毎年OECDは加盟各国の医療費の対GDP比率を発表しており、これが医療費の上昇に歯止めをかけたい各国の関心を引くところとなっている。最新の結果を図にした。医療費の一部の医薬品費については図録1905参照。

 OECDデータは国ごとの違いを一定程度補正した数字である。日本の国民医療費と比較すると、非処方薬、公衆衛生費、施設管理運営費、介護費を含んだ経常医療費概念を採用しており、日本の国民医療費とは必ずしも一致しない(この点は図録1900参照)。

 世界の中では米国が16.9%と突出している。医療の大きな目標の1つは死亡率の改善であるが、米国の平均寿命は決して高い水準にはなく、米国の医療は高度医療では世界をリードしているが平均的な国民のニーズには応えていない、また医療保険制度が不備であるとして、世界から懐疑の目で見られている。(世界各国の平均寿命については図録1620参照)

 日本は35カ国中3位の11.2%である。一方平均寿命は世界一であり、米国とは逆に世界一効率的な医療が行われていると一般に見なされている。

 日本の順位については、"OECD Health Data 2014"では10位、"OECD Health Data 2015"では8位であったので、急に順位が上昇している。これは、定義の変更やデータ見直しの影響である。図録1900で見たとおり、高齢化の進展度合いからすれば日本の医療費は決して高くないのだが、医療費の水準そのものは世界の中で高い部類に入ることとなったのである。

 なお、日本の場合、対GDP比のうち公的保険や財政負担に係る公的負担が9.5%である。米国では私的負担の割合が半分を超えている点が目立っている。その他、英語圏諸国やスイス、韓国なのでも公的負担が比較的小さい点が日本とは対照的である。

 2015年の更新からパートナー諸国の値も参考値として掲載した。パートナー諸国では、公的支出の割合が低い国が多い点が目立っている。

 医療費の規模は高齢化の進捗度とリンクしているため、医療費水準をより正しく評価するためには高齢化比率との相関をみる必要がある。この点の分析は繰り返しになるが図録1900を参照されたい。

 医療費の効果を平均寿命との相関から見た分析は図録1640参照。

 OECD35カ国を医療費の対GDP比の大きい順に並べると、米国、スイス、日本、ドイツ、スウェーデン、フランス、オランダ、デンマーク、ベルギー、オーストリア、カナダ、ノルウェー、英国、フィンランド、ニュージーランド、アイルランド、オーストラリア、イタリア、スペイン、ポルトガル、アイスランド、スロベニア、ギリシャ、チリ、チェコ、イスラエル、韓国、ルクセンブルク、ハンガリー、スロバキア、ポーランド、エストニア、メキシコ、ラトビア、トルコ、さらにパートナー諸国9カ国は、コスタリカ、南アフリカ、コロンビア、リトアニア、ブラジル、ロシア、中国、インド、インドネシアである。

(2005年6月16日収録、2007年7月20日更新、2008年3月11日更新−2007june22データから2007Oct7データに更新のためルクセンブルクが日本より下になり日本の順位は22位から21位へ変更、2008年7月1日更新、2009年7月15日更新、2010年6月30日更新、2011年7月14日更新、2012年6月29日更新、2013年6月30日更新、10月3日(注)修正、2015年7月12日更新、パートナー諸国追加、2016年8月25日更新)


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