物件No.155 「めいじや食堂」 東京都
「地縛する恐怖」
常々、アンチ心霊を謳っている、私だが、今までに数回説明のつかない恐怖を味わったことが有る。今は無き埼玉の「中村精神病院」栃木の「金子邸」徳島の「ホテルニュー鳴門」の1室・・・。今回の物件もそんな恐怖が存在する1つであった。それも最大の・・・。
さてその恐怖だが表現するのは難しいが、敢えて言うなら、空気の温度が変わり、重くなる。そして寒いにも関わらず脂汗がだらだらと流れ落ち、一刻も早くその場所を立ち去りたいと思い。心臓の鼓動が早くなる・・・。そう、まるで住人(管理人)が今にも帰って来そうな感じ、と言うか既にそこには家人が居て私の行動の一部始終を監視されているようなのである。
多くの廃墟を探索し、警備システムにひっかかったりホームレスに取り囲まれ、ヤンキーに遭遇し、首吊り死体を発見した。勿論、それらの事例も怖いには違いないが、その種の恐怖とは明らかに毛色が違い、心の底から、そして本能的に怖いのだ、怖いとは若干ニュアンスが違うかもしれないが、とにかく凄く嫌な気分を感じる・・・。
しつこいようだが本当に説明のしようがない。あなたも廃墟を巡っていればいつかこの感覚を味わえるかもしれない・・・。味あわない方が良いかもしれないが・・・。
そんな恐怖をお手軽かつ安全に味わいたい方へ「SAIREN」をお勧めします。
全景 予告の画像の反対から撮った全景。 手前半分が住居として使用され、 奥半分が店舗として使われていたようだ。 住居部分はかつて宿だった気もする。 かなり古い木造家屋だ。 |
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階段 道に面した部分からは潜入不可能。 とりあえず上に上がってみる。 鉄製の階段の到る所が錆び危険な状態。 |
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建物裏 山の斜面からの落ち葉が 窓枠の真下まで降り積もっている。 歩くたびにひざまでめり込む。 |
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鎌の刃 錆び付いた鎌の刃が刺してある。 何を意味しているのだろう? あまり気持ちの良いものでは無い。 |
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台所 建物内部に潜入。 台所である。 割れた窓から落ち葉が吹き込み石で出来たシンクに溜まる。 薪を使ったであろう釜がこの物件の古さを物語る。 |
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階段 当然、2階部分から潜入したので、1階に下りる。 かなりの残留物が残り散乱している。 乗り越えるのも一苦労だ。 |
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1階 1階にも台所が有る。 規模が大きいところから厨房だった所かもしれない。 食器棚の中にはかなり良い状態で食器が残る。 左側には飯盒も見える。 |
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厨房 雑多な品物が散乱している。 どれも歴史を感じさせる物ばかりだ。 窓の向こうに店舗部分が見えるが、 置いてある家具類が邪魔をしてドアが開かない。 |
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黒板 住人の中に子供が居たのだろうか? ひよこのシールが貼られた黒板に チョークで稚拙な字や絵が描かれている。 数を数える練習用のボールには 上半分に埃が積もっている。 |
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2階店舗 1階の店舗部分の潜入は諦め。 再度2階へ上がる。 日の光を浴び店内は明るい。 しかし、窓枠をはじめ床面までが歪んでいる。 この建物もあと何年もつのだろう? |
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2階店舗その2 広い間取りになっていて宴会場として 使われていたようだ。 窓には三日月と満月(太陽)があしらわれている。 |
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階段その2 1階の店舗部分へ降りる階段。 木の板で塞がれていて、ここからも1階店舗へ 潜入することは出来ない。 木箱の中には戦前の教科書などが詰め込まれていた。 |
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木箱 赤字で「シャープラジオ」 黒字で「早川電気工業株式会社」と書かれている。 シャープのロゴが古い!! この中にも様々な本が詰め込まれていた。 |
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2階店舗その3 パイプ椅子、洗濯機、明治アイスのショーケース、 店で使われていたであろう様々な物が積み重ね られている。 軋む床がいつ抜けるかもしれない恐怖を感じさせる。 |
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神棚 デザイン的には仏壇に近い。 さすがに御神体はなくなっているが、左の柱に お札は残されたままだ。 |
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部屋1の1 店舗部分では感じなかった嫌な感じ・・・。 ここに来るまでの廊下から始まる。 壊れた雨戸の隙間から光が差し込む。 薄暗い・・・。 |
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部屋1の2 洋服が綺麗に吊り下げてある。 まるで住人が住んでいる所へ潜入してしまったようだ。 しかし、廊下に積もった埃がそれを否定する。 |
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時計 当然、動いてはいない・・・。 しかし、今にも「ボーン、ボーン」と鳴り出しそうだ。 |
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机 様々な残留物が残されている。 机の上にも溜まった埃。 それが無ければ、さっきまで使っていたようだ。 |
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引き出し小 モノクロの女優さんの写真が残されいる。 その他にもロッテのグリーンガム、花の種、コンパス等が 残されている。 異様な空気に、脂汗が浮き出る・・・。 |
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引き出し大 こちらは若かりし頃の天地まり。 ペンのセット、中学生用計算尺、そしてEP盤、 昭和47年のPTA名簿・・・。 どんな人が暮らしていたのか見当もつかない。 後ろを振り返ってみるが何もいない・・・。 |
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部屋2の1 次は隣の部屋を探索してみる。 裸電球がさがる部屋に黒人ミュージシャンの ポスター。ペナント、愛車だったバイクの ナンバープレートが飾られている。 比較的、若い方が住んでいたのだろう・・・。 あれ!!押入れの中になんか謎の物体が?? |
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押入れ拡大 ちなみに探索の最中は全く気が付かなかった。 って言うよりも、早く撤収したくてまともに見ていない。 ただ、がむしゃらにデジカメのシャッターを押しただけ状態。 これは一体何なのだろう? 狐の面のように見える・・・。 |
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部屋2の2 この部屋はほぼ真暗。 しかし、何でこれほどまでに物が残っているのだろう? 当時、布団や服などはは財産として扱われていたので 普通置き去りにするとは考えられない。 |
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人形 どんな廃墟においても、基本的に人形(ヒトガタ)との 出会いは気持ちの良いものでは無い。 まして、こんな異様な空気を漂わせる廃墟においては なおさらだ・・・。 まさか「物」意外に「者」が残っているのだろうか? そんな非科学的な想像を打ち消す・・・。 ぶっちゃけ怖い!!とにかくマッハで撤収だ!! |
(後書)
いやーー、しかし、この感覚はいったい何なのだろう?外に出た途端一気に緊張から解き放たれ全身が疲労感に襲われる。ちなみにこの物件は「廃墟の歩き方2」潜入篇(11月中旬発売予定)の取材で訪れたのだが、同行したイーストプレス社のM氏も青ざめた顔をしていてろくに写真も撮らなかったそうだ。ちなみにそのやばい感覚に関しては廃墟内部で全くお互いに話していない。そっち方面の人達はこの感覚を「心霊」がなんたらかんやらと言うのでは無いだろうか?チョット信じそう(笑)。