森林面積の比率と森林の成長量の何割が伐採利用されているかの利用率を国際比較したグラフを掲げた。

 対象はOECD30カ国、すなわち、森林面積比率の高い順に、フィンランド、スウェーデン、日本、韓国、カナダ、オーストリア、スロバキア、ノルウェー、ポルトガル、ニュージーランド、ルクセンブルク、チェコ、メキシコ、スペイン、米国、フランス、スイス、ドイツ、ポーランド、トルコ、イタリア、ギリシャ、ベルギー、オーストラリア、ハンガリー、デンマーク、英国、オランダ、アイルランド、アイスランドである。

 日本の森林面積比率は、約7割と、フィンランド、スウェーデンに次いで高い。米国、ドイツ、フランスといった主要国は約3割である。またデンマーク、英国、オランダ、アイルランドといったヨーロッパの島国、沿海国では約1割前後と森林が非常に少ない。

 一方、森林の毎年の成長量に占める伐採利用量の比率を見てみると、日本は0.4、約4割と非常に低い。OECD諸国の中でこの利用率が日本より低いのは、韓国0.1、メキシコ0.2だけである。

 地球環境の観点からは、太陽エネルギーを転換し、CO2を吸収する国内の森林成長量をバイオマスとして有効に利用することが望まれている。木造建物、室内部材としての木材利用といった材料利用の促進の他、間伐材チップを使った熱効率の良いストーブや製紙企業での木材チップを利用したコジェネ、またバイオディーゼル、エタノール混合ガソリンなどのバイオマス・エネルギーへの取り組みがはじまっている。

 海外からの輸入木材の利用でも同じことだとする見方に対しては、輸送に化石燃料エネルギーを消費する点、安価な輸入材が国内の林業経営を圧迫し適正な森林利用をゆがめている点の他、輸入木材・チップ等には持続可能な森林経営を阻害する違法伐採によるものが多く含まれている実態をあげなければならない。違法伐採は、ロシア等の北方材、及びインドネシア等の南方材の双方で行われているが、現行の国際的な貿易秩序をなすWTOルールでは、なお、環境配慮は従属的な位置しか与えられていないため、疑わしい違法伐採木材の輸入禁止を環境に配慮して国が行おうとしても、貿易阻害の隠れ蓑にすぎないとして簡単には認められないのが現状である。

 なお、増田悦佐「奇跡の日本史―「花づな列島」の恵みを言祝ぐ」PHP研究所(2010年)は、この図を引用し、かつて文明の中心だったギリシャをはじめとしてヨーロッパで経済的繁栄を謳歌したベルギー、オランダ、英国、ハンガリー、ドイツ、イタリアといった諸国では森林比率がいずれも低い点について「つまり、ヨーロッパでは他民族による支配に隷属することも森林を破壊したが、経済的成功も森林を破壊したのだ。」といっている。

(2005年7月20日収録、2010年12月20日増田氏引用)


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