最近は毎年のように日本人がノーベル賞を受賞しているが、2016年も東工大の大隅良典栄誉教授がノーベル医学・生理学賞を受賞した。

 ノーベル賞受賞者の国別ランキングを掲げる(文部科学省資料による)。ここでは自然科学系3分野についてのランキングを掲げ、文学賞、平和賞、経済学賞は対象から省いている。また複数の国籍の人物については出生国にカウントしている。

 ノーベル賞発足からの累計では、米国人が250人と総計583人の42.9%と4割以上を占め最も多い。特に戦後だけをとると米国人が232人であり、総計442人中52.5%と5割を超えているのが目立っている。

 米国は日本の南部陽一郎博士、中村修二氏のように海外生まれだが米国籍を取得した多くの学者を擁しており、カウントが基本的に国籍ベースなので、その点からも獲得数が多くなっている。ニューヨーク・タイムズ(電子版)でも2008年の物理学賞を「米国人1人、日本人2人が受賞」と報じたという(東京新聞2008.10.9)。

 第2位以下は、英国が70人以上、ドイツが60人以上、フランスが30人以上と続き、日本は21人で第5位となっている。南部氏、中村氏を入れ日本人では23人である。

 戦前はドイツが最も多く、英国、米国、フランスと続いていた。日本はゼロだった。

 戦後の受賞者数では日本はフランスを上回る第4位である。今世紀(2001年以降)に入ってからは、米国の55人に次ぐ15人と世界第2位であり、英国の10人を抜き、4位のフランス、ドイツの6人をかなり上回っている。最近の日本人の受賞実績が世界の中でも目立っていることがうかがえる。

 余り報道されなかったのも不思議だが、こうした戦後や今世紀の順位は、日本人の自信を深めるのに充分なファクトだと思われる。一年前からそうだったのに2015年からこの点をどのメディアも報じるようになった。関連して、日本の技術力の躍進については図録5700参照。

 賞別には、総数では医学・生理学賞が210人、物理学賞が201人、化学賞が172人の順であるが、日本は医学・生理学賞は3人と少なく、物理学賞13人(南部博士、中村氏を除くと11人)、化学賞が7人となっている。なお、自然科学分野以外の3賞については、日本人には平和賞と文学賞の受賞者はいるが経済学賞の受賞者はいない。

 日本人のノーベル賞受賞者の出身高校・出身大学については図録3934参照。

日本人ノーベル賞受賞者一覧
自然科学分野3賞
no 年度 物理学 化 学 医学・生理学
1 1949 湯川秀樹     
2 1965 朝永振一郎     
3 1973 江崎玲於奈     
4 1981   福井謙一   
5 1987     利根川進
6 2000   白川英樹   
7 2001   野依良治   
8 2002 小柴昌俊     
9 2002   田中耕一   
10 2008 南部陽一郎     
11 益川敏英     
12 小林誠     
13   下村脩   
14 2010   鈴木章  
15   根岸英一  
16 2012     山中伸弥
17 2014 赤崎勇    
18 天野浩    
19 中村修二    
20 2015   大村智
21 梶田隆章    
22 2016 大隅良典
その他3賞
no 年度 文 学 平 和  経済学 
1 1968 川端康成    
2 1974   佐藤栄作  
3 1994 大江健三郎    

 なお、図で取り上げているランキング上位国は米国、英国、ドイツ、フランス、日本、スウェーデン、スイス、オランダ、旧ソ連、デンマーク、カナダ、オーストリア、イタリア、オーストラリア、ベルギー、イスラエルである。

(2007年9月20日収録、2008年10月5日・10月9日更新、2011年10月4日更新、2012年10月7日更新、10月8日更新、2013年10月7日更新、表追加、2014年10月7・8日更新、2015年9月24日文科省データで確認、2015年10月6・7日大村智・梶田隆章両氏を受賞者一覧に追加、コメント改訂、データは不変、10月10日時期別グラフの戦後を20世紀と21世紀に分割、2016年9月22日更新、元資料に合わせ米国籍日本人は米国でなく日本の受賞者数に変更、10月3日更新)


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