（２５１）　公研　ＫＸ−６　複座戦闘機
　　　　　　　村田　美一　案

　型式　　　　双発中翼単葉引込脚陸上機
　用途　　　　爆撃機援護戦闘　・　急降下爆撃
　乗員　　　　２名
　発動機　　公研　”暁３型　”空冷星型９気筒
　　　　　　　　９５０馬力　２基
　最大速度　　６８０粁／時
　降着速度　　１１５粁／時　（フラップ活用）
　上昇限度　　１２０００米
　固定機関砲　　２門
　旋回機関銃　　１挺
　モーターカノン　２門

＜図解説明＞　（Ａ）＝固定機関砲、（Ｂ）＝爆弾又は増加燃料タンク
　（Ｃ）＝旋回機関銃座、（Ｄ）＝高揚力フラップ、
　（Ｅ）＝モーターカノン附星形発動機、特殊減速歯車装置により
　プロペラ中心軸をカノンが通る。

　「空」　昭和１５年８月

石田　一郎による批評

　図は詳細に書かれて居る方だ、が然しまだまだの様である。

　双発機にしては非常に単調、従って垂直水平尾翼は共にこの倍位にしなければ安全性は得られない。そうして地上姿勢も仰角が大き過ぎて不安感を伴う。
　単発機は軽小であり扱い易い為大仰角姿勢の設計が多い。然しフラップを有する大型機になると地上姿勢は小仰角となる。それはフラップを下げた場合姿勢を変えず共、翼の仰角が大になって居る関係からである。本機の様にファラー式を用いた場合は殊にそうであるを思わねばならない。

　新考案であるカノン附星形発動機も冷却の見地からおもわしくない。第一９気筒９５０馬力の発動機としては小さ過ぎる。

　「空」　昭和１５年９月