2008〜09年は久しぶりにフルタイム労働者の労働時間の減少が大きく労働時間全体の減少につながっており、リーマン・ショック後の不況が影響していると考えられる。その後、2010年には景気の回復に伴って、一転、労働時間は増加し、2011年に東日本大震災と原発事故もあって再度減少した後、2012年以降は増減を繰り返している。

 労働時間の変化は、労働者の所定内・所定外の労働時間の変化とともに、短時間労働者(パートタイマー)の比率によっても影響を受ける。そこで、年間総労働時間の対前年増減をフルタイマー、パートタイマーそれぞれの労働時間と両者の比率により要因分解したグラフを作成した。

 これを見ると明らかなとおり、99年は特徴的な年であり、それまでと異なって所定内労働時間が一般労働者より少ないパートタイマーの比率が大きく上昇した要因が主となっている。また04年はフルタイマーの労働時間の増加をパートタイマー比率の上昇で打ち消して労働時間全体がマイナスとなった点で目立っている。

 毎月勤労統計調査によるパートタイマー比率(年平均)は、一貫して上昇傾向をたどっている。特に1990年代後半に急増した。パートタイマーの比率とパートタイマーの労働時間の両方が全体の労働時間に大きな影響を与えるに至っているのである。

 98年までの労働時間の短縮が労基法の改正などによる時短の結果であり、フルタイマー自体の労働時間の減少が主たる要因であったのとは大きく様変わりしている状況がうかがわれる。近年ではフルタイマーの労働時間の傾向的減少の要因はほとんどゼロに近い。

 こうした動きはリストラによる正社員からパートタイマーへの転換という動向を反映していると考えられる。労働時間の短縮がオランダやフランス、カナダなどで進んでいる女性労働力活用の新時代を告げるものとはなっておらず、むしろ、非正規雇用者の増加という現象のあらわれになっている。

 年間総労働時間の推移を見ると1980年代後半以降、労働者計では一貫して減っているが、フルタイム労働者の労働時間の減少は1990年代前半に止まり、それ以降は、もっぱらパート比率の上昇の影響だということが分かる。なお、パートタイム労働者の労働時間は一貫して減少傾向をたどっている。

(2006年2月16日更新、2008年2月19日更新、2009年2月4日更新、2011年3月12日更新、2012年2月22日更新、2013年2月5日更新、2月18日確報、2014年2月6日更新、2月19日確報更新、2015年2月18日更新、2016年2月9日更新、年間総労働時間の推移を図に追加、2月23日確報更新、2017年2月22日確報更新)


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