その他のサッカーメニューはこちらです。 | |
6月13日 ポルトガル代表対ギリシャ代表 | 1−2 |
6月14日 フランス代表対イングランド代表 | 2−1 |
6月15日 デンマーク代表対イタリア代表 | 0−0 |
6月18日 イングランド代表対スイス代表 | 3−0 |
6月20日 オランダ代表対チェコ代表 | 2−3 |
6月26日 フランス代表対ギリシャ代表 | 0−1 |
6月27日 スウェーデン代表対オランダ代表 | 0−0 (PK4−5) |
7月2日 ギリシャ代表対チェコ代表 | 1−0 |
6月13日 ポルトガル代表対ギリシャ代表 | 1−2 |
いよいよEURO2004の開幕です。戦前では攻めるポルトガルに守るギリシャといったところです。ところが、前半開始から引いてくると見られていたギリシャが前線から積極的に仕掛けてきます。もちろん、ポルトガルも負けじとギアを上げてきますが、ぎこちない動きが目立ちます。予想外の展開となり、前半7分、ギリシャのカラグニスがボールを持ち、前にはギリシャFWのブリーザスが走り込みます。ポルトガルのDFは3人揃っていましたがブリーザスがオフサイドの位置にいましたので、プレッシャーが甘くなりました。そこを見逃さず、カラグニスが思いっきり振りぬいたミドルシュートはポルトガルGKリカルドの手に弾かれるもののゴールに吸い込まれます。完全に不注意な失点でした。それと同時に、ポルトガルにとっては絶対に許してはいけない失点でした。先制点を許したことによって危機感が生まれたのかポルトガルの攻撃が激しくなります。特にフィーゴは右に左に動きドリブルで仕掛けます。しかし、ギリシャはよく守りました。本当にギリシャはよく研究しているのが分かります。この辺りから、地力に勝るポルトガルが押し始めます。ここは、戦前の予想どうりの展開になりますが、先制点を取ったギリシャにしてみれば上出来でしょう。ほとんどのボールをポルトガルに支配されますが、何とか凌ぎきります。また、機を見てカウンターを仕掛けるなどギリシャにしてみれば理想通りの展開でしょう。もっとも、ポルトガルの圧力は凄まじく、前半終了時にはギリシャはぼろぼろになっていました。
後半に入ってどうしても点の欲しいポルトガルは大黒柱のルイ・コスタに代えデコ、シモンに代えC・ロナウドを入れてきます。しかし、ギリシャがポルトガルのミスからカウンターに繋げ、ペナルティエリアに入ったギリシャのイタリディスをポルトガルのC・ロナウドが倒しPKを与えてしまいました。それをバシナスがきっちり決めます。後半6分でした。この後ポルトガルはヌーノ・ゴメスを入れ点を取りに行きますが、ことごとくギリシャに防がれてしまいます。もうポルトガルは個人技以外なく、焦りからか最後のプレーの精度が欠けます。結局ロスタイムに左CK、フィーゴのキックから、C・ロナウドが頭で決めますが、時はすでに遅くそのまま試合終了。ギリシャは大金星。ポルトガルにしてみれば、信じられない敗北でしょう。
いきなりの波乱となりました。ギリシャにしてみれば、守ると思わせて、試合開始早々勝負を仕掛け、その勢いのまま先制点を奪いました。大分荒っぽいプレーもありましたが。一方、ポルトガルにしてみれば、不意打ちをくらい、修正する前に取り返しのつかないことになってしまったといったところでしょう。間違いなく強いのはポルトガルですが勝ったのはギリシャです。やはり、「サッカー」とは何が起こるかわかりません。いきなりの優勝候補の敗北で面白くなってきました。、、、とはいえポルトガルは好きなチームなんで、波乱は他でやって欲しかったところですが。
6月14日 フランス代表対イングランド代表 | 2−1 |
前回覇者のフランスの初戦です。相手は強豪イングランド。今回の予選リーグ屈指の名カードです。前半はお互いにかなり引いているため、落ち着いた展開でした。やはり、初戦ということで慎重に行きたいのかお互いのDFラインが深いため中盤である程度ボールは持てますが、膠着した局面が続きます。その中、やはり個々の能力に優れるフランスがボールを持ち始めます。とはいえ、シュートは打つものの、決定的場面は作れません。逆に前半38分、ほとんどチャンスを作れなかったイングランドは右サイドのベッカムのFKから、ランパードが頭で決めてまさかの先制点。フランスは攻めにでますが、そのまま前半終了。予想外の展開です。
後半開始からフランスの積極的な攻撃が始まります。アンリも前半とは違い少し引いてから前線に出るなど変化を付けてきました。フランスは圧倒的にボールを支配します。ですが、完全に守りを固めているイングランドを崩せません。これはフランスにも原因がありました。技術のある選手にありがちなボールを足元で貰いたがったり、キープ力に自信があるため囲まれるまでボールを出そうとし無かったりと個人技に走りチームとして連動性に欠けています。先日のポルトガル戦のような、高い技術を持つ強いチームの負けパターンといえます。イングランドにしてみれば、非常に守りやすく、また、カウンターを仕掛けやすい理想的な展開になりました。しかし、イングランドは本当に分かりやすいカウンターを仕掛けます。とりあえず、前に、前にとはっきり言って古臭いカウンターですが、堅い守備をベースにし、足の速いFWを揃えている為かなり厄介ですね。後半28分にイングランドのルーニーがカウンターから2対2の場面を作り倒されてPKを得ます。ベッカムのPKはフランスGKバルデスに弾かれますが、フランスは悪い流れを変えられません。このまま終了かと思いきや、ロスタイムでドラマがありました。イングランドのへスキーがファウルしフランスにFKを与えます。場所はわずかにペナルティエリア右といったところ。ジダンはこれを直接ゴール左に叩き込みます。完全に逆を突かれたGKジェームズは反応できません。これで同点。すぐ後、イングランドのジェラードのミスボールに反応したアンリをGKジェームズはたまらず倒しPK。このプレッシャーのかかる場面でジダンは冷静にゴール左にPKを決めます。凄まじい精神力です。そして、試合終了。最後にフランスは帳尻を合わせました。
イングランドにとってはベッカムがPKを外した事が非常に悔やまれます。完全に勝ちパターンでした。結局最後にはフランスの個の力に押し切られてしまったといえるでしょう。一方勝ったフランスも課題は山積みです。個の力がチームとして活きていないこと。最後になんとか勝ちましたが、完全に負け試合でした。たとえば、ピレスを左サイドに置いて、アンリを生かす「アーセナル」でやっている様にするなどの修正が必要でしょう。とにかくチームとして手を加えないと厳しいですね。2点目のPKを決めたジダンは笑顔を見せなかったことが記憶に残りました。
6月15日 デンマーク代表対イタリア代表 | 0−0 |
優勝候補の一角、鉄壁のDF陣と豪華なFWを抱えるイタリア代表の初戦です。対するは北欧の雄デンマーク。イタリアはエンジンのかかりが遅いチームですし、デンマークは決して侮れないチームです。順当に行けばイタリア有利ですが、どうなるでしょうか。
前半は静かな幕開けといえるかもしれません。とはいえ、デンマークは攻めるのですが、イタリアはそれに付き合わず、自陣に篭もります。デンマークは外が駄目なら中、中が駄目なら外といった風によく攻め立てますがイタリアのDF陣にペナルティエリア内で仕事をさせてもらえません。イタリアは三人のFW、ヴィエリ、トッティ、デルピエロにボールを放り込むだけの中盤無視のサッカーです。確かにこの3人であれば、何とかしてしまいそうですが、デンマークはチームとしての運動量で封じ込みます。結局イタリアの攻撃らしい攻撃は前半12分の遠目からのトッテイのFKと前半44分のデルピエロ、トッティの立て続けのシュート位で見所無く終わってしまいました。
後半に入りさすがにイタリアは多少は攻めてきます。立て続けにヴィエリやカモラネージのヘッドがデンマークゴールを脅かしますが、今日当たっているデンマークGKソーレンセンのファインプレーに阻まれます。デンマークは逆襲に転じトマソン決定機を迎えますが今度はイタリアGKブッフォンに阻まれてしまいました。続くイェンセンのシュートも足で防ぎます。今度はイタリアがトッテイを中心に攻めだしますが、ゴールは割れず、試合終了。結局スコアレスドローで終わりました。いかにも「イタリアらしい試合」です。とはいえ、デンマークのスピードのある攻撃は見ごたえがありました。イタリアの真価はこれからでしょう、とはいえ、もう少し攻撃的に行かないとせっかくの豪華攻撃陣がもったいないことになりそうです。まぁ監督が監督なんでやっぱり難しいんでしょうね。
6月18日 イングランド代表対スイス代表 | 3−0 |
ロスタイムに逆転されたイングランドとフランス戦を控えるスイス。どちらも今日の勝ち点3を譲るわけにはいきません。前半開始早々仕掛けてきたのはスイスです。イングランドはかなり押し込まれてしまいます。しかし、その中前半23分、イングランドのジェラードが右サイドにボールを持ち込み、突破は無理と見てベッカムに折り返します。ベッカムはペナルティ左にいるオーウェンにクロスで繋げました。オーウェンはまるで計ったようなセンタリングをゴール中央に送り、ルーニーは見事に頭で決めます。これはEURO最年少ゴールだそうです。この1点がイングランドに落ち着きを与えました。スイスはボールを持てるもののペナルティエリアに侵入出来ず、ミドルシュートを打つしかなくなります。このまま前半は終わりました。
後半に入っても流れは変わらず、スイスはペナルティエリアに入れません。そして、後半15分スイスのハースが2枚目のイエローで退場になると、余計にイングランドの守備が堅くなります。さらには、今日不調だったオーウェンに代わり入ったハッセルが左にパス、ルーニーは躊躇わずシュートし、ポストに当たるもののゴールにねじ込みました。これでいけいけのイングランドはしっかり守備をしつつ後半37分、右サイドでベッカムが溜めをつくり、アシュリー・コールがベッカムから受けたボールをゴール前に流し込みます。それをジェラードがダイレクトできっちり流し込み3点目。勝負は着きました。そのままスイスは見せ場無く終了です。
スイスはこれでほぼ、予選落ちでしょう。完全にイングランドの術中にはまりました。イングランドにしてみれば、絶対に落とせない試合を最高の形で終えました。次に勝ってきっちり、決勝進出を決めたいところでしょう。その点、オーウェンの不調は気に掛かるところですね。もっともルーニーの得点と守備の安定といい条件がありますので、予選突破はほぼ見えてきたといえるでしょう。
予選最大のカードかもしれません。オランダ対チェコの試合です。序盤から激しい展開になりました。いきなり、チェコはコラーのシュートが惜しくも枠外に出ます。しかし、この激しい試合はここから始まりました。すぐ後の前半4分ロッベンのFKをボウマが頭で合わせまず1点。19分にもダービッツのスルーパスが左サイドを切り裂き追いついたロッベンが中央に折り返します。フリーで待っていたファン・ニステルローイがきっちり決め2点目。チェコも黙ってはいません。23分バロシュがコクーのミスパスを奪い、ゴール前に持ち込みます。オランダDFが引きついたところをコラーにパス。コラーは落ち着いて決めました。この後もダービッツのシュートがポストに当たるなど惜しいシーンが続きます。非常に見所のある前半でした。
後半も撃ち合うスリリングな展開。両チームとも決定的なチャンスを迎えてもなかなか決められませんでした。後半26分、左サイドを駆け上がったネドベドが中央に折り返し、それをコラーは胸で後ろにいるバロシュがボレーシュートでゴールに突き刺します。これで、同点。その後の1歩も引かない両チームでしたが、後半30分にヘイティンガが今日2枚目のイエローで退場。とはいえ、時間的にもこのまま終わるかと思ったところ後半44分、右サイドから、中央に切れ込んだバロシュがハインツにパス。すかさず、ハインツはミドルシュートを放ち、ファン・デル・サールが弾いたところを詰めていたシュミチェルがゴールに叩き込みます。ついにチェコは逆転し、試合はそのまま終了しました。
非常に面白い試合です。両チームとも完成度の高いチームでした。オランダも退場者が出ていなければ結果は違ったかも知れません。これでチェコは予選勝ち抜けですが、オランダはかなり厳しいことに。いいチームなので予選落ちは回避して欲しいです。
6月26日 フランス代表対ギリシャ代表 | 0−1 |
さて、優勝候補筆頭に上げられながら予選では不調だったフランス。対するはポルトガル、スペインの2強と言われていたグループを勝ち抜いたギリシャの対戦です。
前半早々、ギリシャはポルトガル戦で見せた積極的な仕掛けを見せます。しかし、さすがにフランスはそう簡単にはゴールを割らせません。だんだんとフランスがボールを持つようになりますが、足元でばかり貰いたがり、スペースを突く動きも無く、チームとしてまったく機能していないためボールを前に出せず、横パスだけになり脅威とはなっていませんでした。逆に本来カウンター主体のギリシャの方が危険な攻撃を見せていました。フランスは前線の4人。アンリ、トレゼゲ、ピレス、ジダンの出来が最悪でまったく動けていません。そのまま見せ場も無く終了です。
後半に入りさすがにフランスが攻めますが、ボールは持てるもののチームとして動きが無い点は変わらず、スペースをうまく消すギリシャ相手にはゴールを割ることは出来ません。後半20分、前掛りになっていたフランスの右サイドを突破したザゴラキスが、ゴール前中央に強い意志を込めたボールを撃ち込み、そのボールをフリーで走り込んでいたカリステアスがヘッドでゴールに叩き込みました。強烈な一撃です。この後、フランスはやっと選手交代をして流れを変えようとしますが、後の祭り。チャンスはあったものの決められず、試合終了。フランスのEURO連覇の夢は潰えました。
大波乱ではあったものの試合内容ではギリシャの勝ちは順当でしょう。うまくスペースを消し、カウンターの際の攻撃は破壊力がありました。それに引き換えフランスはボールを足元でばかり貰いたがり、動こうともせず、チームとして形を成していません。予選はともかく、決勝トーナメントでは本領発揮かと思われましたが相も代わらずの受身サッカーで今日の敗戦は当然の結果と言えます。親善試合ではともかく、真剣勝負の場では、どんなに能力があっても、コンディションが良く、チームとして動けないと勝てないと言うのは証明されました。もう名前で勝てる時代では無くなって来ていますね。日本サッカー協会もこの件は認識してるのでしょうか?気になるところです。
6月27日 スウェーデン代表対オランダ代表 | 0−0 (PK4−5) |
両チームとも攻撃力のあるチーム同士の対戦です。非常に楽しみなカードです。
前半はお互いに攻撃的に行きます。しかし、撃ち合いの展開になるとオランダがやはり上手です。2列目3列目と次から次えと前線に絡んできます。とはいえ、スウェーデンはしっかり守って、チャンスと見るや攻めに転じます。しかし、両チームともゴールを割れず、後半を迎えました。
後半に入ってもオランダの有利の展開は変わりません。しかし、スウェーデンの屈強なDF陣の前に、1トップですといかに、ファン・ニステルローイでもやはり厳しい。ロベッンは何度も左サイドを崩し、ゴール前にチャンスを供給しますが、この日のオランダはと言いますか、両チームともポストに嫌われていました。オランダは後半42分にやっとマカーイを入れますが、時遅し、そのまま延長に入りました。
延長に入っても両チームともよく動きお互いに決定機を迎えるものの今日はとことんポストに嫌われるか、キーパーが良く防ぎPKに移ります。お互いに1本外し、スウェーデンの6人目メルベリのシュートをこの日当たっているファン・デル・サールが止め、オランダはロッベンがきっちり決め試合終了。ゴールこそ無かったものの密度の濃い試合でした。
それにしてもオランダは采配に難ありですね。交代があまりにも遅くおかしい。今日は何とか勝てましたが。スウェーデンは負けたとはいえ、いいチームでした。1人1人が良く走り決して諦めない姿勢は非常に好感が持てました。
7月2日 ギリシャ代表対チェコ代表 | 1−0 |
準決勝第2戦。優勝候補のチェコと堅い守備からのカウンターを武器に勝ち上がってきたギリシャ。チェコ有利が戦前の予想ですが、ギリシャは決して侮っていいチームではありません。
前半は攻守の切り替えの早い展開です。さっそく、チェコが2本惜しいシュートを放ちますが、決まらず、膠着状態に陥ります。チェコはギリシャが破ってきたフランスの様な「足元でボールを待つチーム」ではありません。サイドや真ん中の空いているスペースをガンガン突いてくる非常に掴みづらいチームです。しかし、そんなチェコの攻撃をギリシャはよく守り自由にやらせません。とはいえ、危険な攻めはほとんど出来ませんが。前半41分にはチェコの要、ネドベドが接触プレーで負傷退場。そのまま前半終了です。チェコにしてみれば、ギリシャのような曲者に勝つには早い段階での先制点が有効なだけに悔やまれる前半でした。
後半に入ってもチェコはギリシャの厳しいプレスに基点を作ることが出来ません。なんとかギリシャの厳しい網をかいくぐっても最後のシュートの精度を欠き枠を捉え切れません。後半20分過ぎから連戦の疲れか、ゲームプラン通りのいかない苛立ちか、チェコの足が止まりだしました。チェコのサッカーに運動量は必須でそれが無くなると押し上げも出来ず、プレスも当然掛からなくなる。こうなるとギリシャのペースに。シンプルなカウンターだけにまだギリシャには余力があります。とはいえ、このまま後半終了。延長戦へ入ります。
延長戦はいきなり、ギリシャペース。立て続けにチェコゴールに迫ります。チェコも負けじと攻めますが、ギリシャに渡ったペースを取り戻すことは出来ません。延長前半ロスタイムに右CKからカーブの掛かったボールをギリシャDFデラスが頭で流し込んで勝負あり。決勝のチケットを手にしました。
ギリシャのサッカーは決して見ていて楽しいサッカーではありませんが、親善試合のような1試合ならばともかく、大きな大会での連戦では非常に有効ですね。やるべきことがはっきりしてる分選手達に迷いが無い。好きなサッカーではありませんが、「強い」事も事実です。一方チェコは前半早々にあった2つのチャンスに決めていれば、と言うところでしょう。もともと運動量で勝負するタイプだけに早めに勝負を決めておきたい。攻撃にリズムがあるように守備にもリズムがありますので、序盤をしのいだギリシャに「この試合は行ける」と思わせてしまったのが敗因でしょう。好きなチームだけに残念です。とはいえ、次は決勝戦でありながら、開幕戦と同じカード。こういうこともあるんですね。楽しみです。