繰り返し起こっている投資名目などによる主な巨額詐欺事件/消費者被害事件の集金総額を棒グラフで示した。

 詐欺事件として過去最大の規模であるのは1987年に摘発された豊田商事事件の2,000億円であり、2002年の全国八葉(はちよう)物流による1,550億円がこれに次いでいる。

 最近会長の波和二容疑者が組織犯罪処罰法違反容疑で逮捕された「円天」詐欺事件の集金金総額は、これらに次ぐ1,260億円であると警視庁などが認定した。

 こうした詐欺事件は相互に水脈でつながっている面もある。「会長の波和二(75)は、過去に携わったマルチ商法の仲間をL&G役員に多数登用。「リッチランド」や「経済革命倶楽部」による詐欺事件で逮捕されたメンバーも一時期、経営に参画して資金集めのノウハウを蓄積したとされる。」(東京新聞2009.2.6

 また、詐欺事件とまではいえないものの消費者が被害を受けた事件で最大集金額なのは、畜産会社「安愚楽牧場」が経営破綻した事件であり、長年、出資金の半分程度を配当に回す「自転車操業」の状態だったのに対して、2009年、同社の財務諸表の不備を指摘した農水省から所管を引き継いだ消費者庁が適切に対処できなかったことが問題とされている(東京新聞2013.6.26)。

投資名目などによる主な巨額詐欺事件/消費者被害事件
摘発年次 企業・団体名 集金総額
(億円)
対象者数
(万人)
備考
1987 豊田商事 2,000 3.0 金売買のペーパー商法。主に電話勧誘で高齢者をターゲットに。
1992 茨城カントリークラブ 1,200 5.2 ゴルフ会員権の乱売
1997 経済革命倶楽部(KKC) 350 1.2 健康食品、浄水器、「平成小判」などを購入するという形式で会員から出資金
2000 法の華三法行 950 2.2 福永法源を教祖とする新宗教が「足裏診断」で「法納料」集める
2001 大和都市管財 1,100 1.7 抵当証券や類似金融商品の販売やゴルフ場経営会社の会員権販売。近畿財務局の監督規制権限不行使による国家賠償訴訟事件ともなり、国の責任を認めた控訴審判決で決着。
2002 全国八葉物流 1,550 4.9 ハチの巣のエキスなどで作ったとされる高額な健康食品によるマルチ商法(連鎖販売取引)
2007 リッチランド 540 1.3 健康食品会社が「財宝を積んだ沈没船を引き揚げる」などといった架空の投資話で金を集めたマルチ商法事件
2007 近未来通信 400 0.3 国内外IP電話中継局の設置費用への投資という名目で集めた金を既存の投資家への配当へ回す自転車操業
2008 ワールドオーシャンファーム 850 3.5 フィリピンでの実体のないエビ養殖事業に投資すれば高配当を得られるとして、多額の資金を集めた事件
2009 エル・アンド・ジー(L&G) 1,260
(2,260)
3.7
(5.0)
健康商品販売会社が「使っても減らないお金」と称し疑似通貨「円天」を発行し、資金集め
2013 安愚楽牧場 4,200 7.3 和牛のオーナー制度(和牛預託商法)の旧経営陣がうその説明で顧客を勧誘したとして逮捕される
(注)エル・アンド・ジーのカッコ内は破産管財人の推計
(資料)東京新聞2009.2.6、東京新聞2013.6.26(安愚楽牧場のみ)ほか


(2009年2月6日収録、2013年6月26日更新)


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