(注)2003年11月衆院選前後に調査
(資料)田中愛治・河野勝「政治不信世代は年金制度も信じていない」(『中央公論』2004年7月号)

 年金をめぐる意識は、田中愛治他(2004)による調査と分析によると図のように年齢・世代によって大きく異なっている。

 「年金をもらえないと思う」と答えた者は、戦前・戦中派世代では7.7%と少ないのに対して、新人類&団塊Jr.世代では57.7%にのぼっている。そして中間の「団塊の世代」前後では26.3%である。

 年金加入していて損しているかの意識、あるいは政府の年金改革への取り組みへの感じ方に関しても、同様の意識ギャップが存在する。

 こうした年金をめぐる意識ギャップについて、田中愛治他(2004)は、信心深さなどがライフサイクル変化(加齢効果)によっていつの時代でも若者は宗教心が薄く、年寄りは信心深いのと異なって、どの時代に多感な思春期・青年期を過ごしたかという時代経験の差から説明されると分析している。

 そして年金に対する考え方を世代によって以下のように異なると整理している。

望ましい社会像 年金に対する考え方
新人類・団塊Jr.世代団塊の世代 個々人にチャンスが与えらられ、その能力が評価される社会 「自己責任」を意識し、自分の年金は自分で働いて貯めたいという願望に基づく「積み立て方式」
戦前・戦中派世代 みんなで協力して物事にとりくみ、評価もグループ全体に対して行われる社会 自分の分と言うより、同じ社会の他のメンバーも自分もお互いに支え合おうという「賦課方式」

 そして、今回の政府案のような根本的な思想を変更しない制度改革は、次の抜本改革までの応急処置という認識を示さないと国民、特に若い世代の理解を得られないだろうとしている。

 両者の折衷でなく、両者を止揚する考え方の成立の不可能性を証明できれば、単純に若い世代の考え方にシフトしていけばよいことになる。

(2004年6月18日収録)


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