OECD諸国の睡眠時間を比較したグラフを掲げた。出所は、OECD, Society at a Glance 2009: OECD Social Indicators

 各国の睡眠時間はけっこう差がある。最も良く眠るフランス人(8時間50分)と最も眠らない韓国人(7時間49分)の間には1時間の差があるのである。

 日本人は韓国人とともに最も眠らない部類に属する。日本やEUの生活時間調査によれば一般に睡眠時間は高齢者ほど長くなる傾向がある(図録2325参照)。日本の高齢化率はOECD諸国の中で最も高いので、最も睡眠時間が長くても良いはずなのに、逆に最も短いという点はやはり驚異的である。

 日本人は多忙なので睡眠時間が少ないという見方もあろうが、日本人と同じように多忙国民と見なされる米国人はフランス人に次いで睡眠時間が長くなっており、単純な要因論では解釈しがたいようだ。性生活時間はどの国の生活時間調査でも調べられていないのでおそらく睡眠時間に含まれていると考えるとその影響も無視できないだろう(図録2319参照)。

 現代人は夜も必ず灯りが点灯しているような都会生活の中で忙しい毎日を送っているので睡眠時間が短くなりがちだと考えられているが、それでは、原始人に近い生活を送っている人々はどれだけ眠っているのだろうかと調べた研究チームがある。自然の中で狩猟採集を中心として暮らすアフリカとボリビアの3つの未開部族の94人に調査のための器具を装着してもらい、延べ1,165日のデータを集めた結果では、彼らの睡眠時間は5.7時間から7.3時間であり平均すると約6.5時間だったという(The Economist October 17th 2015)。案外のものなのである。


 高齢者の方が睡眠時間が長いから(図録2325)、睡眠時間と高齢化率とは当然相関があるのではとX軸に65歳人口比率、Y軸に睡眠時間を取って描いた相関図を上に掲げた。

 図を見ると、想定外であったが、両者の間には相関が見られない。日本のように高齢者の多い国でも睡眠時間が短い国もあれば、トルコやメキシコのように高齢者は多くないにもかかわらず睡眠時間は長い国もある。

 トルコ、メキシコ、韓国といった途上国、あるいは少し前まで途上国の国を除いて先進各国の分布を鳥瞰すると、むしろ、高齢化率の高い国ほど睡眠時間が短くなるというような傾向も認められないでもない。これはいったいどうした事態か?謎である。

 アジア太平洋諸国の睡眠時間比較は図録2329a参照。

(2010年9月21日収録、2012年8月25日コメント加筆、2015年12月3日未開人についてのコメント追加)


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