日時 : 平成15年7月6日(日)11:00〜
場所 : 青森県木造町・松の館
第1部 舞台挨拶の模様
(司会)
それでは、「木曜組曲」映画監督の篠原哲雄さんをお招きします。大きな拍手でお迎えしましょう。
会場、拍手 篠原監督入場
(司会)
一言ご挨拶をお願いします。
(篠原)
どうも、みなさん、こんにちは、篠原と申します。10年前に木造町で「草の上の仕事」という、僕が劇場デビュー作となった作品なんですけども、約10年前に劇場公開が決まる前に、この青森の木造町で初めて映画が上映された、つまり、関係者以外のお客さんにこの「草の上の仕事」という映画が初めて目に触れた機会が、この木造町でありまして、それから10年たって、再びまたやってまいりましたと、いう感じなんですけども、観た人、いないですよね・・・。
(司会)
隣の勤労者体育センターで、柔道の畳を敷いて観たんですよね。
(篠原)
そうですね、16ミリの映画だったんで、その当時「阿賀に生きる」っていう映画と、もう1本中原さんの「シーズン・オフ」の3本のうちの1本でやらさせていただいたんですけども、それから、いろいろ何本か撮る機会があって「木曜組曲」は劇場公開だと11本目の映画になるんですが、女の人ばっかりが出てくる・・・、前の「草の上」は男が2人草刈ってるってだけだったんですけど、今度の場合は6人の女性が、密室にこもりながら、なにやら難しい話をたくさんしているというか・・・、そんなに難しい映画じゃないんで、楽しんで観てください。」
(司会)
はい、その6人の女性の1人、みなさんお待ちかねの、富田靖子さんです。」
【会場拍手 富田さん入場】
(司会)
ようこそ、青森映画祭へ。一言ご挨拶お願いします。
(富田)
えー、はじめまして、だと思います。富田靖子です。今日はありがとうございます。あの、篠原監督とお仕事させていただいた「木曜組曲」と「洗濯機は俺にまかせろ」2本続けて上映されるなんて、すごく嬉しいです。できれば2本とも観ていただきたいんですけども、あの・・・もしお時間がありましたら、お友達やいろんな方に、面白かったよ、って言って、ビデオやDVDで観るように勧めてください。(ちょっと笑い)ほんとうに今日はどうもありがとうございます。すごく嬉しいです。
会場拍手
(司会)
これから上演する「木曜組曲」なんですけども、あとで、ゆっくりトークの時間つくりますけども、どんな思い出がありますか、監督に対して・・・。
(富田)
えー、紙は美味しかったですよね、(少し笑い)監督も食べてたじゃないですか。
(篠原)
紙も美味しかったですけどね、いっぱい美味しいものがあったです。
(富田)
料理も美味しかったです。
(篠原)
料理、見ものなんですよ。
(司会)
この映画、ものすごい贅沢な料理で、そのへんの楽しみもあったんじゃないですか。
(富田)
そうですね、でもこの意味不明な会話は、多分、観つづけていただけると、何故、紙・・・ペーパーが美味しいって言ってた謎が解けると思いますので、楽しみにしていてください。結構美味しかったですよ、ね・・・(笑い)
(篠原)
いや、美味しくはないですよ・・・(会場笑い)
(富田)
エッ〜、でもルリ子さん、浅丘ルリ子さんは「あら、結構いけるわよ」っておっしゃってましたよ。
(篠原)
まあ、一応ね、僕も食べましたけど、決して美味しいものではないです、はい。そうゆうお芝居もありますので、あとで楽しみにしてください。
(司会)
監督の作品はいわゆる癒し系といわれてて、ほんとに爽やかなラブ・コメディ、ラブ・ロマンスが多いんですけど、この「木曜組曲」はサスペンスですね。
(篠原)
そうですね、はい。
(司会)
謎解きが多くて、だから、内容はあまり言えないんですけども、富田さんはすごい重要な役で出てきてきますね。
(富田)
そう、です、ねえ・・・、導火線に火をつけたのが、もしかしたら自分の役かもしれません、はい。
(司会)
他の役者さんも、鈴木京香さんをはじめ、ものすごいメンバーですが、女優同士のぶつかりあいというのはあったんですか。
(富田)
いやっ、ん〜・・・、やっぱり女優とはいえ美味しいものを目の前にすると、やっぱり、もうウハウハ言って食べてました。
(司会)
そうですか・・・。
(富田)
はい。
(司会)
どんな映画なんでしょう。これから「木曜組曲」たっぷりご覧になっていただきます。まずは舞台挨拶ということで、おふたり、いったん退場します。ありがとうございました。
会場拍手
第2部 トークショーの模様(1)
(司会)
10分少々ですけども、せっかくの機会なので、まず今「木曜組曲」観終ったばっかりで、結局犯人は誰だったんだというのが、僕の正直なところな気持ちなんですけども、監督としてはどういった狙いで作った映画だったんですか。
(篠原)
ん〜、犯人は、いないって感じ、自殺なんで・・・、これは、(コウシン?)するってことがテーマの映画でですね、サスペンスのフリした、自殺をしちゃうわけですけども、浅丘ルリ子さんがやった作家の気持ちは、自分の遺志を伝承したいっていうか、そういう形で4人の作家に託して死んで行くというですね、それを仕掛けているのをわかったうえで見届けているのが加藤登紀子さんの編集者なんですね。これ、実は、最後に死んで行くのがわかりながら、加藤登紀子さんが木の所で佇んでいるところに実はミソがあるというかですね、ここが一番・・・、一番じゃないですけど、台本をとおして、最終ポイントはここだなと、そう思っていたんですよ。まあ、回想なんで、流れるように出てくる場面なんで、難しいというか、コレだそ!という感じでやってないですから、浅丘さんが死んでいく・・・、そこを見守っていた編集者の気持ちというか、そこがポイントだと・・・。
(司会)
富田さんは、演じていらっしゃって、すごく面白い展開のお話ですよね。
(富田)
そー、ですね、はい。
(司会)
演じている時は、どいうお気持ちでお仕事されているんですか。
(富田)
演じてる時は、もうこれ以上食べれないよ、とか・・・、(会場笑い)「監督、もう、また食べるんですか!」・・・
(司会)
あれ、実際食べてるんですか?
(富田)
食べてます!飲んでます!もう、パンパンです〜!
(司会)
今回、浅丘ルリ子さんという大女優が10年々振りに映画出てるんですけども、ご一緒されててどんな感じでした?
(富田)
あっ、楽チンでした、すごく・・・。楽チンていうのは、あの、浅丘さんの前だと立っているだけで尚美になれてしまうっていう自分がいたので、すごく、なんかこう・・・楽でした。頑張ってセリフ言わなきゃ、とか、そういうことが全くなくて、私は、すごく貴重な時間でしたし、楽しい時間でした、はい。
(司会)
出ている男優さんが竹中さんくらいで、ほとんど女優さんばかり、それもすごいメンバーなんですけども、監督的には、難しい注文だったんじゃないですか、演出する側としては。
(篠原)
最初のうちは、5人集まると、浅丘さんいれて6人で、6人集まっている場面はワン・シーンしかないんですけどね、最初のうちは当然緊張してね、みんなも緊張してて、相手はどうでてくるだろう、っていう感じではあったんですけど、この5人のチームワークっていうのがすごく良くて、ん・・・、ですよね?
(富田)
あの・・・、なんかこう、特別無理して仲良くするでもなく、自分の時間を大切にして、料理のレシピを教えあったりですとか、なんか、そうゆう、なんだろう、もっと家族的に近い感じでした、女優とゆうよりも、はい。
(司会)
すごいライバル意識で、しのぎあうという感じがしたんですが。
(篠原)
みんな大人だから、全然あってもそんなの出さないんじゃないですかね・・・、そうですよね?
(富田)
もちろんですよ!大人ですから(富田さん、会場笑い)はい。
(司会)
監督の演出については何か注文とかされたとか、思い出はありませんか。
(富田)
頑固・・・、頑固っていうか、こう、笑いながら頑固だから憎たらしいって思うんですけども(会場笑い)
(篠原)
そんな、そんな頑固ですかねぇ・・・
(富田)
(笑い)頑固だと思います、やっぱり。待つことのできる、待ってくださる監督だと思います。
(司会)
それは演じる側も納得できた感じなんですか。
(富田)
そうだと思います。それが、あの・・・みんな納得してるし、私たちが全員がいくまで待ってくださったりしてるから、それがすごくありがたいです、はい。
第2部 トークショーの模様(2)
(司会)
富田さんは、この後上映する「洗濯機は俺にまかせろ」でも出演されてるんですけども、「木曜組曲」と「洗濯機」では撮影現場では印象が違うんじゃないかと思うんですけども。
(篠原)
ん・・・、そうですね、今、富田さん待つって言ってくれたんですけども「洗濯機」はずっと待ってた感じですけど、「木曜組曲」は(?)しまったなという感じでですね、五角形のテーブルに1日目の夜はずっと座ってるんですよ、ほとんどが。なので役者さんたちは5人ずっと座ってて、ワン・シーンごとによくよく分析していただくとわかるんですが、相当なカットを撮ってるんですね。一言一言変えてるぐらいの所もありますし、似たようなポジションなんだけど角度とか、ちょっとアングルの置き方なりが微妙に違うんですよ。で、ここらへんは、サスペンス映画として最初の見せ場だと思うので、ここはすごく丁寧に撮っていて、俳優さんは同じことを何度もやってるわけですよ。いいかげん飽きるだろ、っていうくらいやってるんですが、極端に言えば朝から晩までワン・シーンをずっと撮って、30カットくらいある時があって、いちいち照明でワンカットずつ作りかえるんで、そうゆう意味で女優さんを待たせているんですけども、大変だったですね、撮影自体は。ああゆうの、飽きませんかね、何度も何度も同じことやって。
(富田)
ん・・・、だって、あの、どこで何食べるか、覚えなきゃいけなくって、原田さんがおっしゃった時は自分がワインのグラスに手をかけて、セリフが終わるまでに飲み干してテーブルに置かなくちゃいけないとか、今回は技術的に・・・、技術っていうよりも覚えなければいけないことが多かったかなって、思います・・・
(篠原)
セリフ?
(富田)
セリフじゃなくって・・・、行為・・・、自分が何気にしてしまった、やらなきゃ良かったって、覚えなきゃいけないのが自分なのに、っていうことがありましたけど、あれはやっぱり鍛えられます。
(篠原)
そういう意味では全部つながりというかですね、最初に僕がテストして、そのあとカット割を発表していくんですけども、その時、多分俳優さんはわけわかってないと思うんですよね。このカット入って、スタッフがわかるように説明してですね、それで結局また同じことやるんですか、ってゆう感じですから、だから、ああゆうのをひとつひとつ記録さんという、スクリプターが全部みていて、ビデオに撮って1回1回、「さっきのカットはこうだったから、靖子ちゃんこうよ」みたいなことをやって、それで芝居しなければいけないってゆう感じですから、結構それは大変だっただろうなと思いますが、ある種この映画の宿命的にこうゆう撮り方をせざるを得なかったということを俳優さんたちは、最初のほうはビックリしたと思いますけど、だんだんわかってくれてきたですよね、きっと。
(富田)
多分、俳優としてのいい筋肉が・・・(監督、少し笑い)、木曜組曲で・・・。でも、やっぱり、やりっぱなしじゃないってゆう、俳優もちゃんといろんなこと考えて、今回はやるんだってゆう部分で、今までやったことないことを、こう、頭で・・・、第三者の自分がいるみたいな?、そうゆうところを、あの・・・、うん、今回やってたので、そういう意味では貴重な経験だとは思います。
筆者注 (このあたり、かなり迷いながらのしゃべり方で、ちょっと意味不明。違う方向へ飛んでしまってる?)
(司会)
富田さんの「アイコ十六歳」以来、僕らもすごい長い間応援してるんですけども、やっぱり安心してみてられる、すごい上手い役者さんだと思うんですけども、監督からみて「女優・富田靖子さん」はどうゆう評価をされてますか。
(篠原)
(小声で)評価ですか・・・(会場笑い)すごく安心できますよ。今回は5人いてですね、一番冷静だったのが富田さんじゃなかったかっていうのと、芝居が常に安定してたんですよ。最初の日に原田さんにいろいろつっこまれて、私よっ、って言ってから、そこから独壇場になる場面があって、そこの感じに至るまで多分5日間くらいかかってるんですけど、撮影行為としては。そこからじっくり、じっくり、割とみんなに距離を置くようなふうにも見えるし、虎視眈々と伺ってるようにも見えるし、ここで、出たぞ、出たぞ、ってゆう感じで芝居をしてくれて、割とその感じがものすごく安定して見えたっていう感じだったんですよ。で、「洗濯機は俺にまかせろ」のときは初めてだったんで、筒井道隆君と富田さんの2人のシーンが結構多くて、これにおいては安定するまで、すごく待ったという記憶があって、それは多分、2人の恋愛の心の機微をかよわすシーンが多かったので、感情がそこに行きつくまに、それなりに芝居をしなければいけないってゆうところだったので、むしろカットをあまり割ってなくて、そうゆうことが1回あってですね、それで、「木曜組曲」のときは、もうほとんど全部お任せみたいなところがあったんですよね。
第2部 トークショーの模様(2)
(司会)
富田さんは、これから上映される「洗濯機」のときに初めて篠原監督と組んで、どんな印象といいますか、他のいろんな監督と違った演出の仕方とかあったんですか。
(富田)
あぁ・・・、待った、待った、ホントに待った!ホントにビックリするくらい!(笑い)ん〜、でも、私は、筒井君がゆっくりゆっくり暖まっていくタイプの役者さんだと仮定したならば、自分は瞬間湯沸し機・・・、瞬間的にバ〜ン!て、こう、お湯が沸騰するみたいなタイプなので、そうすると、すぐ、こう、飽きちゃってですね、で、テスト何回もやってると、やっぱり飽きちゃって、ホゲ〜ってなって、そこからまたテスト重ねていくと、その時にまたもう一回、なんか、素敵なものがあったんですよ、監督とやっていくうちに。だから、「待つ」って、いいんだって。こんな素敵なものみつけられるんだったら、うん、いいな、待つのって。あの時はすごく思いました。
(司会)
待つことで、次ぎのまた違った世界の・・・
(富田)
全然違う世界が・・・、うん、みれた頃には朝とかってゆう感じなんですけど、でも、私は、「木曜組曲」でもそうですけど、「洗濯機」はすごく思い出に残っている現場ですね、はい。
(司会)
でも、また監督から声がかかったら一緒に仕事したいですか。
(富田)
そうです、もう、もちろん・・・。今回のだって、監督に「青森の映画祭行く?」って声をかけていただいて、「行く、行く!」って言って今日来ているので・・・ (会場拍手) あ、ありがとうございます。控え室でメロン3切れも頂いたんで、(富田さん、会場笑い)すごく美味しかったです、はい。
(司会)
ありがとございます。監督、このあと「洗濯機」上映するんですけど、どういうところをみていただきたいですか。
(篠原)
そうですね、タイトルが「洗濯機は俺にまかせろ」っていう・・・なんですかこれは、コメディのようなにおいを発しているかもしれないんですけど、実は、日常の等身大の男の子と女の子の、まる一週間のあるささやかな話ですね。三角関係、四画関係ってゆうことが、あまり生々しくなく登場してきて、男の子の成長物語ともいえるし、女の子の、女の子というか女性の成長物語ともいえるし、そういう意味で青春映画だと思ってるんで、タイトルだけちょっとひねってるんですけど・・・
(司会)
洗濯機ではなくて、冷蔵庫じゃダメなんですか。
(篠原)
いや、洗濯機ですね。(会場笑い)「洗濯機は俺にまかせろ」って響きがいいなってゆう感じで、見所はたくさんあるんですけどね、東京の下町の電気屋を舞台にしたささやかな話なんで、気楽に、お茶の間でテレビみるような感じで映画をみていただけるといいなと思います。
(司会)
きっとさわやかな感動があとで残ると思いますけど、富田さん、最後に「洗濯機」はどうゆうところをみていただきたいですか。
(富田)
「洗濯機」は・・・、「洗濯機」は・・・、(暫く沈黙)そう、ですね・・・、あぁ〜、でも、これゆうとなぁ・・・、(会場笑い)これゆっちゃうと、ラストのほうだったりするから・・・。
(篠原)
一箇所ね、2人ですごく迷って、こうゆうシーンにしたんだってゆうところがあるんですけどね、そこは・・・すごくいいところですね。そこはクライマックスに近いところですね。
(富田)
やっぱり、自分もそのシーンが一番好きで、まあ、あの・・・、最後に、こう、洗濯機を蹴る、蹴らないでもめたんですけど、あの・・・、そのシーンが一番、筒井君と別れちゃうようなシーンだったりするんですけど、ん〜、あの時の筒井君の目がちょっと忘れられないというのが、いまだに、あります。
(司会)
みなさん、これから「洗濯機は俺にまかせろ」充分楽しんでみてください。ここで、あおもり映画祭木造会場までせっかくお来しいただいたので木造町町長から花束とメロンの贈呈があります。(会場笑い)町長、お願いします。
【会場拍手、花束とメロン贈呈】
(司会)
木造メロン、これはお持ち帰りように1個づつですけども、ただ、あとでいっぱい送りますので。町長一言。
(町長)
篠原監督、富田さんには今日お忙しいところ、わざわざこの木造町に来ていただきましてありがとうございます。あおもり映画祭も今日で最後ということでございますけども、資料を拝見しますと、12回までの入場者数が4万人を超えているということで、ものすごく人気のある映画祭だと思います。そういう意味で、この木造会場でやるということは、町民のみなさまも、楽しみにしている事業のひとつであります。篠原監督、富田さんには、これからもいい作品を作っていただいて、ご活躍していただければありがたいと思います。川嶋実行委員長が申し上げましたように、メロンも一つではなく、大きい箱で送りますので、(会場笑い)どうか美味しく食べていただければありがたいと思います。今日はどうもありがとうございました。
【会場拍手】
(司会)
町長、ありがとうございました。それでは、富田さんから一言づつお願いします。
(富田)
美味しいメロン、ありがとうございます!(会場拍手)是非また呼んでください。自分も新しい映画に出会えるように頑張りたいと思います。本当に今日はありがとうございました。
(篠原)
メロン、東京に帰ったら楽しみに食べると思います、ありがとうございました。10年前に1回来て、10年ぶりなんですが、今度は10年と言わず、ちょこちょこ来れるように、映画を作っていきたいと思います。みなさん、よかったら、またみに来てください。本日はどうもありがとうございました。
【会場拍手】
(司会)
ほんとうにありがとうございました。拍手でお送りください。
【監督、富田さん退場】
●個人的感想メモ●
・はじめに
今回の「あおもり映画祭」ゲスト出演については「Y−FILE CAMP」のしょうけんさんがネットで「東奥日報」というローカル紙からみつけてくれたおかげで、こうして観賞の機会に恵まれるに至ったわけで、感謝の念に絶えない。
それにしても今回のようなローカル映画祭に関しては、ゲスト出演の予定が、ほとんど周知されていないのが残念だ。
舞台挨拶は、我々一般のファンにとって最も「素」に近い富田さんに接することができる数少ない機会なので、こういったチャンスは絶対に逃したくない。ローカル映画祭のゲスト出演なら地元だけのPRで十分ということは客観的には理解できるのだけど、何か体系的に把握できる方法はないものか?
・会場での席選び
これは過去の経験を生かして慎重におこなったつもりだった。こうゆう場での富田さんは、自ら話するときも、話を聞くときも必ず相手のほうに顔を向ける。一般の社会生活上は当然の常識であるが、舞台でこれをされると観客席の位置によっては横顔ばかりになってしまい、私のような観客にとっては終始「頼む、こっち向いてくれ〜」状態で、ストレスの極みなのである。今回は開演30分前の10:30頃に会場入りし、舞台向かって右端にマイクが3本置いてあるのを確認→司会者は舞台の右下から質問→富田さんは右向きになる→右よりに座ればお顔を正面から拝見できる、と考えて最前列やや右位置に席を構えた。我ながら完璧な位置どりだと悦に入ってたのに、実際は・・・。
「オイ、司会者、なんでわざわざ左のほういくねん、ゴルァ!」
と、独り心の中で口汚く八つ当たりする結果に・・・。(司会者さん、ゴメンなさいね。)富田さん、せめて話するときだけでも正面向いていただければありがたいんですけど・・・。
・トーク内容
出発前に事務局に電話で聞いていたところでは、舞台挨拶は「木曜組曲」と「洗濯機」の間にあるとのことだったので、10分程度だろうと予想してたのだが、実際には「木曜組曲」の前に舞台挨拶、「木曜組曲」終了後にトークショーという2部構成で合わせて約25分という思ってもみなかったラッキーな展開になる。
今日の富田さんは、「木曜組曲」試写会や公開初日の時と違って他の共演者がいなかったせいか、終始リラックスした様子で、ときどき弾けたような口調で元気に話されていた。(赤斜字で書いた部分はそんな感じで読んでください。)司会者の質問の意図と違うんじゃないの?という方向へ流れるところもたまにあって、これは富田さんらしさといっては失礼かもしれないけど、舞台演劇やテレビドラマではみることのできない別の魅力を享受することができる。やっぱり遠いところ出てきてよかった、と十分に満足させられた25分間であった。
・写真について
今回は写真はOKとのお達し。前述のごとくの最悪の席だった関係で、ときどき正面を向く瞬間を逃すまいと、ずっとファインダーをのぞきっぱなしのうえ、しびれを切らしてときどき正面に移動したりと、全く落ち着かず。いい年してカメラ小僧やってるのもいかがなものかと自戒はするんですけど・・・。
今回は初めて光学フィルムをデジタルに落としてみたが、当然のことながら写真をスキャナで読み込むよりは格段に画質は優れている。最後の花束の場面の前でフィルムがなくなってしまい、予備でもっていたボロいデジタルカメラで撮ったなかで唯一使えたのが、最後の写真。フィルムカメラでは富田さんのアップばっかりになってたので、篠原監督とのツーショットを偶然残せたのは怪我の功名。
・交通手段
航空機往復による日帰りも検討したが、結局一番安上がりの鉄道往復に決定。31,400円の「青森往復きっぷ(グリーン車用)」なら普通に買うより約5千円安く行ける。JR東日本はこの手の企画切符が豊富で、よく探してみると使えるのが結構あるのはありがたい。
上野21:41(あけぼのB個室)9:20弘前9:25(五能線普通)10:15木造
木造町「松の館」で、あおもり映画祭観賞
五所川原16:48(リゾートしらかみ3号)17:17川部17:19(奥羽線普通列車)17:57青森18:46(白鳥30号)19:49八戸19:58(はやて30号)23:08上野
「折り梅」は途中で抜けて隣の温泉施設へ行くし、「木曜組曲」は半分寝てたし、一番みたいはずの「洗濯機」はパスして帰途につくし、で、25分の舞台挨拶をみるためだけの木造町往復のまる1日でした。