レイプ被害(強姦被害)に関する調査結果が内閣府から公表されているので取り上げるものとする。

 内閣府の「男女間における暴力に関する調査」はDV(ドメスティック・バイオレンス)に関する6回目の調査であるが、2008年以降はレイプ一般についても調べている。2014年調査は、全国20歳以上の男女5,000人に対して行われ、有効回収率は70.9%である。レイプについては女性に対してのみ質問が行われている。

 調査結果によると女性の回答者1,811人のうち6.5%にあたる117人がこれまで異性(男性)から無理やりに性交された経験を有している(うち過去5年以内にレイプ被害を経験した女性は、この設問があった2011年には1.3%であった)。図には示していないが、被害率6.5%のうち1回だけが3.7%、2回以上の被害女性が2.8%となっている。

 過去2回の2008年、2011年が7%台であったのと比較するとやや被害率は低下している。

 年齢別に見ると、30代、40代がそれぞれ10.0%、9.7%と最も多く、60歳以上は3.7%と少ない。

 年齢階層毎の現実のレイプ被害率が同じであれば、多くの年齢を経てきている中高年の方がレイプ被害経験率は高くなるはずである。しかし、調査結果では、20代〜40代代より50代、60歳以上の方がレイプ被害経験率が低くなっている。従って、かつてよりレイプ被害が増えている結果と推定できる。

 なお、レイプ被害経験率が20〜40代女性で多いのは、かつては配偶者や交際相手からの無理やりの性行為を無理やりと見なさなかったのに最近の女性は無理やりと見なすようになったからだとする見方がありうる。そこで、レイプの加害者を配偶者・交際相手(元を含む)とそれ以外に分けて年齢階層別に被害経験率を調べた結果を以下に掲げる。



 これを見ると、30代、40代では、それ以外とくらべて配偶者・交際相手からのレイプ被害率が高くなっている。この世代から無理やりの性行為に対して寛容ではなくなったと言えるかも知れない。20代はまだ未婚者が多いので配偶者・交際相手からの被害率は低いのであろう。(2011年調査では交際相手の選択肢がなかったためもあって、「これを見るとむしろ40代以上の年齢層の方が配偶者によるレイプの割合が多くなっており、こうした見方は当てはまらない」と分析していた)。

 都市規模別には、大都市、中都市の方が小都市、町村よりやや被害率が高いといってよいだろう。

 レイプ被害の実態について、調査結果から、被害女性の加害者との関係と被害にあった時期について示した。グラフは回答した117人のうち何人かという実数で示した。

 加害者としては、「交際相手・元交際相手」が33人と最も多く、「配偶者・元配偶者」が23人で続いている。「まったく知らない人」は13人と少なく、ほとんどが「知っている人」である。

 被害にあった時期としては、「20歳代」が58人と約半分を占め最も多い。その他、「中学卒業から19歳まで」が27人となっている。いずれも幼い世代に集中しており、組し易しと見なされて被害に会うのであろう。

 性犯罪被害率の国際比較を図録2788dに示したが、過去1年の被害者率は日本の場合国際的には低レベルの1.3%となっていた。これと比べ当図録で取り上げた内閣府調査(2011〜14年では分からないが2008年の結果では)によると過去1年以内のレイプ被害率は0.2%(3人)であり、さらに低い。これは国際比較のデータは痴漢など軽度の性犯罪を含んでいるからである。

 なお、戦争・武力紛争にともなって生じる大量レイプについては図録5228参照。

(2010年5月13日収録、2012年5月14日更新、2015年3月31日更新)


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