベルも我々酒販店と神戸酒心館との共 同企画という事で600本限定で造られました。「壱」とは始めの一歩という意 味、原点に帰るという意味で名づけられました。(酒販店談)  吟醸酒と言うより本醸造酒ではあるが、これぞ日本酒という味わいがぎっし り詰まっている。米の味、晩酌で呑むには贅沢かナ〜という味、だからといっ て乙にすましていない普通酒に近い味。1年寝かせた(?)味わいときつい酸 味、米糠の味わい。よく言えば吟醸酒に近い普通酒、悪く言えば・・そんなこ とはありません。どんな肴にも合う味わい、旨さ。上手に出来た日本酒です。 ■3.大澤酒造(長野県望月町) 純米吟醸 「明鏡止水」 原料米;− 精米歩合;−  【アルコール分】16−17度 【日本酒度】 +2 【酸度】1.6  1.8L @2,755(税込み)  A;味4、B;香り3+、C;コストパーホーマンス3+、D;総合評価4 E寸評;ラベルの「明鏡止水」、含蓄のある良いネーミングではある。大変良 くできた吟醸酒ではあるが、純米酒独特の欠点と長所が出ている。切れが悪く 香り立ちも無いが、雑味もなく爽やかで安心して呑める。どんな料理にも合う。 食中酒としては肴を殺さずベスト。 ■4.喜多酒造(滋賀県八日市市) 特別純米大吟醸 「夢銀河」 原料米;− 精米歩合;−   【アルコール分】17−18度  1.8L @5,250(税込み)  A;味5、B;香り5、C;コストパーホーマンス5、D;総合評価5 E寸評;何という柔らかい飲み口と、品の良さが呑む者を引きつけて離さない のであろう。口中の甘く柔らかい味わいと、純米酒を忘れさせる程の戻り香の 何と素晴らしいことか。その味と香りがバランス良くワンセットになって味わ えるのは感じ良い。造り慣れた杜氏が肩肘張らず、ごく自然に醸し出した逸品。 ■5.松尾酒造(高知県土佐山田町) 本醸造 「松翁 碧」 室戸海洋深層 水使用 原料米、精米歩合;−  【アルコール分】15−16度  1.8L 差入れ酒 (¥1200位)  A;味3+、B;香り3、C;コストパーホーマンス差入れ酒、D;総合評 価3+ E寸評;高知県が押し進めているブランドの室戸海洋深層水を仕込み水に使っ た清酒。  ごく自然な日本酒。吟醸酒の様な味香りは当然無いが、呑み易さでは抜群。 雑味も無く、切れもあり、普通酒のような品性のなさがこれにはない。ベース になっている味はスポーツ飲料(アクエリアス)のような、アサヒ麦酒が出し た発泡酒の下地の味わいに共通するものがある。毎日呑む晩酌酒には最高。 ■6.武内酒造店(金沢市) 吟醸酒 御所泉 「源酒」 原料米;− 精米歩合;−【アルコール分】20−21度 720ml贈り物  A;味4+、B;香り4、C;コストパーホーマンス贈り物、D;総合評価 4+ E寸評;同蔵の「古都のいずみ」は春風の如く爽やかさらりで、女性的な吟醸 酒でしたが、この「源酒」は男性的な趣で、ドッシリと腰の据わった落ち着き と旨みは流石。アルコール度数が高いだけ、口中の密度感は高い。1杯で2杯 分の酔い心地がする。 ■付録;ワインと日本酒のコストパーホーマンスについて。  ワインの、ある販売店の営業マンが販売促進のため、当会の初めの時間に 10本近くのワインを試飲させていただいた。本当は販売目的であったが。 1500円位から5000円位までのランクで、ま〜いろいろありましたが、何か一 様にコストパーホーマンスが悪いのです。日本酒で3500円も出せばハズレの ない物が呑めますし、現に5000円も出せば最上級に近い物が手に入ります。 その上、1.8リットル入りです。ワインのように半分以下の750mlではないの です。その営業マンに日本酒の2−3種類を呑ませてあげると、先ほどの元 気はなくなり、黙ってワインをしまい退散してしまいました。この社のワイ ンだけに限らず、日本酒から比べると割高感は否めません。もう少し全体を 下げないと日本酒には勝てないでしょう。  逆に言うと、日本酒はその位コストパーホーマンスが高いのです。言い方 を変えると大変高度なレベルと食文化にあったベストなお酒なのです。  私の友人で大変ワインに蘊蓄のある人が居ますが、この会に通うようになっ て、上記の理由で日本酒党になってしまった正直者が居ます。今はインター ネットで買い物をしています。  良いものはジャンルを越えてもイイのです。そこの所が消費者には上手く 伝わっていないのではないかと、感じています。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−             ★最後までお付き合い下さり、ありがとうございました。 次回も又よろしく、ご購読の程お願いします。  次回5月末頃発行予定 ホームページで、もっと詳しいことを書いています。また、呑んだ吟醸酒の 写真も掲載しています。お立ち寄りの上、足跡を残して下さい。 http://www2.ttcn.ne.jp/~ginjo/ です。 E−メール:ginjo@mx4.ttcn.ne.jp ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー    =編集後記=  吟醸酒って美味しいですよね、良き友と良き会話と良き肴で、 最高です。 (^o^)   瓶(酒)の温度は外気から2,3度低めにして呑んでいました。来月からは 常温で呑むことになるでしょう。極ごく自然に常温で呑みます。この方が香り 立ちや味わいが際だってきます。                              編者:吟醸        ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー