生活時間の国際比較は、従来何度か行われているが、行動区分の統一が難しく、なかなか使いものにならなかった。EUの統一生活時間調査の結果が2003年以降インターネット等を通じて提供されていると言うが、これと比較できるよう、総務省統計局で行った社会生活基本調査(2001年)の組み替え集計結果が、この程、公表された(下にリンク)。これを用い、日本とEU諸国の生活時間の配分を比較したものを図録化した。

http://www.stat.go.jp/data/shakai/2006/tok0607/pdf/tok-06.pdf

 対象国は、日本の他、EU諸国としては、英国、ドイツ、フランス、ベルギー、スウェーデン、ノルウェイ、フィンランド、ハンガリー、スロベニア、エストニアである。なお、女性有業者、男性有業者という順に表現しているのは、原資料に基づくものである。

 有業者の男女について日本とEU諸国を比較すると、以下のような点が目立っている。ここで、無業者を含んだ国民全体で比較していないのは、各国で、年齢構成や労働力率(特に女性)に違いがあり、国民全体で比較すると、こうした違いによる生活時間配分の差が含まれてしまい、結果の評価が困難であるからである。

1.仕事時間が日本の場合長い。

 男女ともに「仕事・学業・学習研究」時間が、最も長くなっているのが日本の特徴である(有業者なので学業・学習研究は余り含まれない)。特に、男性の場合、週平均で7時間11分と次ぎに長いフランスの5時間44分を大きく上回っている。図録3100(OECDによる年間実労働時間の国際比較)、図録3130(長時間労働の国際比較)と日本の労働時間が長い点では整合的であるが、フランスが英国など他のEU諸国より最も長い点は整合的でない。OECDの資料は、EU生活時間調査と異なる調査方法によるためと想像される。

 なお、日本の労働時間は、EU諸国と比較すると長いが、それでも従来よりは短くなっており、また米国などは日本より恐らく長い点には留意が必要である。

2.日本の男女、特に女性は「睡眠」時間が最も短い。

 この図だけ見ると、仕事時間が長いために睡眠時間が短くなっているように見えるが、むしろ、「身の回りの用事」の長さによって短くなっているというのが、生活時間の時系列分析の結果である(図録2320参照)。

3.日本の女性は「食事・身の回りの用事」の時間が最も長い。

 日本の女性は、「食事・身の回りの用事」の時間が最も長くなっているのが、大きな特徴であるが、これは、時系列的に大きく伸びた身の回りの用事の時間、特におしゃれや身体ケアにかける時間の長さによるものと考えられる(図録2320、2325参照)。

4.日本の男性は「家事」時間が52分とEU諸国の最低(ドイツの1時間52分)を大きく下回っている。

 これは、よく指摘される日本人男性は家事を手伝わないという点の端的なあらわれだと考えられる。

 なお、別資料によるが、家事時間のうち、育児時間の各国比較は以下の表の通りである。子供がいる日本の男性の育児時間が、他国に比べて、非常に少ないことがはっきりしている。

育児時間の国際比較
  日本 米国 英国 ドイツ スウェー
デン
2001年 1995年 1999年 1992年 1991年
男性 25 33 90 59 70
女性(フルタイム) 112 62 124 130
女性(パートタイム) 93 193 142 118
女性(専業主婦) 218 106 202 175 261
(注)単位は分。日本は6歳未満の子供を持つ夫婦、ほかは5歳未満の子供を持つ夫婦。原資料はOECD,"Employment Outlook"(2001)、総務省統計局「社会生活基本調査」(2001)
(資料)内閣府「平成18年版国民生活白書」

(2006年8月1日収録、8月8日コメント追加)


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