若い世代と高齢世代の住宅事情の1側面として各世代の住宅スペースの広さをグラフにした。

 ワンルームマンションやアパートに住む若年単身世帯の1人当たり住宅延べ面積(玄関、台所、浴室なども含む住居用の床面積)は45uである。

 結婚した夫婦の世帯も1人当たりは44uとほぼ同一である。2人世帯なので結婚したては88uとなり、家族向け1戸建て住宅・マンションに住んだ夫婦には結構なスペースが確保されている(データ上は母子家庭などの2人世帯も含まれた値である点に注意)。

 子どもが生まれて3人世帯になると1人当たりは34uと少なくなり、さらに4人世帯になると27uとぐっと手狭になる。

 5人以上ではほぼ25uと変わらない。1人当たり面積の限界がこのあたりにあると考えることもできる。つまり住宅が広くなくては子どもを3人以上にしたり、3世代家族を収容することは難しいということを示している。

 家族の年齢が高くなり、子どもが独立し、高齢の親が残った住宅では再度1人当たりのスペースは広くなる。高齢夫婦世帯では55u、高齢単身世帯では82uである。親との同居が少なくなっている傾向については図録2414参照。

 現在の高齢世帯は息子が大都市に流出したあとの地方の農家世帯である場合も含まれる。すなわち大都市と地方の差が影響している可能性がある。そこで、大都市圏の代表として東京都、地方圏の代表として島根県を取り上げて、世代別の1人当たり住宅スペースを計算してみると、両者で全体的なスペースの大小はあるが、それぞれの地域で若年世帯と高齢世帯の住宅スペース格差が存在していることが分かる。

 高齢世帯のスペースの余裕を若い世代の1人当たりの手狭さの解消に何とか利用できないかという考えが当然生まれる。世帯人数に変化に対応した住み替えを促す中古住宅流通、面積変化を伴うリフォーム、高齢者のスペースの一部を若い者に貸す方法、高齢者の広い住宅を若い者に貸して自分は住み替える方法などが考えられる。

 なお、参考までに人数別世帯の実態を知るため、世帯人数(統計は親族人数)の世界類型構成の図を以下に示す。2人世帯には夫婦世帯ばかりでなく母子世帯など親一人子一人の世帯を多く含む点、5人以上世帯になると夫婦の親の世代との同居世帯が多い点などが目立っている。


(2008年9月8日収録)


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