テレビでも報道されたように(注)、OECDの報告書(”Closing the Gender Gap: Act Now”)によれば日本の子どもがいる女性労働者の賃金は同男性労働者と61%の開きがあり、これはOECD諸国中第1の大きさである。この報道の元になったグラフを上に掲げた。

 すべてのOECD諸国で、子ども有りの場合の方が、子ども無しの場合より、男女賃金格差が大きいことが印象的である。OECDの報告書のタイトルのように「母親であることは高くつく」(The price of motherhood is high across OECD countries)のである。

 特に目立っているのは子ども有りの場合の男女格差が第2位の韓国を上回って第1位となっている点である。子ども有りの場合の格差が大きい要因としては、働くママの場合、残業ができない、賃金の高い役職に就けない、出産退職後の再就職が多い、などが考えられる(統計上フルタイムだけのデータなのでパートなど非正規就労が多いという理由は除かれる)。

 韓国がこの格差に関して日本と同様非常に大きいことは、世界の中では珍しいことに出産・子育て期に就業率が落ちるM字カーブも共通している(図録1500参照)ことと並んで、女性の働き方に関して日韓で似たような課題を抱えていることが分かる。

(注)テレビ朝日系(ANN) は2012年12月18日に「日本は“働くママ”を冷遇?男女間給与格差が最大」として次のように報じた。「日本で子育てをしながら働く女性の給与と男性の給与との格差が、先進国のなかで最悪であることが分かりました。OECD=経済協力開発機構によりますと、25歳から44歳の子どもがいる女性の給与が、同世代の男性よりも61%低かったということです。格差は欧米各国や韓国を含む30カ国のなかで最悪で、平均値も大きく下回りました。子どもの有無を問わない男女の給与格差でも29%と、韓国に次ぐワースト2位でした。原因については、「産後に職場復帰しても低賃金だったり、男性が育児休暇の取得に消極的なこと」などと指摘しています。」

(2012年12月20日収録)


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