医療用医薬品は新薬(先発医薬品)とジェネリック医薬品(後発医薬品)に分けられる。新薬は開発に多額の費用、時間がかかるため、特許期間が設けられていて、その新薬を独占的に製造・販売することができる。したがって、その特許期間が過ぎると、他の医薬品メーカーでも同じ有効成分のお薬を製造することが可能となり、そうやって製造された薬がジェネリック医薬品である。ジェネリック医薬品(後発薬)は、新薬(先発薬)と同等の有効成分・効能があると承認されている安価な薬である。

 ジェネリック医薬品は、世界中で広く普及している。特に、欧米諸国、米国や英国、ドイツなどでは、図のように、量的には全体の8割以上を占めており、ジェネリック医薬品が一般的な存在であると言える。その中で、日本の普及率は28%とまだまだ余り普及しているとは言えない。価額的にも日本は11%と最低レベルである。

 なお、単純化してとらえると、量と価額の割合の差が大きい国ほどジェネリック医薬品と新薬の価格差が大きいと考えられる。米国ではジェネリック医薬品が医薬品平均の3分の1(28÷84)の価格であるが、オーストリアでは92%の価格に過ぎないと推定される。日本の場合は約4割の値段である。

 医療費の拡大を少しでも抑えるため、また医療費に関わる財政負担の拡大を少しでも抑えるため、ジェネリック医薬品の普及が政策的に促進されている。

 普及率の目標については、次のような状況である。「後発薬の使用促進に向け、政府はこれまで普及率の目標を「17年度末に60%」としてきたが、今夏、最終的に「18年度から20年度末までの間のなるべく早い時期に80%以上」と改めた。13年9月時点の普及率は46.9%で、厚労省の試算では80%まで引き上げると医療費を約1.3兆円抑制する効果があるという」(毎日新聞2015年12月1日)。

 なお、現状の普及率については「厚労省は2015年9月時点のジェネリック医薬品(後発薬)の使用割合(数量ベース)が56.2%だったことも公表した」(東京新聞2015年12月5日)。図録の時点より普及は進んでいると考えられる。

 医薬品費の対GDPについては図録1905参照。2016年度診療報酬改定の際の後発薬の価格水準などの取り扱い変更については図録1933参照。国民の服薬の状況については図録1980参照。

 図の対象国数はOECD26カ国であり、具体的には、値の高い順に、米国、英国、チリ、ドイツ、ニュージーランド、スロバキア、カナダ、オランダ、トルコ、デンマーク、オーストリア、スペイン、スロベニア、ノルウェー、フィンランド、チェコ、ポルトガル、エストニア、ベルギー、フランス、アイルランド、日本、ギリシャ、イタリア、スイス、ルクセンブルクである。

(2015年12月3日収録、12月6日普及率現状コメント)


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