廃虚探索ファイル 物件No.40「○山電気製作所」 千葉県

「サイロの墓場」

 日本中に7つの営業所と3つの工場を持つ企業の1工場の廃虚。社名は電気製作所となっていますが、末期にはFRP(強化プラスチック)の製品を作製販売する、会社になっていたようです。3階建の寮、食堂、バー?を含む棟、2階建事務所&工場棟、工場のみの棟、倉庫棟と美味しい見所が一杯です。しかも、1987年に閉鎖し廃虚年齢13年(探索当時)と廃虚的にいい感じの経過年数の上に、保存状態良好のためかなり貴重な優良物件となっています。
 約1年後前を通りかかりましたが、建物等はそのまま改修して利用し、別の会社として復活していました。なので、廃虚としては残念ながらもう存在しません。久しぶりの更新なので、33枚の画像をアップしました。

道沿いの建物

3階建です。
この他に工場2棟と事務所棟(1つの工場とつながっている)
と倉庫があります。
警告文

倒産物件です。
右側の斜めになった小さい張り紙は「差し押さえ」の表示です。
この大きな表示のお陰で、この物件を偶然発見できました。
道沿い建物の裏側

斜面というか、段差に建造されているので、この位置からの
1階が、道沿いから見て2階、同2階が3階に相当します。
表の2階=裏の1階

という訳で、裏から1階に潜入。
社員食堂のようです。
厨房内のカウンターから見た光景です。
突き当たりに黒板があるので、会議室としても使われたので
しょうか?
12時ジャストに時計が止まっているのもナイスです。
厨房内部

プラスチックのお盆や食器、大きな釜(右奥)や各種
調理器具がそのまま残されています。
社員がここを去った時は、何時か復活する事を信じて
いたのかもしれません。
地下1階(表の1階)への階段

懐中電灯(この頃はまだマグライト)に灯を入れて下ります。
しかし、いくら沢山の廃虚を探索しても、暗い中へ降りていく
のは緊張します。
静寂の中に響く、自分の足音さえ得体の知れない音のような
錯覚に捕われます。
カウンター

何故か、高級クラブの様な、バーカウンターが有ります。
棚には何も残ってい無いもののリザーブしたお酒を置いておく
棚にそっくりですよね??
高級クラブ??

全くもってなんでこんな作りなのかさっぱり解りません??
社長を始めとした重役や工場長がここで素敵な会議を
夜な夜な行っていたのでしょうか??
だったら廃虚になった理由に決定!!(笑)。
2階(正面3階)

3枚目の画像の外階段から登ります。
社員寮のようで左に数部屋の個室が有ります。
外国の労働者が住み込んでいたらしく、廊下に張られた
注意書きに英語と??語の表記も有りました。
部屋1

2部屋あるかなり広い部屋です。
この部屋に1人でしたら、なかなかの待遇です。
私もこの工場で働きたいです。
でも倒産したから無理ですね(笑)。
各部屋に備え付けられていた、
家具や布団がここに集められて様です。
ポスター

なんだか古いアイドルのポスターが襖に貼られています。
当時は古いアイドルではなかったのでしょうね。
私はおじさんなので、誰が誰だかさっぱりわかりません。
でも、きっとアイドルには違いないと思います。
だって、襖に貼るぐらいですから・・・。
部屋2

この画像に覚えがある方・・・。
実は廃虚Hazardに使ったのと同じ部屋の画像です。
この数分後に不法に住んでいる住人が帰ってきても
おかしくない状態です!!
しかし、エロ本だらけ・・・。
廃虚でオ○ニーはウシロさんの専売特許かと思っていたのに(笑)。
(笑)ってる場合ではないです!!怖いので外に撤収します。
トイレ

こんな所にもエロ本が!!
ここには、エロ漫画が多いです。
家では読めない厨房がここでこすっていたのでしょうか??
部屋の本とはジャンルが大分違いますので、同一人物では
ないでしょう。
お風呂

廊下の突き当たりに有りました。
お風呂は各部屋に無いので、ここ1箇所で共同です。
部屋が広い割には、お風呂は普通です。
工場中庭

かつて活気に溢れていたであろう空間には、アスファルトの隙間から
雑草が生い茂り、製品が何点かの製品が放置してあります。
見難いですが、左が単一の工場で、右が事務所とくっついた工場
です。
両工場の間には道がありくっついてはいません。
謎の製品

全く素人目には用途不明です。
(後に片鱗が見えます)
中が見える蓋のようなものでしょうか??
アクリルとステンレススチールで作られたこの物体・・・。
13年の月日を感じさせないほど、綺麗です。
今後の廃虚はこういった味の無い素材で作られた物件が
多くなるのかもしれません・・・。
左側の工場

2枚上の画像で言う、左側の工場内部です。
機械類などが全く有りません。
天井にはわかりにくいですが、クレーンのレールが這っています。
同工場物置

化学溶剤や塗料などが山積されています。
ってことは、こちらの工場は主に、形の出来上がった製品を
塗装したり、乾燥させたりする工場のようです。
同工場事務所

こんな感じで、本当に全くといってよいほど荒らされていません。
破壊は勿論、落書きも皆無です。
同工場休憩室

当時の面影を残したまま、乱雑に色々なのもが散乱しています。
作業員達の憩いの場で有った事が、灰皿に残る吸殻から
感じ取る事が出来ます。
左の窓からは工場の内部が見えます。
事務所&右工場

「工場中庭」の画像で言う所の右工場です。
真ん中にの鉄柱から左が2階建「事務所」で右が「右工場」です。
まずは、事務所から探索してみます。
事務所内部

玄関を入ってすぐの位置から撮影しました。
「業務」所謂現場でのブルーカラー部門です。
しかし、乱雑にはなっているものの見事なまでに色々残っています。
右の並びは「営業」の机が並んでいます。
事務所内部2

パーテイションで仕切られているところから、管理職クラスの机かと
推測されます。
位置的におそらく営業課長とか・・・??
しつこいですが、私物以外は全て残っています。
事務所内部3

「設計」のスペースです。
製図版や色々な資料が残っています。
しかしへたな現役の会社より整理整頓されていますね(笑)。
右工場入口

シャッターも下ろされないまま、工場の入口が開いています。
壁のグレー、扉の錆びたブラウン・・・。
そして、雑草のグリーン!!
廃虚的に萌え萌え三原色が存在しています。
右工場内部

大きな「安全第一」の標語。
天井の明り取り窓から差し込む光。
工場のなかの工場廃墟です!!
こっちには、プラスチックを溶かす「炉」があったので、製品を成型
する工場だったのでは?と推測されます。
つまりここで形作られた製品を、左工場で塗装って感じです。
右工場内部2

あーー!!なんか工場の廃虚って感じですね!!
工場廃虚のモデルルームみたいな(笑)。
だって、ドラム缶に壊れた壁、時計にカレンダー・・・。
まるで作ったみたいですよ。
製品写真

って言うわけで、ここで作っていた製品の正体がわかりました。
小型のFRP製のサイロです。
念のためにサイロとは、牧牛などの餌になる、牧草を蓄えておく
倉庫のようなものです。天井から草を積めて下から取り出す構造
になっています。
製品現物

こちらはFRPのジェットバスです。
皆さんもラブホとかでお世話になった方も多いのでは??
最初見たときボートかと思いました(嘘)。
色々作ってたんですね・・・。
でも、全然電気製作じゃないやん・・・。
サイロの墓場

各種サイロが立ち並び、幾つかは転がっています。
製品見本として展示してあったスペースだと思います。
植物に覆われ、敷地内でも最深部にある場所・・・。
まるでサイロの墓場の様でした。
巨大消火器

やはり有機溶剤やプラスチック原料を扱う工場なので、
火気には細心の注意を払っていたようです。
これだけ大きな消火器(高さ約2m)は始めてみました!!
工場でもし火事が発生した場合も安心ですね。

っていうかオブジェです(笑)。
サイロと蔦

自画自賛で悪いのですが、この写真かっこ良くないですか?
なんか上手くトリミングしたら「廃虚遊戯」とか「漂流」って感じ。
5万枚に1枚ぐらい偶然こんな感じのが取れるんですよ(笑)。
そろそろ写真集でも出すかな・・・。
「廃虚冒険」とか名づけて。
嘘です、ごめんなさいちょっと調子に乗りました!!

(後記)適当に房総半島の内陸部を、探索していて偶然発見した廃虚です。
年齢が行っている方はピンと来ると思いますが「像の墓場」って昔良く言われましたよね??(像が死ぬ時に行く滝の裏側にあって、象牙が一杯落ちていて発見すると大金持ち!!みたいな伝説)なんかそれを発見した気分でした。しかし、大金持ちにはならないのが悲しい・・・。廃虚フリークは勿論のこと心霊系にも全く認知されていない物件でした。ネット上で探すのも良いですが、こういった素晴らしい廃虚を発見できた時は、かなり嬉しいです。みなさんも是非探してみて下さい。そんで見つかった時は、私に連絡してください。どうかよろしく!!←勝手なやつ