男女共同参画社会が目指されている中で、男性中心といわざるを得ない日本社会の体質が、働き方、子育て、政治参加などで指摘されることが多い。

 この図録では、しばしば取り上げられる男女格差に関する指標ではなく、少し視角を変えて、こうした男女不平等がある中で、結局のところ幸せに暮らしているのは男なのか女なのかを調べた国際意識調査の結果を見てみよう。

 世界22カ国の成人男女にこの点を聞いた結果によると、「男」と答えた人の比率から「女」と答えた人の比率を引いた値が最も高いのは、フランスであり、その差は、61%ポイントにも達している。

 逆に、日本と韓国は、この値が逆転、すなわち女性の方が男性より幸せに暮らしていると考えられている点で世界の中でも目立っている。

 男女の不平等度とこの幸せ格差とがどのような関係にあるのかを理解するために、X軸に、代表的な男女格差指標である国連開発計画(UNDP)のジェンダー不平等指数(リプロダクティブ・ヘルス、エンパワーメント、労働市場といった3つの次元における女性の不利を映し出す指標。日本は世界21位と高くない)をとり、Y軸に上に掲げた意識上の幸せ格差をとった相関図を下に示した。


 結果は、不思議なことに、相関度はそう高くないが、男が有利な状況におかれている国民ほど幸せ度の男優位は小さいという負の相関パターンが認められる(一般傾向からは例外的な儒教圏3か国を除くとR値は 0.0371 から 0.5839 に上昇)。

 思い切って見方を変え、因果関係の方向を逆にすると、何らかの理由でそもそも男が不幸せな国ほどジェンダー不平等は看過されがちだという結論が得られないこともない。

 危険な香りのするこうした見方は思考訓練に止めることにして、日本、韓国という儒教の影響が強かった国で、共通して、先進国の中で幸せ度の女性優位が目立っているのはどうしてであろうか?私は、核家族化が進み女性は「家」の束縛からかなり解放されたのに、男性がまだ「家」を支えなければならないという強迫観念に囚われているからだと考えている。日本では、男が精神的に解放されもっと幸せを感じられるようになれば、男女共同参画社会にももっと早く近づくのではないだろうか。

(2013年12月24日収録)


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