物件No.78「謎の山寺」 千葉県

「暗闇と静寂そして忘却」

 千葉県の町と町をつなぐ山道に「それ」は有りました、かなり以前から発見していたのですが、なかなか探索できるチャンスに恵まれず、今回やっと訪問する事ができました。実は内部に潜入するまで「これ」が廃寺とは気が付かず、ただの廃屋だと思っていました。まさに知らぬが仏ですね・・・。1人で行ったので廃寺と気づいた特にはチョット怖かったです・・・。
 全然話は変わるのですが、10年前ぐらいに、隊員0号と京王線の聖蹟桜ヶ丘の「聖跡いろは」を登りきった住宅地の真ん中あたりに「巨大廃寺」に行った事があったのですが、現在もあるのでしょうか??公道から境内に向かう道端には、顔の溶けかかった「地蔵」が数体並んでいて、ブレーカーを見た限りでは昭和30年代で電気の供給が止まったような感じで、大正時代の位牌が並んでいて、結構凄かったのを覚えています。情報お待ちしています。
今回は「北海道の建物」の成瀬さんからのリクエストです。完成したのを見てみたら「心霊」みたいなデザインになってしまいました(笑)。

外観

どう見たって「山寺」には見えませんね。
至って普通の廃屋です。
昭和20〜30年ごろの建物っぽいです。
今回全部の画像がそうですが、かなり暗かったので、明るく補正しています。
秤??

年代物の秤が外に放置して有りました。
樽も古くていい感じを醸し出しています。
左の物は消防のホースのようです。
消防車

なんと小型の手押し消防車です!!
こんなかっこいい物久しぶりに見ました。
博物館級だと思うのですが・・・。

紅白のヘルメットがかっこいいです。
灯篭

何故か、庭に巨大な灯篭のようなものが・・・。
この段階で、この建物が何かを認識できなかった自分に呆れます。
かなり、見難いのですが、赤い丸の中に、凄く素敵なものが3つばかり写っています。
オリジナルサイズ(100k程度)をご希望の方はメールか掲示板にて連絡下さい。
廊下

古い造りの家特有の廊下です。
ちなみに私的にはこの構造の廊下って大好きです。
多分、父方の田舎の本家がこんな構造だからでしょうか?
しかし、その家も今では、建て替えられてしまい、現存しません。
突き当たりのドアはご存知「厠」です。
部屋

ここもパッと見には、ただの和室です。
部屋の真ん中に何故かほうきが落っこちていました。
薬師如来

下の木枠にも菊の花が彫って有ります。
やっとここでこの物件が寺だという事に気づきます・・・。
仏壇

お寺の場合「仏壇」と言う表現が正しいかは不明ですが、
ここにご本尊が祭られているのでしょうか??
上の薬師如来はこの真上に有ります。
危うく「豪華葬式の跡」と間違えるところでした・・・。
あっ!!でもお寺だから、もしかして檀家の方達が葬式も行うのかな?
裏口

小さいながらもステンレス製の洗面台が・・・。
裸電球の方がこの建物のはあっていますね。
食器ダンス

色々な食器や調味料が整然と並んでいます。
調味料等は全て期限が数年前で切れていました・・・。
檀家の方達は何処へ行ってしまったのでしょうか?
押入れ

木箱の中には、袈裟みたいな物や、寺のイベントの使用するグッツが
綺麗にしまって有りました・・・。
謎の青シート

さすがにこれは大きすぎて中を確認できませんでした。
一体何が入っていたのでしょう??
廃墟では、少し謎を残しておくのも良いかもしれません。
釣鐘

なんと縁側部分の軒下に「鐘」がぶら下がっていました!!
一応お寺としての機能は最低限確保していそうな感じです。
庭のお墓

中庭に相当する部分にお墓が数基並んでいました。
かなり年季が入っているため「字」等は全く判別できませんでした。
もうここにお参りにくる子孫はいないようです・・・。
このまま時代の中に忘れ去られ、そして元の自然へと同化していくのでしょうか?
何かが!!

更に山の斜面の小道を50m位上っていきます。
奥に何かが・・・??なんと無数の墓石が・・・。
わかりにくいですが中央部にも沢山有ります!!
庭に有った墓石より更に年代物のようです。
表面が完全に風化しています・・・。
もしかしたらこの時代のものは「土葬」かも知れません。
心なしか地面が軟らかい様な・・・。
これ以上進む事は出来ません・・・。

本当の意味で自然に還ってゆく・・・。
宗教に興味が無いのでわかりませんが、
もしかしたらこれが最高の人間としての最後の姿なのかもしれません・・・。