コーヒー(珈琲)の1人あたりの消費量が最も多いのはルクセンブルクを除くとフィンランド、スウェーデンなどの北欧諸国である。これに次いでオーストリアなどのヨーロッパ諸国やカナダが多くなっている。ルクセンブルクがコーヒー、ぶどう酒の消費量世界一なのは夜間人口が昼間人口に対して少ないからという側面が大きい(図録4540のコラム参照)。

 ヨーロッパの中では英国、アイルランド、オランダが例外的に消費量が少ない。これはこの3か国国は紅茶の消費量がヨーロッパの中で例外的に多いことと対応している(図録0476)。

 熱帯地方やアジア諸国では概してコーヒーの消費量は少ない。アジアの中でコーヒーの消費量が例外的に多いのは日本とラオスである。熱帯地域の中ではコスタリカの消費量が例外的に多い。

 エチオピア原産のコーヒーが飲酒を禁じられたアラビア半島人によって受け入れられ酩酊飲料として発達したという歴史がある。植物種としてのアラビアコーヒー、コーヒーの淹れ方としてのトルココーヒー、「昔アラブの偉いお坊さんが」ではじまるコーヒールンバの歌詞などコーヒーといえば中東のイメージが強いのもそのせいであろう。

 したがって中東諸国でコーヒーの消費量が多いかというとそうではない。イスラム圏の中東・北アフリカ諸国はアルジェリアを除いてコーヒー消費量が少なく、これと対応して、お茶の消費量が多くなっている。19世紀における英国による安価なお茶の供給の影響もあって、これらの諸国の主たる嗜好飲料は今ではコーヒーでなくお茶にかわっているのである。そして、例外だったアルジェリアのお茶の消費量は中東・北アフリカ中では少なくなっているのである(図録0476参照)。

 イスラム圏におけるアルジェリアの例はヨーロッパにおける英国の例とともにお茶とコーヒーが代替財であることを端的に示している。

 なお、コーヒーといえばカフェインであるが、参考までに、コーヒーのほか紅茶、煎茶、ウーロン茶、コーラ飲料、エナジードリンクに含まれるカフェインの量のグラフを以下に掲げておいた。やはり、一部のドリンク剤を除くとコーヒーのカフェイン含有量は他より多いようだ。こうした資料は2015年末に九州地方の20代男性が眠気覚ましをうたうカフェイン飲料を継続的に飲んで中毒死する事故があって関心が高まったからである。

 カフェイン摂取量の基準については、日本では1日の摂取許容量は設定されておらず、清涼飲料水の表示義務はない。「内閣府の食品安全委員会によると、海外機関が目安として勧告しているのは、健康な成人で1日当たり400ミリグラム(マグカップのコーヒー3杯分)、4〜6歳の子どもでは同45ミリグラム(350ミリリットルのコーラ飲料1缶)。風邪薬や眠気防止などの医薬品では、1回200ミリグラムで1日500ミリグラムが上限。国内販売のエナジードリンクは多くても200ミリグラム程度だが、海外では300ミリグラム近いものもある。急性作用としてめまいや心拍数の増加、震え、不眠症、下痢、吐き気などが知られている」(東京新聞2015年12月21日夕刊)。



 なお、棒グラフで取り上げた対象国は51カ国。1人当たりの消費量の多い順に、ルクセンブルク、フィンランド、スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、オーストリア、カナダ、アイスランド、スイス、コスタリカ、スロベニア、ドイツ、スロバキア、ラオス、フランス、イタリア、ギリシャ、ベルギー、エストニア、オーストラリア、ポルトガル、米国、イスラエル、スペイン、チェコ、日本、ニュージーランド、アルジェリア、香港、ブラジル、アイルランド、英国、サウジアラビア、オランダ、ポーランド、ロシア、フィリピン、韓国、南アフリカ、アルゼンチン、台湾、メキシコ、インドネシア、ハンガリー、トルコ、タイ、チリ、マレーシア、中国、ベトナム、インドである。

(2016年1月15日収録、1月18日カフェイン摂取量について情報追加)


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