
・晩婚化・未婚化(図録1540) ・恋愛結婚の増加(図録2455) ・婚前交渉の増加(図録2462) ・親との同居の減少(図録2414) ・離婚の増加(図録2777) ・国際結婚の増加(図録1190) など様々な変化が生じているが、ここでは、夫婦の年齢差の変化についてふれるものとする。 まず、初婚夫婦の婚姻件数について、年齢差別の集計を見ると、1970年には、夫3歳年上が最も多かったのに対して、2010年には、夫婦同年齢が最も多くなっている。夫が年上の婚姻件数は年齢差にかかわらず全て減少しているのに対して、夫婦同年齢、あるいは妻が年上(姉さん女房)の件数は全て増加しており、全体として、夫が年上で当然といった夫婦関係は大きく崩れてきたといってよい。 次ぎに、年齢差別の婚姻件数の構成比の変化を1970年から5年ごとに追ってみると、当初、妻年上は10%、夫婦同一年齢も10%、合わせて20%であったが、2010年には、妻年上が24%、夫婦同一年齢が20%、合わせて44%と半数近くに達しており、この約40年間に大きな構成比の変化があったことがうかがわれる。 変化が大きかった時期を見てみると、妻年上は1985年までは10〜12%だったのが、2005年にかけて一気に20数%と2倍にまで拡大しており、1980年代後半からバブル崩壊、失われた10年を挟んで2000年代の前半までの20年間の変化が大きかったということが分かる。 こうした変化の背景には、見合い結婚が減って、恋愛結婚が多くなり、男女の交際が学校の同級生、職場の同期、友人の知り合い同士ということになってきているからであろう(図録2455)。しかし、妻が1歳年上のケースまでは早生まれ、遅生まれで解釈できるが、妻が2歳年上の件数も増えており、これについては、「草食男子」化の要因を想定せざるを得ないであろう(まさに肉食女子が草食男子を食べてしまうというイメージが頭に浮かぶ)。 こうした姉さん女房の増加という構造変化は様々な影響を社会に及ぼしていると考えられる。 男女の精神年齢は、同一年齢であれば女性の方が上という社会通念が正しければ、妻年上(姉さん女房)、あるいは夫婦同一年齢が半数近くになったということは、日本人の夫婦関係は、全体として、精神的には女性優位となったと考えることができる。(もっとも、もしかしたら最近の男子は老成していて、女子の人生観の積極化と相俟って、姉さん女房でもつり合いがとれているのかも知れない。) この他にも、女性の平均寿命の方が長いこと(図録1670)を考え合わせると、死別後のひとり暮らし女性高齢者の増加の加速が見込まれるなど、今後も社会に様々な影響が生じてくるであろう。 なお、姉さん女房化の一般傾向からはずれている変化として、2000年までは縮小していた夫が5歳以上年上の構成比が、それ以降、2009年にかけて、むしろ、拡大している点をあげることができる。女性が男性配偶者に高い所得を期待する傾向のあらわれと見れないこともない(図録2450)。 夫婦関係の変容と草食系男子の果たす役割について小説家の金原ひとみがこうコメントしているのが印象的であった。「最近、若い夫婦を見ていると、仲の良い夫婦と仲の悪い夫婦、両極端に分かれているように感じる。仲の良い夫婦を観察していると、女性のタイプに一貫性はないのだが、男性は総じて草食系である事が分かる。(中略)細やかな気配りで配偶者を思いやるのは、かつては女性の役割だったが、会社でも家庭でも女性の支持がなければ生き残れない中、男にも思いやりや気遣いが求められるのだろう。今や草食男子は一つのモテジャンルのように語られているが、実際はこの世の中を生き抜く術として作られたスタイルなのかもしれない。」(東京新聞2010年10月14日本音のコラム「夫婦」) (2010年10月18日収録、2011年9月2日更新)
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