ヒロポンの中身を除く一式まとめて60万おまけ
「ひろ子さんも、ヒロヒト君も」と、フザけたタイトルでヒロポン広告の変遷を記し、はや10年。
「いつかはクラウン」ぢゃあ無いが、思い焦がれたヒロポンの現物―もちろん中はカラ―を手に入れたのである。
20錠入り瓶
箱と説明書の揃いである。
お店の人曰く「証紙を破りたくないので、箱の底を開けて、中身は処分しました」。
味見くらいしたんじゃあないか? と疑うのは礼を失するのでこれ以上はふれぬ。
ヒロポン箱
良く知られた商品であるから、ネット上もで瓶の写真を見ることは出来るのだが、現品を見て驚いた。
「小さい…」
たかだか20錠入りの薬剤が、デカい瓶に入っているわけは無いのだが、この小ささは予想を遙かに超えるものである。
箱・瓶・五円玉
正直なところ、「ネタ一回」で終わらせるには、あまりにも贅沢な値段なのだが、『必ずウケるネタ』がカネで買える魅力に負けてしまった。
『末端価格』なんてモノが存在するブツは、器だけでも結構すると云うオハナシである。
ここまでは只の「ヒロポン(の瓶と箱)買っちゃったー♪」と云う自慢(値段を書けば『自虐』で『自爆』)話に過ぎぬ。「兵器生活」の本領は、紙モノの方である。
説明書
「拡大して読んで下さい」とは、さすがに云える大きさでは無いので、例によって翻刻する。
原文はあまりにも読みづらい―書き写した主筆が保証する―ので、適時改行等施す。
新発売
末梢製血行作用を有する
最新 除倦覚醒剤「製造特許」
ヒロポン PHILOPON M33N
輓近、エフェドリン―アドレナリン属薬物のうち、「覚醒アミン」と呼ばれ、加速度的に医界の異常なる興味と関心を集中しつつある二種の薬物があるが、一は一九三五年米国に於て市販せられ英米で使用せられ、他はこれに一段の研究と改善を加えて一九三八年独逸に於て始めて発売せられた、更に進歩した新薬であって、漸次広範なる用途を拓き旺盛なる賞用を博しつつある。
このものこそは、東京帝国大学名誉教授理学博士・薬学博士故長井長義先生が明治二十六年麻黄研究物質第三三号M33Nとして発表せられた物質にほかならない。
我社は、特許査定を経たる同博士の遺法に従って漢薬麻黄より本剤を製出し、未だ比類なき強力なる中枢性興奮剤を以て治療界に貢献せんとす。
エフェドリンの発見者として有名な、長井長義博士の製法で作られたことが記されている。明治26年は、まだ「条約改正」をやっている最中、日清戦争の前年の事だ。
「二種の薬物がある」としながら、それが何なのかは伏せられて、唐突に「このものこそは」と云われても困る。
集成及び性状
本剤はd-1-Phenyl-2-methylamino-propan(式省略)の塩酸塩であって、塩酸エフェドリンの側鎖に於る唯一の水塩基を欠如したものにほかならない。右旋性である。
錠剤一個は本剤の0.001瓦を含有し、散剤は本剤の百倍希釈であって、その一瓦は本剤の0.01瓦に相当し、注射剤は一t中本剤の0.003瓦を含む等張液である。
本剤が、「覚せい剤取締法」で指定する「フェニルアミノプロパン」であること、「本剤」―化合物そのもの―に何かを加えて、市販される錠剤・散剤・注射剤にしていることがわかる。
作用及び特徴
一.本剤は副作用なき強力なる中枢神経興奮剤にして、精神的及び肉体的活動を著明に亢進し判断力、思考力の増加と体力、作業能の昂揚を来す。
二.疲労を予防或は除去し、又沈鬱、不安を一掃し、元気を恢復し、気分を爽快にする。
三.特異にして強度の睡眠除去、覚醒作用があり、不快感の少しもない不眠状態にする。
四.強力にして持続的なる血圧上昇作用を有し、殊に低血圧、虚脱状態には甚だ効がある。
五.呼吸深大作用、鎮痙作用、利尿作用、粘膜腫脹除去作用、去痰作用、止血作用等がある。
六.消化管内からの吸収が佳良迅速であり、内服と注射とに於て作用強度の差が殆どなく、且作用の持続が著しく長い。
七.麻黄から製出せられ、右旋性で、類似の非旋光合成品に比し作用が遙に強い。
良い事づくめである。内服・注射と効き目に大差がない、とあるのが目を惹く。
しかしここまでは、主筆から見れば前座に過ぎない。いよいよ「適用領域」に入るのだが、「甲、健康者に於ける応用」「乙、医療方面の応用」に分かれている。戦後濫用されたあげく、取締対象になってしまった「応用」とは?
適応領域
甲、健康者に於ける応用
一.過度の精神的並に肉体的活動が一時的に要求される場合。
二.徹宵(夜警、夜間看護、通夜)、夜間作業、講演傍聴、その他睡気除去を必要とする凡ゆる場右(ママ)。
三.疲労、宿酔、乗物酔(船車、飛行機等)、山岳病等の治療及び予防。
四.各種スポーツに於けるドーピング剤(使用の可否は別として)。
「講演傍聴」のおともに覚醒剤!
そして「ドーピング剤」(こんな昔から使われていたんだ)! とって付けたような「使用の可否は別として」の文言が素晴らしい。
戦時中らしさの感じられぬ、この文を書いた人の学生時代が目に浮かぶようだ。
乙、医療方面の応用
一.病苦の一掃
長期に亘り病床にあるもの、恢復期の遷延せるもの、手術後、不治の疾患、手術不能の癌等に悩む患者の苦悩、不安、不快を除き、明朗快活ならしめ、快復に対する希望と意欲を喚起せしめ、治癒を促進する。
二.精神科的方面
1.各種憂鬱症、躁鬱狂の鬱憂時、精神分裂症の遅鈍症、メランコリー等。
2.睡眠発作病 各種の昏睡、昏迷、嗜眠、朦朧状態並に脳溢血、脳血栓、脳震盪、癲癇、インシュリン・ショック等による上記の状態。
3.ヒステリー、神経衰弱症。
4.麻酔剤、睡眠剤、酩酊毒(モルヒネ、ナルコポン、カルモチン及びその類似品、アルコール等)の急性及び慢性中毒。
5.流行性脳炎及びその後遺症。
6.急性並に慢性神経炎。
7.詐病の発見等。
「病苦の一掃」と「詐病の発見」が並ぶ効能書き、なんてものがあるのですね。
三.内科的方面
1.低血圧症及びその随伴症状、眩暈及び失神傾向、易疲労性、不快感等。
2.虚脱状態及び狭心症。
3.各種原因による疲労状態、倦怠性無力状態。
4.偏頭痛、肩凝等。
5.気管支喘息、肺壊疽、気管支加答兒等。
6.血圧下降を伴う乏尿、夜尿症等。
原因が何であれ、不快感を伴うものなら、何にでも効くように思えてくる。
四.手術的方面
1.手術中及び手術後の虚脱状態。
2.手術前及び手術後の不安除去。
3.麻酔よりの覚醒促進。
4.手術後の乏尿或は無尿。
5.粘膜腫脹、殊に鼻炎その他出血等。
「麻酔よりの覚醒促進」で、昔読んだマンガの『テスト前夜の勉強嫌さに睡眠剤を飲む主人公、そうはさせじと眠気覚ましを飲ませる教師とクラスメイト』と云うギャグを思い出してしまった。
用量及び用法
本剤の用量は各個性によって著しく異るが、通常元気快復、疲労防止、睡眠除去等の中枢性興奮作用を望む場合には、一日0.003―0.006瓦(三―六錠)を頓用、或は二回に分服すれば充分で、何等の障碍も起きない。
血圧作用、病的睡眠覚醒等を求める場合には、0.006―0.009瓦(六―九錠)或はそれ以上を頓用すれば足る。不眠を望まぬ人、不眠の傾向ある人等は午前中或は正午迄に服用するがよい。
長期の連用は医師の指示がある以外は避くべきであり 已むを得ない時は度々休止して再び用ゆるのが合理的である。注射薬は皮下又は筋肉内に注射する。用量は内服と略々同量である。
禁忌としては、一.バセドウ氏病 二、自律神経失調症 三、興奮状態等である。副作用として、大量使用の場合及び敏感な人にあって、軽度の心悸亢進、温感、発汗、口渇 不眠等を訴えることがある。
本剤の習慣性に就ては著明のものなく、勿論禁断現象などはない。
所詮は火事場の馬鹿力、疲れた身体に打つムチ、の一時的な使用と割り切り、効き目が切れたあとの事は、生きてりゃあ疲れるし眠くもなりますよ、と巧くはぐらかされたような気分になる。
使ったことが無いから習慣性も禁断症状もわからないのがホントの所だ。
包装
錠剤(一錠中0.001瓦含有)
二〇錠 五〇錠 一〇〇錠 五〇〇錠
散剤(一〇〇倍希釈、一瓦中0.01瓦含有)
一〇瓦 二五瓦 一〇〇瓦
注射剤(1t中0.003瓦含有)
1t五管 一〇管 五〇管
製造/発売元 大日本製薬株式会社(所在地は略す)
この説明書、東京支店の所在が、「東京都日本橋区」と表記されている。東京都発足は昭和18年7月であるから、このヒロポンセットは、それ以降の製造となる。戦中モノか、戦後モノかの違いは(個人的には異常に)大きいのだが、調べる手立てが無い。
(おまけのおまけ)
敗戦後、軍隊・工場から、ヒロポンに代表される覚醒剤が世間に蔓延した話は、21世紀になってなお、どこかの物好きが文字通り『万金をなげうって』抜け殻を買い、ウェヴのネタにしたくなるまで、広く知られているし、覚せい剤で身を誤る人の話(それが有名人であれば)は、今もニュースのタネである。
私は今、わきたつ良心と祖国愛の心の指針を回転して、深き傷心と、愛人のまごころをもって、この原爆より恐ろしい「魔薬禍」を詳述して、かぎりなくなつかしむ
祖国の若人たちと
子をもつ親のすべてに、捧げます。
こう宣言する、牛窪 愛之進「魔薬読本―阿片・モルヒネ・ヒロポンの生態―」(六幸社、昭和30年刊)は、敗戦後の薬物乱用時代が、ついにお上の力で封じ込められようとする頃、世に出た本だ。
「原爆より恐ろしい」、『魔薬』(著者の造語)の一翼を担うヒロポンについても、色々と書かれている。
著者は、戦前に麻薬についての本を著している人だが、「麻薬禍絶滅」の意図とはうらはらに、「薬剤の製法の細密」、「販売のアジト」を知り、悪用を試みんとした購読・照会が続いたことを反省した上で書いている。ゆえに、素人が悪用しようとこの本を読んでも得るものは殆ど無いが、昭和20年代後半のヒロポン知識を得る上では有益なものであるから、その一部を御紹介する次第である。
今日の人権意識上、不適切と感じられる表現が含まれているが、改変はしない。
本文の「覚せい剤」の『せい』には傍点が付されているが、すべて省略した。また、文が長すぎる所に、空白を入れるとともに、適時改行を施してある。
魔薬読本
覚せい剤
[敗戦のおとし子]
厚生省の調査によりますと、日本におけるヒロポン中毒患者の数は、約一五〇万人といわれております。なおそのうちの約一〇〇万人は、ティーンエージの青少年であるとのことですから、全く悪感(ママ)のする程恐るべき問題であります。
まことに残念ながら、これも敗戦のおとし子です。同じおとし子でも混血児のほうは、比較的温かいホームに収容されて、不十分ではありますが正常な人間の問題として、真剣に扱われております。
しかし、大部分のヒロポン児にとってのおちつく先は、警察の留置所か刑務所の鉄窓の下、そして出獄後といえども、悪の病巣犯罪の巷がまちうけているのであります。しかもそれらによる災いは、あらゆる社会に及び、これがそば杖を喰って死の犠牲にひきこまれる者が、ひきもきらぬ現状であります。
これほどの問題が、ただ徒らに毎日の新聞記種となって その社会面を賑わすだけで放置されておること六年有余。ようやく二十六年六月に覚せい剤取締法(法律第二五二号)が立法され、厳重な監視と懲戒の手がのべられるにいたったのでした。
しかし、この種の法律は、まだ一般の国民にとっては、精神薄弱の徒に対する厳戒の特殊性か、又は密輸密売の与太者に対する法律である位に感じられているようです。だから多くの人は、この法に規定されているフェニルメチルアミノプロパンがヒロポンと同じものであるくらいのことすら知っておりません。又たいていの人は、ヒロポンなどを打つやつは、やくざ者に限ると考えて、他人の事のように考えやすく、自分の足もと、否、自分の子、孫、親戚及び友人の足もとへ、そくそくとして忍びよってくる魔薬、覚せい剤のおそろしさには、全く無関心であります。
平成22年度の覚醒剤事犯の検挙人員は11,993 人である。うち使ってパクられたもの6,915人、持っていて捕まったのが3,938人で9割となっている(『平成22年中の薬物・銃器情勢』警察庁組織犯罪対策部薬物銃器対策課、平成23年4月)。官憲のご厄介になる人が後を絶たない以上、コッソリ使っている人達が、1万1千人の何倍か存在しているのは確かだろうが、60年近く前の150万人から考えれば、著者もようやくここまで来たかと感慨深いところだろう。
これは地道な啓蒙活動の誇るべき成果に他ならぬが、自分や家族に限って当事者にはならぬと云う意識―覚醒剤に限ったことでは無いが―は、依然として残っていると思う。
[疲労がポンと治る?]
ヒロポンの名称を詮索したある医者の書いた随筆に
「ヒロポンは、疲労がポンとなおるという意味でつけられたのかもしれない」などと悪ふざけをしておるのを見うけましたが、ジャーナリズムの上では、こんなふうなものがかえって客うけをしているようです。
もっとも深刻なヒロポンの関心から、そして陰気な魔薬の世相から、しばし逃避するための駄じゃれであったらよいのですが。ヒロポンなどの批判や取り上げ方が、まだまだ他人の事であるというような立場からされているような傾向は全く寒心にたえません。
法律的に規定されている覚せい剤とは、同取締法の第二条に、
「この法律において使用する用語の意義は、左の各号に定めるところによる。」
とありまして
「覚せい剤とは、フェニルアミノプロパン・フェニルメチルアミノプロパン及びその塩類並にこれらのいずれかを含有する製剤をいう。」
と、規定されております。
有名な? ヒロポン=疲労をポン、と取る語源説を一蹴する、歴史的な文言である。「ある医者」が誰かまで書いておいてくれれば、後世の物好き連が思い悩むことは無かったものを、と残念に思う。
[アミン列伝]
覚せい剤とは、別名覚せいアミン類と呼ぶものであります。共に、交感神経性作用をもつもので、特に中枢神経興奮剤として嗜眠感や一時的の疲労感を弱める目的に利用されるものであります。
その主なものは、ベンツェドリン(アンフェタミン)、ペルビチン(ヒロポン)、ベリトール等であります。
ベンツェドリン(Benzedrine)は、無色の液体であって、空中では炭酸塩となります。これは揮発性でありますが、これの硫酸塩は水に溶けやすい結晶であります。
この溶液を粘膜に適用すれば、血管の収縮をよび貧血を来します。だが、適量を用いるときには、愉快な中枢興奮作用をおこして、疲労感を去り、嗜眠を妨げ一応は(原文傍点)仕事の能率をあげるような状態を生み出します。
このように覚せい剤もコカインその他の麻薬と同じように、最初は使用者に快楽と安心感を与えるのです。ところがそのあとが問題であります。これの慣用及び大量の使用は、血圧の亢進、心悸亢進、不整脈などをひきおこします。更に、過度の精神興奮のために、遂には、不眠、散瞳、痙攣、血尿放出、精神不安、精神憂鬱という中毒現象に陥ります。
往々ヒロポンとならんで私たちの耳にしますセドリン(Sedrin)は、このベンツェドリンの硫酸塩であります。
ペルビチン(Pervitin)は問題のヒロポン(Philopon)です。これの製剤が、法第二条にあるアミノプロパンです。すなわちフェニルメチルアミノプロパン(Phenylmethylaminopropane)というのがそれです。法第二条の二つのアミノプロパンは共にベンツェドリンと全く同様の性質及び作用があるもので、処方としては、通常三−九ミリを内服するか、皮下注射をするものです。
この外にベリトール(Veritol)があります。
このベリトールも以上とほぼ同様な作用をする製剤でありますので、一般にはヒロポンとして呼ばれております。
巷にある不良製剤の中には、げんのしょうこと、かぜ薬のエフェドリンを混ぜてつくったものが流れているそうです。
このエフェドリン(Phenylethanolmetylamine)は明治廿一年(一八八八)長井長義博士によって発見された世界的のアルカロイドで、主として呼吸鎮静薬として用いられる有名な製剤であり、ヒロポン、セドリンやベンツェドリンと兄弟関係のアミン剤であります。
しかし、この名薬でも、濫用すると他の覚せい剤と同一の作用や結果をみるおそれがあるものですから、使用には医者の意見をきいてやる必要があります。
「一応は仕事の能率をあげるような状態を生み出します」とは云うものの、この場さえ凌げれば…と、これを書いているさなかであるのに、つい容認する方向に考えてしまうから危ない。
[二つの作用]
このアミン覚せい剤は今から三十四、五年前―大正一〇年前後―に初めて英米及び独乙で製薬して売り出されました。そして当初は医師だけが治療用として使用したもので、その後十年ほどは一般人に濫用されることはなく、もちろん中毒者の続出するであろうなどとは夢にも考えられていなかったのです。
ところが、この医薬品の特長である作用、すなわち、
「脳の中枢を興奮させる作用」
「神経の末梢を興奮させる作用」
とが、健康人に作用すると、疲労感や不快感の除去に役立ったり、思考力や判断力の増進に効果があるので、これを以て工場の作業能率を高めるために悪用されるようになったので、だんだんと濫用から中毒者激増の原因をつくってしまったのです。
まず、大戦の初期から、ドイツ軍が大量に使用して一時的に士気をこぶしたので、これにならって日本の陸海空軍や、軍需工場が又大量に使用して、偽装能率の増進を計ったのです。そして終戦後は、軍需の停止で相当量のストックや製法が民間に流れ込みましたので、医療に使われるよりは作家や芸能人に使用されるようになりました。しかもこれが夜ふかしや、マージャンの徹夜闘戯に使用され、だんだんと一般民衆、とくに試験勉強の効果を狙う学生生徒の間にどんどん喰いこんで来たわけであります。
昔の小説家や芸能人が愛用した、と云う有名な話だ。
ここでも「相当量のストック」が民間に流れた、と書かれているが、昭和20年9月以降流出したストックが、4年も5年も市中に残るものだろうか? 覚せい剤取締法施行の26年6月まで、工場フル操業で製造していたのではないのか?
だとすれば、これこそ立派な「薬害」ではなかろうか。
(おまけのおまけのおまけ)
「魔薬読本」からのヒロポン記事はまだ続くのだが、ここまでで覚醒剤の概略と、戦後の濫用に至る背景までは述べてあるので、本編はここで幕にする。
「魔薬読本」記事の続きを読みたい人はここをクリック願います。