OECDでは世界の15歳児童を対象に学力(学習到達度)に関して実際にテストを行う調査を3年ごとに行っている。この結果は、自国の学力レベルに関心を持つ各国国民の関心の的になっているので紹介することとする。

 分析対象国は、科学的リテラシー(活用力・応用力)の高い順に、フィンランド、香港、カナダ、台湾、エストニア、日本、ニュージーランド、オーストラリア、オランダ、リヒテンシュタイン、韓国、スロベニア、ドイツ、英国、チェコ、スイス、マカオ、オーストリア、ベルギー、アイルランド、ハンガリー、スウェーデン、ポーランド、デンマーク、フランス、クロアチア、アイスランド、ラトビア、米国、スロバキア、スペイン、リトアニア、ノルウェー、ルクセンブルク、ロシア、イタリア、ポルトガル、ギリシャ、イスラエル、チリ、セルビア、ブルガリア、ウルグアイ、トルコ、ヨルダン、タイ、ルーマニア、モンテネグロ、メキシコ、インドネシア、アルゼンチン、ブラジル、コロンビア、チュニジア、アゼルバイジャン、カタール、キルギスの57カ国である。

 日本の状況を分野ごと2000年から2006年について示すと、
  2000年 2003年 2006年 備考
科学的リテラシー 2位 2位 6位 フィンランドが前回と同じく1位
韓国も大きく順位低下
読解力 8位 14位 15位 韓国が1位に躍進
数学的リテラシー 1位 6位 10位 台湾1位

 科学的リテラシー、読解力、数学的リテラシーのずべてで順位が低下している。公表後12月5日の新聞各紙はトップ扱いでこの結果を報じ、社説でも取り上げた。毎日新聞の見出しは「日本理数離れ深刻、「関心・意欲」最下位」、社説見出しは「順位より「低意欲」こそ問題だ」であり、朝日新聞の見出しは「数学・科学応用力日本続落」、社説見出しは「考える力を育てるには」であった。東京新聞の見出しは「日本学力トップ集団脱落」、社説の見出しは「考える力に課題がある」であった。

 結果より原因に関心が集まりつつある。

 文科大臣は「今後理数教育の充実に努めたい」、原因については「中央教育審議会で授業時間を増やそうというのは(授業時間が)足りなかったからであり、活用力を上げるには基礎基本の知識が必要だ」ととして、授業時間、学習内容を削減した現行の学習指導要領が影響していたことを事実上認めた(産経新聞12月5日WEB版)。

 低意欲が原因であれとするなら単なる授業時間の増加はよい結果に結びつくとは限らない。

 G8などの先進国ではいずれも順位が低い。日本としては先進国に追いつき追い越せというかつての猛勉型を再現すると言うより、フロントランナーとしてどういう独自の方法で子ども達に理数系への意欲をもたせられるかを国民全体で考えていくことが重要であろう。

 自主学習時間の少なさ・テレビ視聴時間の長さ(図録3943)、教育費の増大が少子化を生んでいる点も含めて(図録1570)、抜本的な教育改革・社会改革の必要性が生じていると誰でもが感じているであろう。

 関連して科学得点の分散から見た学校間、学校内の学力格差の国際比較について、日本の学校間格差が大きい点を図録3941に掲げた。

(2004年12月19日収録、2007年12月10日更新)


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