ホスピスや緩和ケアについて研究している財団による意識調査の結果から「自分の死」についての意識を図示した。

 設問は14の項目について、そう思うか、そう思わないかをきいている。

 そう思うが最も多かったのは「私の死は生命の自然な姿である」であり、79.0%がそう思うと答えている(実際の設問における「そう思う」31.5%、「まあそう思う」47.5%という結果の合計)。

 逆に、そう思わないが最も多かったのは「私は、死んでも生まれ変わることができる」であり、そう思うは30.3%とそう思わないの69.7%の半分以下だった。

 報告書によれば、複数の変数の関連性を調べる因子分析で、14の項目がどんな要因に整理できるかを重要度の順に調べると第1因子は「死後の世界がある」ともいうべき項目と関連の深いものだったという。

 次の第2因子としては「死とはただ消え去ること」ともいうべき項目群であり、さらに第3、第4因子としてはそれぞれ「死は怖い」、「死は考えない」ともいうべき項目群であった。

 こうした項目群(分野)別に回答結果を概観すると、自分の死については、有が無になるという「ただ消え去ること」という意識が7割前後で最も多く、「考えない」という意識が5割台、「怖い」という意識が4〜5割、そして「死後の世界がある」という意識が3〜4割で「そう思わない」を下回っていた。

 日本人は「死後の世界」が存在するとは余り思っていない点で世界の中でも目立っており(図録9520参照)、また、宗教についても死後の世界を意味づけるものとは考えていない(図録9518参照)。

 この図録で取り上げた調査を他国で行えば、異なる結果になっていた可能性が高いといえよう。

 分野ごとの回答傾向を属性別に見た結果を下図に掲げた。

 男女別には、「死は怖い」は男性の方が多く、「死後の世界がある」は女性の方が多いという特徴がある。

 年齢別には、おおむね、いずれの分野についても、死に対する関心が20代から30〜40代にかけて最も高まり、その後、50代で最も関心が薄れた後、再度、70代へと歳を重ねると関心が高まっていく傾向が認められる。

 その中で、「死とはただ消え去ること」という意識は、実際に死に近づく60代、70代に至って、若い世代より大きく高まっていく点が目立っている。

 信仰する宗教の有無別には、「死は怖い」や「死後の世界がある」について、信仰がない者より信仰がある者の方が肯定的である点が目立っている。宗教を信じているから「死後の世界がある」と思えるのであろうが、「死は怖い」については、逆に、そうだから宗教を信じることになるということかも知れない。

 宗教別は回答数が少ないから参考までに掲げたが、仏教ではキリスト教や神道と比べ余り死について考えないようである。


(2018年5月29日収録) 


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