(262) 妖星1型 郵便機

(262) 妖星1型郵便機
      ロビン 案

 ○本機はライト兄弟機よりヒントを得て製作された
  エンテ機である。

 ○本機は直列型発動機2基を一つのナセルに入れ
  コントラペラを
回転せしむ。
 ○本機はスピンナーの先に風力発電機を有し、
  そこから長軸で胴体内に
ある電池を充電せしむ。
 ○冷却器は翼表面冷却とす。
 
 発動機  火星1型液冷350馬力×2
 翼面積  20平方米
 乗員    2名
 最大速度 500粁/時
 上昇限度 10000米
 搭載量   750瓩
 航続     250粁
 翼長     15米
 全長     10米

 「空」 S15.9

石田一郎の批評 (S15.10)

 この様な戯画にも類する投稿を続ける連中が今尚多いのであろうか。夢欄の神聖を重んずるならば少なくとも力作と自負するものを寄せる様でありたい。
 主翼を高翼に前小翼を低翼にした組合せは良い。プロペラと尾胴の関係はよくない。


総督コメント

 石田パワー全開の酷評である。余程原画がひどかったのだろう。ここまでボロクソに云われる作品が掲載されてしまうのも…である。担当編集者も胃が痛んだことであろう。

 「火星」とあるが、三菱のあれとはもちろん別物である。日本の航空機用発動機の仕様が公表されていたのは、せいぜい寿、光のラインまでである。以降のものについては軍機扱いであり、航空雑誌に紹介されることは無かったようである。

 スピナーの先に発電用風車(とは記述されていないが)を附けて発電するなんて云うとMe163なんかを思い出して、個人的には面白いと思っている。この時代に「郵便機」と云うのも少々アナクロで私は好きである。