主要国について、交通手段として自動車に依存する比率と肥満の比率との相関図を描くと上の第1図のようになる(外出時交通手段について徒歩、自転車、公共交通等の構成比については図録6370参照)。

 米国や英国では自動車依存率が高く、また肥満比率も高いのに対して、ヨーロッパ大陸諸国及び日本では、双方とも低いという相関が成り立っている。この相関の原因としては、自動車による外出が多くなると歩かない生活が主となり、その結果、運動不足が肥満につながるのではないかと考えられる。また、鉄道やバスといった公共交通手段を利用する場合には肥満が他人の迷惑となる可能性も高いが自動車ではそうではなく、肥満への抑制も働かなくなるという因果関係も想定しうる(逆に太ってしまったから公共交通でなく自動車に依存という因果もありうるが)。

 上の第1図でカナダ、日本が傾向線よりかなり下に乖離しているのが目立っているが、この両国は国民1人当たりのカロリーが他の欧米諸国と比べ少ない国である(図録0100参照)。肥満の原因としては2つの要因、すなわち過食と運動不足を考えるのが当然であるが、前者の要因がきいているからだと考えられる。

 そこで、肥満の要因として過食と運動不足を取り上げ、前者をあらわす変数を1人1日当たり供給カロリー、後者の代理変数を自動車依存比率とし、回帰分析を行ってみると、上の第2図の(注)に記したように、かなりうまくこの2変数が肥満比率を説明している。この結果をもとに各国の肥満比率を過食と運動不足に要因分解した図を第2図に描いた。

 米国の肥満比率は30.9%であるが、そのうち12.8%は過食により、18.1%は運動不足によると試算できる。すなわち過食要因比率は41.3%であり、やや運動不足の方が大きい。一方、欧州諸国では過食要因は55〜60%程度であり、運動不足より過食の方が要因として大きいという結果になっている。

(2005年1月14日収録)

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