零戦を見に行く

例によって羊頭狗肉な37000おまけ


 河口湖自動車博物館に行った。読者諸氏には周知の事と思うが、ここで復元された零戦その他の貴重な兵器が、期間限定ではあるが、展示されているのである。

 同博物館は、風光明媚かつ交通不便につき、無念の涙を呑まれている読者諸氏も多い事と推察する。<開かれたネタ>をモットーとする「兵器生活」では、展示物の写真撮影を敢行、ここにその成果を世に問う次第である!

 今回の展示物の大目玉<栄二〇型外部要具入れ>である。見るからに貴重品が詰まっていそうなカバンではないか!

 そして<火星一〇型内部要具1/2入れ>である。その道の人にとっては、まさに<宝箱>であるが、それに恥じない重厚な形状をしている。

 博物館では、貴重な収集物を惜しげもなく販売している。これは零戦のタイヤである。一本3万円。値札の隣をじっくりと見ていると、ブリジストンの<BSマーク>が視認出来るではないか! あなたの愛車に、あるいは枕替わりにと三面六臂の活躍が期待できる逸品である。

 栄発動機のシリンダヘッド。縄文式土器を思わせる、ひねりの効いた芸術。これも即売対象である。気になるお値段は…忘れた。

 シリンダの内部を見る機会は滅多にあるものでは無い。<目の保養>とは、まさにこの事を云うのだろう。

 館内には、多数のポスター類が展示されている。これは陸軍記念日ポスター。
 
 奮い起こせ日本精神
 健全なる広義国防に平和が宿る
 団結と進歩なき国家は亡ぶ

 と書かれている。こう云う絵に描いたような<図案>と云うのも最近とんと見なくなった。「健全なる広義国防」とは、本土を護るために朝鮮を獲り、朝鮮を確保するために満洲を獲り、満洲を護るために北支那を獲り、内蒙古を獲ろうとし、米英と刃を交える、と云う意味では無いと思いたい。


 ちなみに、零戦その他の航空機が収蔵されている飛行館とは別に本館はあり、ここには古今の自動車が展示されている。その一例を紹介して本稿を閉じる事にする。

 近代日本が世界に誇る<人力車>である。殆どの展示物は、修復されているのだが、何故かこれだけ塗りが剥げた状態で展示されている。日本発案で亜細亜を制した最初期の製品だと云うのに…。どこか胡散臭いマネキン人形が日本情緒を醸し出している。


 え?零戦の写真が無いですって?お客さん、あたしャ<零戦の写真を掲載する>なんて一言も書いていませんぜ…。なあに、しばらく待てばあちこちのサイトで御覧いただけますって!

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