取り壊し特別公開 物件No.19 「竹平寮」 東京
「伝説から伝説へ」

 皆さん、当掲示板や他の廃墟系の掲示板でご存知かと思いますが、いよいよ九段の「竹平寮」(竹平アパート)が、取り壊されてしまいました。そんな訳で、急遽特別公開いたします。
 私が、この物件の存在を知ったのは、数年前まだ、ネットもやっていない時代、故池田貴族氏の心霊の本でした、文庫本サイズの本でしたが、氏の著書には、略地図が記載されている上に、数枚のモノクロながらも、写真が載っているため、当時は何箇所か探し当てる事が出来ました。特にこの物件は九段で、首都高が写真に写っていたために、容易に発見できました。特に、首都高の上から、発見した時は、オーラが出ているようでした。
 廃墟として扱っては居ますが、実際は住人がいたため、実際の廃墟であった期間は、2〜3ヶ月に過ぎません。内部に潜入するメリットが少なく、外観の撮影で十分楽しめ、また、都会のど真ん中であるため、アクセスもしやすく、治安も良いため、廃墟初心者や女性には、お勧め物件だったのでそういう意味でも残念です。
戦前から数十年、存在し続け色々な伝説を生み出し続けた「竹平」・・・。本当の伝説になってしまいました・・・。

「首都高側全景」

首都高の下のお堀?だか川?の橋から撮影。
左の高層ビルがなければ、時代を錯覚してしまいます。
水際の条件も満たしています。
「立て看板」

廃墟フリークには、有名な「関東財務局」
ここでびびったら、廃墟フリークが泣きます。
「銀行側からの全景」

上の写真の看板が、どこに置いてあったかが、わかると思います。
柵の内側だけが、流れ行く時間に逆行しているようです。
「中庭」

後のビルが無ければ、ジャングルの中の「遺跡」のようです。
都心のど真ん中で、これだけ緑に囲まれて暮らすのは、もしかしたら最高に贅沢なのかもしれません。
後ろに聳え立つ、巨大なビルがまるで、合成のように見えます。
「棟を見上げて」

半分が、蔦に覆われてしまった建物。
廃墟フリークにとっては、最高の状態ですね。
「同上」

こちらは、蔦100%バージョンです。
ここまで、蔦に覆われろと、美しさを感じてしまいます。
人工の建築物と、自然の植物が、見事なまでの調和を醸し出しています。
人間の手が入らなければ、人工物であった(過去形!!)建造物も、自然の1部として、ガイアに溶け込める見本のような気がします・・・。
「同上」

こちらは、蔦50%バージョンです。
時間と自然だけが、演出できる、素晴らしい彩りです・・・。
「同上」

南国テイストの木と、2ショット。
上の写真と比べると、全く別の表情をしています。
でも、似合っているかも!!
「同上」

既に、使用されていない棟です。
人間の進入を拒むように、草木が生い茂っています。
早朝の、静けさの中でここが、本当に東京の都心なのか?
と、錯覚してしまいます。
「玄関部」

最盛期には、この中庭にも子供たちの声が、響き渡っていた事でしょう。
今は、時折、塀の向こうを走る車の音と、鳥の声しか聞こえません・・・。
真夏の光が、深緑の影を創り出していました。
「玄関灯」

カバーは、無くなってしまったのでしょうか??
再び明かりが灯ることのないままに、この不思議な空間の中に存在しています。
「玄関の扉」

錆びた鉄の扉の割れたガラスに、銀色の鎖が巻かれ、南京錠がかけてあります。
この扉の中には、歴史や思い出が閉じ込められているのでしょうか?
「住所のプレート」

本来でしたら、モザイクをかけるのですが、既に存在しないので必要ありませんね。
「内部の郵便受」

1列に6世帯、入っているようです。
既に、名札は取り払われていて、取れかけたガムテープと、錆びが、
この列から、住人がいなくなって、かなりの時間が経過している事を感じさせます。
「部屋のドア」

木で出来た、名糖の牛乳箱が時代を感じさせます。
ドアにもしっかり南京錠が施錠されていました。
「電気メーター」

中の電気メーター本体は新しいのですが、ケースはかなりの年代ものです。
壁と天井の境目の処理がかっこいいですね!!
「丸窓」

丸窓を内側から見た画像です。
当時は、かなりモダンな作りだったのでしょう!!
とにかく、アルミや、ステンレスを使ってないので、全てが錆びまくりです。
現代の建物が廃墟になったとしても、これほどの良い色は出せないでしょう。
「階段」

屋上から3階に降る、階段です。
屋上の割れた窓から、たくさんの落ち葉が舞い込んでいました。
注)外見を撮影したのは、夏で、内部を撮影したのは初冬です。
「鉢植」

世話をしてくれる、住人も居なくなってかろうじて生きている植物達です。
きっと、美しい花を咲かせ、持ち主だった人を喜ばせていたのでしょう。
今は、その意味も無くして、生きているゴミと化しています。
「振り返って」

皇居側から撮った全景です。
ここのところ、色々な有名物件が取り壊されていくように思えます。
その中でも、この物件ほど歴史の長い物件はありませんでした。
私たち、廃墟フリークに出きる事は、画像として保存するぐらいです・・・。

でも、竹平寮は沢山の人の心の中で、いまでも建ちつづけているでしょう・・・。