毎年OECDは加盟各国の医療費の対GDP比率を発表しており、これが医療費の上昇に歯止めをかけたい各国の関心を引くところとなっている。最新の結果を図にした。

 OECDデータは国ごとの違いを一定程度補正した数字である。日本の国民医療費と比較すると、非処方薬、公衆衛生費、施設管理運営費、研究開発費を含んだ総医療費概念を採用しており、日本の国民医療費とは必ずしも一致しない。

 世界の中では米国が17.4%と突出している。医療の大きな目標の1つは死亡率の改善であるが、米国の平均寿命は決して高い水準にはなく、米国の医療は高度医療では世界をリードしているが平均的な国民のニーズには応えていない、また医療保険制度が不備であるとして、世界から懐疑の目で見られている。(世界各国の平均寿命については図録1620参照)

 日本は34カ国中24位の8.5%である。一方平均寿命は世界一であり、米国とは逆に世界一効率的な医療が行われていると一般に見なされている。ただし、2009年はリーマンショック後の世界不況でGDPの伸びがマイナスになった国が多く、そのため急には減少しない医療費の対GDP比は大きく上昇した国が多い。日本は2008年のデータなのでその分、値が低く出ている面がある。日本の国民医療費の対国民所得比は2008年に比して1.098と伸びており、この伸び率を図の8.5%に掛けると9.3%となり第20位のスロベニアと同順位となる。

 なお、日本の場合、対GDP比のうち公的保険や財政負担に係る公的負担が6.9%である。米国、チリ、メキシコでは私的負担の割合が半分を超えている点が目立っている。

 医療費の規模は高齢化の進捗度とリンクしているため、医療費水準をより正しく評価するためには高齢化比率との相関をみる必要がある。この点の分析は図録1900を参照されたい。

 医療費の効果を平均寿命との相関から見た分析は図録1640参照。

 対象国34カ国を医療費の対GDP比の大きい順に並べると、米国、オランダ、フランス、ドイツ、デンマーク、カナダ、スイス、オーストリア、ベルギー、ニュージーランド、ポルトガル、スウェーデン、英国、アイスランド、ギリシャ、ノルウェー、アイルランド、イタリア、スペイン、スロベニア、フィンランド、スロバキア、オーストラリア、日本、チリ、チェコ、イスラエル、ルクセンブルク、ハンガリー、ポーランド、エストニア、韓国、メキシコ、トルコである。

(2005年6月16日収録、2007年7月20日更新、2008年3月11日更新−2007june22データから2007Oct7データに更新のためルクセンブルクが日本より下になり日本の順位は22位から21位へ変更、2008年7月1日更新、2009年7月15日更新、2010年6月30日更新、2011年7月14日更新)

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関連図録
1620 世界の平均寿命ランキング(149カ国比較)
1640 医療費と平均寿命(OECD諸国)
1900 高齢化とともに高まる医療費(各国比較)
1930 医師数・看護師数の国際比較
2270 家計消費の国際比較
2798 社会保障給付費の国際比較(OECD諸国)
5100 租税負担と社会保障負担の推移(各国)
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