20000HIT達成記念公開
物件No.58 「摩耶観光ホテル」 兵庫県
「セピア色の中で・・・」
神戸市内の麻耶山の山中の中腹に位置する「麻耶観光ホテル」・・・。
萬別冊「廃墟の魔力」、小林伸一郎さんの「廃墟遊戯」また、多くの廃墟系HPにも紹介されていて、かなり有名な廃墟ですね。
私も前々から行きたいと思っていましたが、今回、ケーブルカーが復活する前にということで何とか訪問することが出来ました。
途中前夜に徹夜状態で移動した為、今回のオフ参加者の中で最年長の私は、グロッキー状態、途中ゲロを吐きながらも、1時間半にわたり山を登り何とか到着!!麻耶観をこの目で始めて見たときは、あまりの素晴らしい光景に、全身が総毛立ち5分間、その場に立ち尽くしてしまいました!!
自分ではかなり廃墟に対して目が肥えていると自負していましたが、そんな自惚れも一瞬で吹き飛ぶような存在感・・・。
規模、デザイン、色、さびれかた、ロケーション、一つ一つをとって見れば、それ以上の廃墟も存在しますが、一つ一つがこれほどまでに、見事に融合し調和している、物件は他に存在するのを見たことがありません!!まさに今までの廃墟観が覆ると言っても過言ではない物件だと思います。
今回、いつも遅公開の私ですが、感動の覚めないうちに20000HIT記念公開とします。上にも書きましたが、あまりに有名物件なので、たくさんの画像が紹介されていますので、なるべく皆さんが撮らないような画像を紹介していきます・・・。
登山口側のケーブルカーの駅です。 外見上は、はぼ完成しています。 噂では、今春運行開始と言う事です。 今春と言っても、色々な解釈がありますが、これを見る限り遠い未来では無い気がします。 |
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摩耶山中腹のカーブルカーの駅です。 ここも、同様に既に電気等も通電していました。 「1時間〜1時間半の時間をかけて、山を登る行為」と言う結界が解かれ、ドキュンが大挙して、この駅から降りてくる光景が、浮かびます。 皆さんの手にはきっと破壊を目的とする道具や、スプレー缶を握り締め、必要以上に大声を張り上げ、ここからわずか数分の目的地に向かいます・・・。 |
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大ホールです。 デジカメで撮影したので、広い場所は真っ暗に写ってしまう為、画像加工ソフトを使用して、光度をあげました。 そしたら、見事なセピア色に・・・。 しかし、セピア色の似合う物件です。 |
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同じく舞台の上からです。 窓のデザイン、電灯のデザイン、柱のデザインどこを撮っても最高です!! 黄昏の少し前の時間、鋭さを失った太陽の光が、最高の色を演出してくれます。 「廃墟に誘われて」のウシロさんのCDラジカセが奏でる「ビョーク」の歌声が広いホールに響き渡ります。 それはまるでセイレーンの歌声のように・・・。 |
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中ホールです。 今までで最高の1枚を撮影できました!!(自分的に) コメントできません。ただ優しい光が私を包んでいました・・・。 スチールを持ってくればよかった・・・。 |
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同じく窓側からです。 上の写真とほぼ180度対象の位置からです。 真ん中には、壊れた椅子が放置されていました。 廃墟特有の澱んだ空気が全く感じられません。 注)硝子が壊れているとかそういう問題ではないですよ。 |
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玄関部から、下に降りる階段です。 他の廃墟で感じる、階段を降りていく時の、暗闇に対する、ドキドキ感が全く有りません。 まるで、現役のホテルにいるような感覚です。 |
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廊下部分です。 なんで、こんなに良い色なのでしょう!! 廃墟を超越しています・・・。 |
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お風呂です。 お風呂のデザインまでかっこいいですね。 縁の豆タイルや丸窓、石造り風の壁・・・。 お風呂だけでも復活しないですかね!! |
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もう一枚お風呂です。 丸窓が、素敵です。 しかし、このホテルを現在、復元したらいったい、いくら位かかるのでしょう。 現役時代に、泊まりたかった・・・。 |
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チャリオットのレリーフです。 「萬」誌によれば特別室だった所の、入口だそうです。 当時、皇族も泊まったとか・・・。 ラブホのいんちきレリーフと違い、違和感が有りません。 |
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電灯です。 アンティークなデザインで、ここの内装にはぴったりです。 例えば、同じ電灯が違うホテルの廃墟に有ったとしても、質感が違ってしまうと思います。流れた時間の量が、全ての物の質感に重みを与えているようです。 |
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谷側からの外観です。 有名な、アングルですね。 曲線を用いたデザインが、美しさを醸し出します!! 次回は、夏に来て見たい・・・。 どんな表情の変化を見せてくれるのか・・・。 |
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1階の外観です。 壁を這う蔦・・・。 今は、静かに夏の訪れを待っています。 その時が来れば、見事な深緑で「摩耶観」を彩ってくれるでしょう。 |
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屋上への階段です。 標準以上に、重たい方は、屋上へ行くのは諦めましょう。 正面の窓は、大ホールを見渡せる「放送室?」のような部屋の窓です。 |
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壊れたドアです。 客室の入口の、腐って抜けてしまった床に、ドアが落ちていました。 クの字に折れ曲がって、なんか可哀相です・・・。 |
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生活雑貨の山です。 普通の廃墟では、多少の生活感が有ったほうがいいのですが、ここは逆にこんなゴミのような物は無いほうがいいのかもしれません。 3階のホールに蟹の絵の紙が置いてあったら、がっかりです。 何故か、ここ部屋にのみ生活の跡が散乱していました。 |
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子供のレーザーガンの玩具です。 ここの、ホテルの時代背景にマッチした、古さです。 オリジナルでしょうか?? 近い将来に、ドキュンに踏み潰させ粉々になってしまうのでしょうか? 今はただ、もう2度と遊んでくれる事の無い幼い主を静かに待ち続けるだけです。 隣の、巨大な建造物と共に・・・。 |
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屋上に上がる途中です。 錆びが、いい色を出しています。 右側の、緑が鮮明なら、いい感じなのですが・・・。 乾いた風が、吹き抜けて行きます。 |
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大ホールの上からです。 「廃墟に誘われて」のウシロさんの後姿。 前回、撮影はしたので、今回は思いっきり「摩耶観」に浸るそうです。 これが本当の、廃墟の楽しみかたかもしれません。 たった、2人しかいないはずの大ホール・・・。 目を閉じると、何故か喧騒の中にいるような、錯覚に陥りました。 |
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屋上です。 眼下には、5年前の震災から、立ち直った神戸の町が一望できます。 デジカメなので、撮影は出来ませんでしたが、帰り際、黄昏て明かりがともり始める景色は、言葉では言い表せません!! そのかわり、真っ暗闇の中を、下山するという恐怖に遭遇することになりました。 |
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帰路です。 まだ、写真を撮っているおっさんがいます(笑)。 もっと多くの時間を過ごしたかったのですが、これ以上経過すると、漆黒の暗闇の中を、下山しなければなりません。 可能なら、全ての季節に、来たいと思いました。 最後に1つだけ確信しました・・・。 この廃墟は生きていると・・・。 |