母親に子どもの世話を頼めるため、母親と同居、あるいは近居している方が、子どもを多くもてると言われることがある。実際、それを示すデータがあるのであろうか。

 厚生労働省管轄の社会保障・人口問題研究所ではほぼ5年おきに「出生動向基本調査(夫婦調査)」を実施しているが、この中で結婚15〜19年目の夫婦がこれまでに生んだ子ども数を調べている。この数を調査時点での母親(夫または妻の)との同居・近居・別居状態別に集計したデータを図に示した。

 生んだ子どもの数は全体に低下する傾向にあるが(いわゆる少子化の傾向にあるが)、その中で、母親と同居の状況別には、同居>近居>別居の順に子どもが多い傾向が認められる。

 同居していると母親に家事や子どもの世話を頼めるので、母親が働きながらでも、子どもをゼロより1人、1人より2人育てられるから、こうした傾向があらわれている可能性があろう。

 逆に、子どもが多いとどうしても母親に頼らざるを得ないので、母親と同居、近居する傾向となるのかもしれない。因果関係の矢印は反対かもしれないのである。調査時点であって子どもが生まれた時点の状況別の子ども数ではなく調査時点でもデータなので、その可能性もあるのである。

 いずれにせよ、母親と同居している夫婦の方が子どもが多いことだけは確かであるようだ。

 実際に母親と同居・近居・別居している夫婦の構成比の推移を2番目の図に掲げた(親との同居の長期推移は図録2414参照)。

 母親との同居は減少する傾向にあるが、その分、近居が増加しており、別居している夫婦はほぼ横ばいの状況にある。

 夫婦の子どもの数は母親と同居でも近居でも余り変わらなくなっており、母親や夫婦の両方にとって、同居より近居の方が都合がよい状況になりつつあるといえるのかもしれない。

(2017年8月16日収録) 


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