やせ過ぎ女性の比率の国際比較をグラフにした。ここで、やせ過ぎ(痩せすぎ)はBMI(体重s÷身長の二乗u)が18.5未満と定義されている。データはWHOのBMIデータベースによる(1人当たりGDPは世銀データ)。

 一般には、食料事情もあって、所得(1人当たりGDP)の低い貧困国ではやせ過ぎ女性が多いという傾向がある。

 東チモール、エリトリア、エチオピアといった最貧国に加え、パキスタン、バングラデシュといったイスラム国でやせ過ぎ女性が多いことが目立っている。イスラム圏では女性の平均寿命の対男性比が相対的低いこととも関わりがあると思われる(図録1670参照)。

 日本は、11.0%と112カ国中、30位であるが、所得の高い国としては、シンガポールやアラブ首長国連邦と並んで、異例の高さとなっている点が目立っている。国民全体、あるいは女性平均の体型が世界の中でスリムである点では日本と共通の韓国でもやせ過ぎ女性の比率は6.5%とそれほど高くない(図録22202222参照)。

 日本の女性が、若い女性から、どんどん痩せてきた状況については図録2200、図録2202参照。

 2006年、ファッションモデルのやせ過ぎが問題となり、やせ過ぎモデルの出場を禁止する措置が欧州で取られた。「マドリード市はスペイン保健省と共に「一般の人がファッションショーを拒食症の増加と結びつけて考えないようにしたい」として、「モデルのボディーマス指数(BMI=体重を身長の2乗で割った比率)は最低18以上」と規定し、それ未満のやせ過ぎたモデルのショー出場を禁じた。少なくとも数人が該当し「失業の危機」と訴えている。」(毎日新聞HP20060916)パリのオートクチュール連盟はこれに反対しているが、欧州の他のファッションショーにも波及する動きがある。

 この図録は2006年初掲載(データはそれ以前、日本は1988〜99年平均)であるが5年経過した2011年1月に更新した。2006年版(旧図録)では、なおWHOのデータベース掲載国は39カ国と少なく、日本は、12.24%とそのうち10位であった。シンガポールやアラブ首長国連邦のデータはなかったので、日本の特異性は今以上に目立っていた。2006年版図録と比較すると日本に近づく国もちらほら出てきているようである。

 2006年版図録は、幕内秀夫著「夜中にチョコレートを食べる女性たち 」(講談社、2009 年)の中で引用された。「粗食のすすめ」が評判を呼んだ管理栄養士の幕内氏は、この著書で、図録に示されているような日本人女性のからだの危機的状況が、若い女性の「性の貧困」と片寄った「食の快楽」を背景にして進行していることに警鐘を鳴らしている。

(原データ)
やせ過ぎ女性比率と1人当たりGDP・PPPベース)
  1人当たりGDP(PPPドル)
GDP per capita, PPP
(constant 2005 international $)
やせ過ぎ女性比率(%)
BMI females
underweight (<18.5)
 年次
東チモール 705 37.7 2003
エリトリア 710 37.3 2002
インド 2,492 35.6 2006
パキスタン 1,813 31.6 1994
バングラデシュ 1,178 29.7 2007
ベトナム 1,597 28.3 2000
エチオピア 633 26.5 2005
イエメン 1,973 25.2 1997
ネパール 972 24.4 2006
ブルキナファソ 1,000 20.8 2003
カンボジア 1,583 20.3 2006
チャド 1,182 20.3 2004
マダガスカル 867 19.2 2004
ニジェール 603 19.2 2006
コンゴ民主共和国 281 18.5 2007
セネガル 1,614 18.2 2005
ナミビア 5,849 15.9 2007
ハイチ 1,023 15.5 2006
中央アフリカ 758 15.3 1995
ナイジェリア 1,563 15.2 2003
ラオス 1,060 14.8 1994
フィリピン 2,722 14.2 2003
マリ 1,013 13.5 2006
コンゴ 3,497 13.2 2005
ギニア 952 13.2 2005
モーリタニア 1,575 13.0 2001
ケニア 1,267 12.3 2003
シンガポール 41,000 12.2 2004
ウガンダ 966 12.1 2006
日本 29,692 11.0 2009
トーゴ 833 10.9 1998
タンザニア 1,065 10.4 2005
コモロ 1,091 10.3 1996
リベリア 350 10.0 2007
マレーシア 10,839 10.0 2003
アラブ首長国連邦 44,641 10.0 2000
トルクメニスタン 2,322 9.9 2000
ルワンダ 796 9.8 2005
タイ 6,520 9.6 2004
ザンビア 1,213 9.6 2007
ベニン 1,319 9.2 2006
マラウイ 627 9.2 2005
ガーナ 1,375 8.6 2008
モザンビーク 601 8.6 2003
中国 2,013 8.5 1996
コートジボワール 1,850 8.2 1999
カザフスタン 4,909 7.4 1999
スロバキア 13,790 7.4 2002
エストニア 9,281 7.3 1997
モロッコ 3,436 7.3 2004
ノルウェー 47,676 7.0 2009
キプロス 23,627 6.9 2003
キルギス 1,400 6.9 1997
カメルーン 1,956 6.7 2004
ガボン 13,271 6.6 2000
韓国 25,021 6.5 2007
マケドニア 6,936 6.4 1999
南アフリカ 8,259 6.2 2004
ブルガリア 7,657 5.9 2001
モルドバ 2,362 5.9 2005
スイス 37,854 5.9 2007
英国 30,725 5.9 2002
ウズベキスタン 1,725 5.9 2002
イタリア 28,144 5.8 2005
レソト 1,201 5.7 2005
フィジー 4,292 5.6 2004
ウクライナ 4,332 5.4 2002
ベルギー 31,759 5.3 2004
ラトビア 14,716 5.3 2006
アルメニア 4,098 5.2 2005
イラン 9,314 5.2 2005
ドミニカ共和国 4,613 5.1 1996
サウジアラビア 21,220 4.9 2005
アゼルバイジャン 5,981 4.8 2006
ルーマニア 6,838 4.8 2000
カナダ 33,640 4.1 2003
オーストリア 36,193 4.0 2008
ホンジュラス 3,419 4.0 2006
コロンビア 7,305 3.9 2005
ヨルダン 4,840 3.9 2007
モンゴル 2,613 3.9 2005
マルタ 22,053 3.8 2007
チェコ 17,747 3.7 2002
デンマーク 34,207 3.7 2006
ニカラグア 2,322 3.7 2005
ブラジル 9,181 3.5 2007
アルゼンチン 10,819 3.4 2005
ポルトガル 21,294 3.4 2005
米国 39,944 3.3 2002
ポーランド 11,959 3.2 2001
スワジランド 4,508 3.2 2007
フィンランド 28,818 3.1 2003
ハンガリー 16,286 3.0 2004
アイスランド 30,352 3.0 2002
リトアニア 13,088 3.0 2004
スペイン 28,519 3.0 2007
スウェーデン 32,314 3.0 2009
バヌアツ 3,740 2.9 1998
オーストラリア 34,522 2.8 2008
クウェート 33,994 2.3 2000
ボリビア 3,950 2.0 2008
グアテマラ 3,916 2.0 1999
ペルー 6,731 1.9 2006
エジプト 5,011 1.6 2008
ニュージーランド 25,686 1.6 2007
トルコ 11,904 1.6 2008
メキシコ 13,070 1.4 2006
チリ 11,107 1.1 2003
アイルランド 41,136 1.0 2007
パナマ 8,085 0.8 1999
キリバス 2,346 0.6 2006
クロアチア 11,414 0.2 1997
1人当たりGDPデータのない国   
ジンバブエ   9.2 2006
キューバ   6.2 2002
バルバドス   3.3 2001
米領サモア   0.2 2004
(注)痩せすぎ女性(BMI18.5未満)の比率はデータが得られる最新年。
(資料)WHO Global Database on Body Mass Index(BMI) 2011-1-24、日本は厚生労働省「平成21年国民健康・栄養調査(概要)」。1人当たりGDPは、World Bank, World Development Indicators 2011-1-24


(2006年9月19日収録、2011年1月24日更新、1月25日日本を最新データに変更)


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