運動量と肥満の関係は気になるところである。図録7310では都道府県別の肥満比率を示したが、ここでは、都道府県別の肥満比率と運動量(歩行数)との相関図を示し、両者の関係を探った。

 厚生労働省の国民健康・栄養調査(国民栄養調査)日本人の身長・体重を戦後一貫して毎年調査しており図録2200ではこの結果をグラフにしている。しかしサンプル数の関係であると思われるが都道府県別のデータは公表されていない。同調査の5年分のデータを解析し、しかも年齢構成の違いによる影響を取り除いた研究結果が、同調査による運動量(歩行数)データとともに、食育白書に掲載されている。

 男女ともに歩行数の多いのは、東京、神奈川、兵庫、大阪、愛知といった大都市圏を構成する諸県である。クルマを使わずに移動する場合が多いためであろう。地方圏の中でも男の場合は宮崎、女の場合は高知の歩行数も多い。

 歩行数の多い大都市圏の諸県では、おおむね、肥満比率が低くなっている。

 全体としても運動量の多い地域ほど肥満比率が低いという傾向が男女ともに成立している。

 各国データから肥満の要因を摂取カロリーと運動量(自動車依存度)から探った結果は図録2240に示した。そこでは単純に運動量が肥満の抑制につながるということに加えて、公共交通機関を利用する場合、肥満が人の目を気にして精神的にも抑制されるのではないかという点を指摘しておいた。

 ただし、都道府県別の運動量と肥満比率の関係の相関度を示すR2乗値は両者とも0.1以下と余り大きくない(1で完全相関)。

 男では宮崎のように歩行数が多いのに肥満率が高い県や長崎のように歩行数が少ないのに肥満比率が低い県がある。沖縄の肥満比率は目立って高いが歩行数がそれほど少ないわけではない。

 女では高知の歩行数は多いが肥満比率は決して低くはない。石川の肥満比率は際立って低いが歩行数がそれほど多いわけではない。

 このように相関度が必ずしも高くないのは、肥満比率と歩行数の対象年齢が異なることなどデータ上の問題の他、肥満には運動量の他、食生活などが大きく影響しているためであろう。

(2008年11月3日収録)


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