我が国世帯の世帯人数(世帯員数)の規模は大きく縮小してきた。この点を厚生労働省の「国民生活基礎調査」の平均世帯人数や世帯員数別の世帯数の年次データで見てみよう。

 平均世帯人数は1953年の5.00人から減少を続け、2016年には2.47人と半分を下回っている。世帯員数の縮小は戦後の日本社会の最大の変化といってよいだろう。

 平均世帯人数の減少のテンポはいくつかの段階で異なっている。それぞれの時期の社会変化の状況を反映していると考えられる。高齢者世帯を除いた平均世帯人数の動きで見た方が社会変化の時期区分はより鮮明となっている。

@ 高度成長期、1973年のオイルショックまでの減少のテンポは極めて著しかった。次に、オイルショックから1985年頃までは、ほぼ横ばいの傾向だった。
A バブル期(1980年代後半と1997年頃まで)は、高度成長期ほどではないが平均世帯人数の減少が目立っていた(経済的なバブル期は1990年頃までだが、社会的なバブル期は1997年頃までと考えられる。右関連図録リスト「バブル期」参照)。
B その後、高齢者世帯を除くと、平均世帯人数の横ばいの時期が続いた(1990年代後半〜2000年代前半)。
C 2000年代後半以降は、再度、平均世帯人数の減少が目立ってきている。

 次に世帯員数別の動きである。最も多い世帯員数規模は1964年までは「6人以上」だったが、1965年から1991年までは「4人」となった。1992年以降は基本的に「2人」の最多が続いている(97年のみ1人が最多)。

 1985年までは、6人以上世帯のみ減少し、その他の世帯員数の世帯はいずれも増加傾向にあったが、この年を境に、4人以上世帯の減少と3人以下世帯の増加という対照的な動きとなった。

 近年については、単身世帯(1人世帯)の増加が注目されるが、1人世帯より2人世帯の増加の方が目立っている。また、増え続けてきた3人世帯が最近横ばいに転じているようである。

 世帯員数別の動きを3つ目の図では世帯員数別世帯数の構成比のグラフであらわしている。こちらを見ると世帯人数規模の縮小過程の時期区分がより明解である。

 1973年のオイルショックまでの高度成長期の特徴は、6人以上世帯の割合が急減した点にある。それまでは3世代世帯も珍しくなく、子どもの数も多かったのであるが、この時期に、夫婦と子どもからなる「核家族化」が進展し、子どもの数も少なくなった状況をあらわしている。

 その後、バブル期に入ろうとする1985年までは、4人世帯の割合が大きく拡大した時期である。夫婦と子ども2人の世帯が「標準世帯」として意識されるようになった時期である。

 バブル期以降の特徴は、4人世帯の割合が縮小し、むしろ、1人世帯や2人世帯の割合が大きく拡大し始めた点にある。ただし、これらは高齢者世帯のシェア拡大によって大きく影響されている。高齢単身世帯を除く1人世帯は、むしろ、近年、縮小気味である。若年人口の比率の縮小や独身層の親との同居率の上昇(図録2420参照)に対応している動きと考えられる。高齢夫婦世帯を除く2人世帯はバブル期にはややシェアが拡大したが、最近はほぼ横ばいの動きである。

 要約すると、6人以上の大家族、あるいは標準世帯が中心の時代から、世帯パターンにこれといった多数派モデルのない「多様化」の時代に入ったといえよう。子ども1人〜2人の夫婦世帯、多様な2人世帯(子どもなしの夫婦世帯、母子・父子世帯、及び近年増えている高齢夫婦世帯)、そして単身世帯(若年単身世帯と近年増えている高齢単身世帯)がそれぞれ存在感を強めているのである。

 なお、この2番目のグラフと同じ描き方で、世界各国の世帯員数別の世帯数割合をしめしたグラフを図録1189に掲げたので参照されたい。また、高齢者の単身世帯割合の推移の各国比較を図録1308に掲げているのでこちらも参照されたい。

 最後に、上掲の世帯員数別世帯数構成比の推移は、あくまで世帯数の構成なので実際の人口の割合にはなっていない。世帯員数別の世帯の人口ウエイトの推移を見るため以下に世帯員数別世帯員数構成比の推移を掲げた。1人世帯(単身世帯)は文字通り1人しかいないので人口比ではなおやっと1割を越えた程度だという点は抑えておく必要があるかもしれない。


(2016年6月7日収録、2017年6月14日更新、6月28日更新、8月14日平均世帯人数を別図、高齢世帯推移付記)


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分野 人口・高齢化
テーマ バブル期
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