OECDの"Health at a Glance 2005"では予防医療・公衆衛生について、こう指摘されている。「保健医療制度は時に「病気治療」に偏っているとの批判を受けている。病気治療はするが、病気予防には熱心でないというのである。実際、現在の保健医療関連支出のうち予防と公衆衛生に充てられている額はOECD 諸国平均で約3%に過ぎない。」

 ここでは、保健医療関連支出のうち予防と公衆衛生に充てられている額の比率をOECD諸国について図示した。日本は2.4%と決して高い方とはいえない。

 対象国は、OECD諸国であり、具体的には、予防・公衆衛生比率の高い順に、カナダ、オランダ、ハンガリー、ドイツ、米国、フィンランド、ポーランド、メキシコ、オーストラリア、チェコ、フランス、日本、トルコ、スイス、ノルウェイ、スロバキア、オーストリア、アイスランド、韓国、スペイン、ルクセンブルク、イタリアの22カ国である。

 かつて感染症が猛威を振るっていた時代には、公衆衛生は保健医療の最重要課題であった(図録2080参照)。衛生施設の普及や抗生物質の活用、検査技術の向上などにより、感染症が克服されてから、保健医療の主たる課題は病気治療となった。ところが、近年の主たる克服課題は生活習慣病といわれるガン、心臓病、糖尿病などとなっており、喫煙、肥満、ストレス対策など生活習慣上の病気予防がますます重要となっている。また、高齢化に伴って高齢者がインフルエンザによって肺炎でなくなるケースも増加しており、ワクチン接種による予防も重要となっている。かつてのように上下水道の普及などの公衆衛生とは全く異なる形態ではあるが、予防が重要な保健医療の課題となっているのである。

 なお、インフルエンザ・ワクチン接種率については図録1960参照。

(2006年5月13日収録)


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