少子化の理由について、直接、国民に聞いた意識調査は、複数、行われている。どれを図録化するか迷っていたが、これにしようと決めたので掲載する。

 よく引用されるのは、社会保障・人口問題研究所の行っている「出生動向基本調査」(2002年6月)であり、これは50歳未満の有配偶女子に対して、理想の子ども数を持とうとしない理由をきいたものである。また(財)こども未来財団は、2004年2〜3月時点で、未婚者まで含め、少子化が進む背景についての主な意見として少子化の理由をきいている。

 これらの調査は、2つの欠点がある。1つは、時系列的に同じ質問で何回も調査が行われていないため意識の変化が不明、第2に、経済的理由について、小さいときの経済負担と教育負担とを区別して聞いていないため、どちらをより深刻にとらえているか分からない。

 こうした欠陥を補える調査として内閣府の社会意識に関する世論調査がある。これは、「子育ての辛さの内容」を継続的に聞いている調査である。そこで、ここでは、2004年以降の時系列結果をグラフにした(子育て中でない者にもきいている結果)。

 2008年の結果をみると、「将来の教育費負担」が45.8%で最も多く、第2位である「小さいときの負担」の25.5%を大きく上回っている。第3位は「自由時間が失われること」22.9%であり、これに「体力、根気がいる」が続いている。「思ったように働けない」は13.9%とそれほどではない。

 時系列的には、「将来の教育費負担」と「小さいときの負担」が上昇傾向にあるので、経済負担の側面がより目立ってきていることが分かる。

 なお、「子育てを楽しいと感じるか辛いと感じるか」という問に対しては、「楽しいと感じることの方が多い」が半分以上であり、「辛いと感じることの方が多い」は5%と圧倒的に少ない。時系列的な一定方向への変化は、この点に関してはない。「楽しい」と感じる者がやや増えている。

 国や自治体が行っている少子化対策がこうした実態に的確に対応できているか、育児休業対策など政府として実行しやすい施策から逆算して少子化の分析を行っていないか、については疑問の余地があろう。国際比較上、経済的負担への社会保障、税制上の支援において日本が如何に遅れをとっているかは図録51205130参照。

(2005年6月3日収録、2009年2月9日更新)


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