1.最近の動向

@2012年の動向

  このほど簡易生命表に基づく2012年の日本の平均寿命が発表された。男女とも前年より上昇し、男は過去最高となり、女は世界一の座を奪回した。

 毎日新聞(2013.7.25)は以下のように報じている。

「厚生労働省は25日、2012年の日本人の平均寿命を公表した。男性は79.94歳(11年79.44歳)、女性は86.41歳(同85.90歳)で男女とも前年を上回った。女性は10年以来2年ぶりに「世界一」へ返り咲き、男性は過去最高を更新した。厚労省は「まだ延びる可能性がある」とみている。

 平均寿命は、その年に生まれた0歳児が平均で何年生きるかを予測したもの。女性は85年から26年間連続世界一だったが、11年は東日本大震災の影響で香港に1位を譲り、2位となった。12年は自殺者の減少もあって女性は0.51歳伸び、0.4歳短くなった香港を抜いた。女性の過去最高は09年の86.44歳で、12年は過去2番目に高い。一方、12年の男性世界一はアイスランドの80.8歳だが、日本の男性も80歳超え目前となった。」

A2011年の動向

 このほど簡易生命表に基づく2011年の日本の平均寿命が発表された。男女とも2年連続で低下し、女世界一の座も明け渡した。

 毎日新聞(2012.7.26)は以下のように報じている。

「厚生労働省は26日、2011年の日本人の平均寿命について、男性は79.44歳(10年79.55歳)、女性は85.90歳(10年86.30歳)だったと公表した。初めて男女とも2年連続で下がり、女性は85年から26年間守ってきた「世界一」の座を香港(11年86.7歳)に明け渡して2位となった。男性も前年の4位から8位に下がった。厚労省は「東日本大震災が大きく影響した」と分析している。香港は男性(11年80.5歳)も世界一だった。

 日本女性は前年より0.40歳「短命」になった格好。震災の影響がなければ86.24歳で、11年の実績値より0.34歳延びていた。それでも10年を下回り、香港には及ばない。20歳代の自殺の増加も影響しているという。

 一方、前年比0.11歳短くなった男性だが、厚労省は震災の影響がなければ0.26歳高い79.70歳で、例年並みの世界5位になっていたとみている。」

 なお、香港については、国立長寿医療研究センターの安藤富士子客員研究員は「中国全土から社会的、経済的に余裕のある人が集中していており、平均寿命にはバイアス(偏向)があるとみるべきだ」と指摘した(東京新聞2012.7.27)。

 図に掲げた国との比較では、なお女性は世界一だが、男性はアイスランド、スウェーデンに抜かれている。東日本大震災は短期要因なので来年以降は再度従来の地位を取り戻す可能性が高い。

2.長期推移

 図録1600では寿命の伸びの長期推移の対米比較を掲げたが、ここでは戦後の平均寿命の推移を主要先進国と比較した。ここで先進国とは、日本の他、カナダ、米国、フランス、イタリア、オランダ、ノルウェー、スウェーデン、英国、アイスランドの合計10カ国である。

 1950年代には主要先進国中、最低だった日本の平均寿命が、1970年代〜80年代には総て抜き去り、世界一に躍り出ている。誠に戦後日本の誇るべき実績であると実感できるデータである。医学の進歩の影響はいずれの国でも享受していると思われるので、この輝かしい実績の主たる要因としては、国民皆保険制度の普及、日本的食生活の2つをあげることが可能であろう。財政問題に端を発している医療制度改革の取り組みがこうした実績を崩さないまま成果をあげられるかどうかが問われている。

3.短期変動要因

 毎年の平均寿命は毎年の年齢別死亡率から算出されるため、毎年の災害の発生等に影響される。長期上昇傾向にもかかわらず平均寿命が落ち込んだ近年の事例を掲げると以下の通りである。

1995年 阪神・淡路大震災、インフルエンザの流行
1998年 自殺率の急上昇(男の平均寿命低下)
1999年 肺炎の影響
2005年 インフルエンザ、自殺増の影響
2010年 熱中症死亡増加(女の平均寿命低下)
2011年 東日本大震災による死亡者数増加、20歳代女性自殺増加

(2005年7月25日収録、7月29日追加修正、2006年7月26日、2007年3月1日・7月27日更新、2008年7月31日更新、2009年7月19日更新、2010年7月26日更新、2011年7月28日更新、2012年7月27日更新、7月28日'60〜'10年データ資料変更、2013年7月25日更新)

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