2008年4月から長寿医療制度(後期高齢者医療制度)が導入され、75歳以上の高齢者の医療費の伸びの抑制と高齢者医療の充実へ向け、75歳以上の高齢者に対して独自の診療報酬体系が付加されるとともに、保険料1割、公費5割、他の健康保険からの支援4割という財源による独自の医療保険制度が適用された(その後民主党政権はこの医療制度の見直しを公約したが、これと明確に異なる制度への変更は行われていない)。

 ここでは、国際アンケートによって高齢者の健康状態と医療サービスを受ける頻度について各国を比較した。比較対象国は米国、フランス、ドイツ、韓国、スウェーデンの5カ国である(フランスのみは2005年調査結果)。高齢者医療の国際比較としては、図録1860も参照されたい。

 健康状態については、日本は65.4%が「健康である」と回答しており、スウェーデンを除くと最も高い。ドイツなどは「健康である」が33.5%と日本の半分である。勿論、ドイツの場合、日本より健康に対する意識が高く、少しでも具合が悪いと「健康である」と回答しないのかも知れない。医学的な客観指標ではないことに注意が必要であるが、逆に、健康であると思っていればそれは健康なのだという見方も出来る。

 このように日本の高齢者は健康状態が相対的に良好であるが、「月1回以上医療サービスを受けている」者の比率は、61.6%ともっとも高い。

 スウェーデンは健康だと考える高齢者が一番多いのに、月1回以上医療サービスを受けている高齢者は最も少ない。日本とスウェーデンは非常に対照的な2国である。

 日本の高齢者は、早め、早めに病院に行くので、健康を維持できているとみることもできるし、高齢者は不必要に病院に行くことが多いので無駄であるともみることができる。両方の要素があるのでどちらか一方を過剰に強調する見方は片寄っているといえる。

 日本の平均寿命は世界一レベルである(図録1620)が、日本の医療費は相対的に低い(図録1900)。健康保険の普及など高齢者が病院に行きやすい環境がこうした良好な医療のパーフォーマンス(図録1640)を生んでいると見るのが妥当であるとはいえる。

(2008年4月21日収録、2011年6月9日更新) 


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