物件No.34 「ホテル 栄屋」 千葉県 (廃墟カタログ3ページ)

「許されざる恐怖」

 千葉県内の方より館山の廃墟情報を頂き、その物件を探しに行く途中発見した、食堂&旅館の廃墟です。
この日は早朝に家を出発して、自己新記録1日に13件の廃墟を発見しました。実際、ネタになる物件は6件程度ですが・・・。
 後日、ここを再訪しましたが、丁度1枚目の写真の場所にプレハブの工事事務所のようなものが建っていて、潜入できませんでした。もしかすると、もう取り壊されてしまったかもしれません(未確認)。
 でも、内心潜入できなかった事が、嬉しい感じもしました・・・。複数の恐怖の入り混じったこの建物のへ・・・。理由は本編で!!
「温故知新」のぴぴさん、リクエスト物件です。

道路側1階、海側3階

海沿いの崖に建造されているため、道路側からは1階で
海側からは3階に相当します。
道路側の1階は、食堂です。画像の入口を入ると、
ホテルのフロントが有ります。
道路側地下2階、海側1階

撮影位置から、すぐ後はもう海です。
見ての通り、海、ホテル、道、山といった感じの
ロケーションの中に、この物件は有ります。
食堂内部

ほとんど荒らされた形跡が無く、オリジナルのまま
時間だけが、経過したような状態です。
でも、何故か工事用の建材や道具が保管されています。
メニュー

今の、相場から考えるとかなり安いです。
残念ながら、廃墟年齢の特定できる資料は
発見できませんでした・・・。
多分10年前後だと思いますが。
厨房

これまた、最高の状態を、保っています。
保存状態に限っていえば、Sランクです。
食器や調味料が当時の活気を物語っています。
食堂内部2

あまりに保存状態が良いのでもう1枚。
「明治 パイゲンC」の冷蔵庫が懐かしいです。
私も幼少の頃、母親に連れられ銭湯に行ったとき、
帰りに1本買ってもらいました。
いまでいう、ヤクルトみたいな感じの飲料です。
もう2度と、戻る事の出来ない、平凡な日常が、
かけがえの無い日々で有った事を「廃墟の空気」が
語りかけてくれました・・・。
海沿いの廊下

外は、すぐに海です。
潮風で曇ってしまったガラスごしに、
波の音が心地よく響きます。
階段

階下へ向かう途中の階段に、私の大好きな本が、
散乱しています。
しかし、廃墟でのエロ本遭遇率80%です・・・。
耳をすますと、下でかすかな物音が??
地下1階廊下

ここに来て、物音の正体がわかりました!!
なんと、船虫の大群!!
「船虫への恐怖」と「廃墟への興味」が心の中で
格闘します!!
51対49で、ぎりぎり「廃墟」の勝ち・・・。
ですが、足はすくむは、手は震えるはで、もう大変です。
全体的に、じめじめしています。
だからこそ、やつらの巣窟のなっているのですが。
部屋1

オーシャン?ビューの部屋です。
現役時代は、決して悪くは無い感じでしょう。
ガラスや布団が散乱しています。
多分、布団の下には・・・。
考えたくも有りません。
部屋2

この部屋も、なにやら散乱しています。
窓が締め切られていて、真っ暗です。
懐中電灯で照らすと、暗闇に真っ白な日本人形が!!
怖いよ!!でも船虫に比べれば・・・。
部屋3

窓際に、布団が敷いてあり、靴がきちんと置いてあります。
もしかして、誰かが・・・。という恐怖が頭をよぎります。
とりあえず、食べ物や飲み物の製造年月日や、賞味期限
を調べます。
幸い、2年ぐらい前のものでした。
海を見ながら、眠れるなんんて、なんかいい暮らしですね。
部屋4

ここも凄い!!写真ではわかりにくいかも知れませんが、
左下に、通帳やキャッシュカード、運転免許まで・・・。
免許証を調べると、有効期限が3年前に切れていました。
なんと、住所欄に「護衛艦○○」本籍が九州の某県・・・。
おそらく、海自からの脱走兵が暫くここで、暮らしていたの
でしょう・・・。土地柄ですね。
部屋5

ここにも暮らしの跡が・・・。
しかし、数年前は、船虫の巣窟では無く、ホームレスの
巣窟だったようです・・・。
この部屋を使用していた方は、綺麗好きのようですね。
部屋6

ここは、客室では無く、ホテルの経営者の部屋のようです。
賞状が2枚飾ってあり。構造が違っていました。
許されざる恐怖

私の十数年間に及ぶ「廃墟探訪」の中でもベスト3に入る
恐怖です。
部屋の中に散乱した、ゴミを何気なく見てみると・・・。
プラスチックの容器があり、その中に大量の船虫の死骸が・・・。
この行為にいったいどうゆう意味が有るのか??
また、この行為を行った人物とこの空間で対峙した時、
私は無事にここを出る事が出来るのか??
サイコ系の恐怖が、私に襲い掛かります・・・。
(あまりにも気持ち悪い画像なので、モザイクをかけてあります。
オリジナルを見たい方は、画面をクリックして下さい。でも本当に
見ないほうが良いですよ!!)
地下2階ロビー

所謂、ロビーに相当する場所のようです。
風向きの影響なのでしょうか、ここを含め全体的に南側の、
状態がかなり悪いようです。
宴会上

かなり広い宴会場がありました。
地下2階部分は、海側の1階に相当する為、窓が全て塞がれて
いる為に真っ暗です。
お風呂

ここのドアにも、船虫がいっぱい・・・。
隣の女性用の風呂も見ようとしましたが、もううんざりです。
早く、地上に帰りたい・・・。
廃公衆電話

やっと、地上に生還しました!!
かんぐりさんの所の公衆電話の方がかっこいいですね。
ここには、あのいまいましい虫はいません。
湿って淀んだ空気の代わりの、爽やかな潮風が心地よいです。
ほっとしながら、タバコに火をつけ大きく吸い込みます。
平凡な日常に戻って来ました・・・。
そして、この時間が何時か、かけがえの無い時間に変わり
それを、探しに廃墟を求めて彷徨い続けるのかもしれません。