このほど簡易生命表に基づく2010年の日本の平均寿命が発表された。男は過去最長を更新、女は前年より値を下げた。男性はカタール、香港、スイスに次ぎ世界第4位、女は26年連続世界第1位であった。女性の平均寿命が下がるのは05年以来5年ぶりで、猛暑、熱中症の影響が指摘されている。

 図録1600では寿命の伸びの長期推移の対米比較を掲げたが、ここでは戦後の平均寿命の推移を主要先進国と比較した。ここで先進国とは、日本の他、カナダ、米国、フランス、イタリア、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、英国、アイスランドの合計10カ国である。

 1950年代には主要先進国中、最低だった日本の平均寿命が、1970年代〜80年代には総て抜き去り、世界一に躍り出ている。誠に戦後日本の誇るべき実績であると実感できるデータである。医学の進歩の影響はいずれの国でも享受していると思われるので、この輝かしい実績の主たる要因としては、国民皆保険制度の普及、日本的食生活の2つをあげることが可能であろう。財政問題に端を発している医療制度改革の取り組みがこうした実績を崩さないまま成果をあげられるかどうかが問われている。

 毎年の平均寿命は毎年の年齢別死亡率から算出されるため、毎年の災害の発生等に影響される。長期上昇傾向にもかかわらず平均寿命が落ち込んだ近年の事例を掲げると以下の通りである。

1995年 阪神・淡路大震災、インフルエンザの流行
1998年 自殺率の急上昇(男の平均寿命低下)
1999年 肺炎の影響
2005年 インフルエンザ、自殺増の影響
2010年 熱中症死亡増加(女の平均寿命低下)

(2005年7月25日収録、7月29日追加修正、2006年7月26日、2007年3月1日・7月27日更新、2008年7月31日更新、2009年7月19日更新、2010年7月26日更新、2011年7月28日更新)

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