政府の社会保障・人口問題研究所では、毎5年に実施する「出生動向基本調査」(2005年は国勢調査に合わせて繰り上げ実施)、別名「結婚と出産に関する全国調査」の中で独身者を対象とした調査を1982年から行っている。ここでは独身男女の親との同居比率を追った。

1.総数、正規・非正規別

 18〜34歳の独身男女の親との同居割合は男約7割、女8割弱でほぼ横ばい、ただし男は1992年、女は1997年を底に低下傾向が上昇傾向に転換している動きとなっている。バブル期に進んだ独身者の離家(親の家からの独立)が反転する傾向が認められる。生活水準の低下を恐れて独立も結婚もせずに親と同居を続けるパラサイト・シングル化としてかねてより注目されている。海外でも韓国の「カンガルー族」、中国の「啃老族」、イタリアの「ピーターパン症候群」などとして嘆かれている(国立社会保障・人口問題研究所「日本の人口動向とこれからの社会」東京大学出版会、p.69)。

 正規・非正規別では、正規職員の場合はほぼ総数と同じレベル、パート・アルバイトの場合は同居比率が1割程度高くなっているのが特徴である。ただし、近年は、正規職員の場合は総数を下回る傾向にある。

 学生の場合は同居比率は働いている場合より小さくなる傾向にあったが、最近は逆転し、総数より高くなっている。学生にひとり暮らしをさせる余裕が親にはなくなっているといえる。

2.年齢別

 独身者の親との同居状況の推移について、男女年齢別データを以下にグラフにした。


 独身男性は、年齢にかかわりなく、7割強が親と同居している。独身女性は、8割前後が親と同居している。

 同居率の推移については、男性の動きに見られるように、景気が良かったバブル経済の影響で1992年にいったん同居率が下がった(ひとり暮らしが増えた)が、長引く不況の影響で2002年以降に再度同居率が上昇している。

 男女とも18〜19歳の動きは上の学生と同様である。

 女性については、高い年齢の独身者である30〜34歳で同居率が上昇する傾向が目立っている。20代前半と後半でも同居率は逆転している。若いうちは親と同居し、働き続けて自活できるようになったら独身でも自立するという女性のかってのパターンは、概して結婚しない前は親と同居を続けるというパターンへと変化したといえよう。

(2006年10月10日収録、2012年9月26日更新、年齢別グラフをサブにし働き方別をメインに変更、2017年8月19日更新)


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